フィンランド・ラハティで開催されているIFAF主催フラッグ世界選手権は現地8月28日、大会二日目を迎えた。初日の2連勝ですでに決勝トーナメントを決めていた男子日本代表は、グループリーグ3戦目のフランスに27対25で勝利。グループH首位で決勝トーナメント進出を決めた。しかし、午後に行われた決勝トーナメント一回戦はグループGを1勝1敗で勝ち上がったデンマークと対戦し19対20の惜敗。9〜16位を決める順位決定戦に回ることが決まった。
2024.08.29
フラッグフットボール
日本男子、決勝T一回戦惜敗
デンマークの壁を越えられず。無念の惜敗
フィンランド・ラハティで開催されているIFAF主催フラッグ世界選手権は現地8月28日、大会二日目を迎えた。初日の2連勝ですでに決勝トーナメントを決めていた男子日本代表は、グループリーグ3戦目のフランスに27対25で勝利。グループH首位で決勝トーナメント進出を決めた。しかし、午後に行われた決勝トーナメント一回戦はグループGを1勝1敗で勝ち上がったデンマークと対戦し19対20の惜敗。9〜16位を決める順位決定戦に回ることが決まった。
決勝トーナメントの対戦国は複雑なレギュレーションによって決定される。当初はフランスとの再戦という情報もあったが、対戦相手がグループGのデンマークに決まったのが試合の4時間前だった。想定外の相手に、日本代表の分析ユニットが急いでデンマークの情報を集め、選手は予選の映像をかぶりつくように見ながら、デンマーク戦の対策を練った。
「これまでそれぞれが積み上げてきた技術や経験を発揮する場がやっときた。ここまでチームを支えてくれてくれた関係者の皆様に勝利で恩返しをしよう」
岩井歩HCが試合前のハドルで選手たちに発破をかけた。試合はQB森からWR松尾良知へのTDパスで男子日本代表が先制。デンマークにすぐに追いつかれたが、この後のシリーズでスペシャルプレーが飛び出した。インサイドレシーバーに位置したRB伊藤がジェットモーション時にダイレクトでスナップを受け、反対サイドのレシーバーに位置したWR中山勲にトス、中山が再び伊藤にハンドオフのフェイクをして守備を翻弄すると、そのままエンドゾーンに駆け込んでTD。TFPの1点コンバージョンのパスも捕球した。
「2021年のイスラエル大会でデンマークに大敗していたので今日は絶対に見返したかった」
過去の対戦の雪辱に燃えたWR中山は、日本代表の成長をデンマークに見せつけた。QB森はRB伊藤、WR池井勇輝、六川永一ら、豊富なターゲットに投げ分け、相手に的を絞らせないパス攻撃を展開した。
一方、デンマークは高さを生かしたパスとサイドライン際のパスを多用。時間消費を意識した攻撃を展開し、日本代表の攻撃機会を減らしながら、いつでも逆転できる点差を維持して追いかける展開を作っていた。
19対13と日本代表が6点リードして迎えた終盤のデンマークの攻撃。日本代表守備は2分30秒粘ったが、残り3秒で逆転TDを許してしまった。男子日本代表は残された3秒でロングパスTDを狙ったが決まらず。メダル獲りの夢は潰えた。
「これまでも世界の強豪の前に日本は敗戦を喫してきた。今回こそはその世界のハードルを越えたかった。いつか必ず越えられると信じている。気持ちを切り替えて明日以降の順位決定戦で一つでも良い順位を持って帰ろう」
岩井HCは、悔しさを噛み殺しながら、残された戦いに向けて顔を上げようと、下を向く選手達に呼びかけた。