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INFORMATION ニュース

1980.01.01

1980年(昭和55年) 活動47年目

お知らせ

日大、圧倒的攻守で3連覇。加盟校急増続く。関東勢三大ボウル9連勝

日 付 主な出来事
社  会 1月26日 エジプト、イスラエル国交樹立
1月20日 米、モスクワ五輪ボイコット決定 5月24日:日本も不参加決定
4月24日 国立オリンピック記念青少年総合センター発足
9月22日 イラン・イラク戦争勃発
12月12日 日本車、生産台数で世界一に
フットボール 東北学生リーグ、新たに6校でリーグ戦開催
広島学生リーグ、新たに3校でリーグ戦開催
10月3日 湖北ファイニーズ、地域貢献でフットボール界初の文部大臣賞受賞
10月26日 第1回びわこボウル開催
11月24日 第11回関東大学選手権・第1回パルサーボウル、日大-日体大(横浜スタジアム)
12月21日 東日本社会人協会設立。記念試合横浜シティボウル、東日本社会人選抜-東日本実業団選抜(横浜スタジアム)

1975年に活動を始めていた東北地区で6校(東北学院大、日大工学部、仙台大、北里大水産学部、東北工業大、山形大)による秋季の東北学生リーグが、広島で3校(広島大、広島経済大、広島修道大)による広島学生リーグがそれぞれ開始。日本全国で、その地域で試合を開催する動きが活発になってきた。加盟校の急増が続く中、関東社会人が関東協会から独立し、関東協会は大学が加盟する組織となった。

[1]主な出来事

●12月、日本協会は大平正芳前会長の首相就任による退任で、1978年12月以降空席だった会長に森田一氏が就任した。

●10月3日、湖北ファイニーズが地域貢献でフットボール界初の文部大臣賞を受賞した。また、同チームの活動拠点となる滋賀県で、同26日に「第1回びわこボウル」が開催された。

 

[2]競技施設・装具・公式規則

◆競技施設

●5月10日、フットボールで初めて西武球場を使用し、明大-立大の定期戦を開催した。同球場では以降、主に社会人の試合が開催された。

 

◆公式規則変更

【この年の日本の主な規則変更】

●リトリート・ブロックが新たに定義され、手および腕はグラウンドに平行でなくともよく、また手のひらは閉じなければならないが、相手に向けてもよくなった。プレーヤーの手の使用の制限が緩和される規則変更の始まりだった。
●相手に対し、同時に同チームの2人のプレーヤーが、1人が相手の腰から上のブロック、他の1人が相手の腰から下へブロックする「チョップ・ブロック」が禁止された。
●フェイス・マスクの反則は、ヘルメットの開口部をつかんだ場合も対象となった。

 

[3]春季試合

◆春季試合(学生)

●日大は、本格的に取り組んで4年目のショットガンと5-2ローバー守備で連勝を続けたが、各校は「打倒日大」を合言葉に、試行錯誤を重ねながら技術水準を向上させた。

●しかし、春季に日大を阻むチームはなく、日大は16試合を行って全勝(うち2試合は二軍が出場)。総得点1,669、総失点31で、一試合平均104得点、失点は2点弱。4月29日の国学院大戦での181-0は史上最多(公式戦では1970年の日大162-0国学院大)。QB鈴木隆之(四年)、WR大用和宏(四年)のコンビ、C羽村尚男(四年、主将)、G柿沼真一(四年)、G神保正(四年)、T安村幸雄(四年)と前年度メンバーがそっくり残り、攻守とも頭抜けた存在だった。ロングパスを警戒する守備にフックやフラットゾーンへのパスを連発し、平均15TDは驚異的な得点力で、鉄壁と形容された守備も絶品だった。また、関東の強豪になった日体大に125-0、ライバル法大にも73-0の圧勝だった。関西の雄である関学大は4-4-3守備で対抗。日大-関学大定期戦では善戦したものの、6-49と大敗した。この試合が日大の春季最低得点だった。

慶大が春季にショトガン体型を採用し、好成績を挙げて話題となった。

●前年、関学大と同率優勝した同大はQB瀬川佳成(三年)を中心にまとまりを見せたが、主力の卒業で西日本大会では京大に敗れた。京大は水野彌一監督体制に戻ったが、戦力は不安定だった。

 

◆春季試合(社会人)

●東日本実業団に全日本級の日大出身選手を核とした日産が加盟したが、春季大会はベテランQB山岡雄二(早大OB)の活躍でレナウンが2回目の優勝を飾り、「第5回パールボウル」に出場した。

 

◆春のボウルゲーム

●第26回西日本大会

「第26回西日本大会」決勝は5月11日、快晴の西宮球技場で松下電工と関学大の対戦で開催された。試合開始早々から松下電工はノーハドルから次々とシリーズを更新。1Qに先制のTDを挙げると、さらにRB中富信三(関大OB)の2つのTDで3Q初めに21-0とリード。一方的な展開となった。関学大もその後、短いパスと鋭いオプションで2TDランを返したが及ばず、松下電工が21-14で勝利し、2年ぶり2回目の優勝を遂げた。

●第26回西宮ボウル

「第26回西宮ボウル」は雨天の中での開催。実業団や社会人に進んだ日大出身者を加えたオール日大のショットガン攻撃で臨んだ全関東が着実に得点。QB鈴木隆之(日大四年)からTE渋谷光二(日大三年)へのパス、RB黒田利明(日大四年)のランで逆転し、QB佐曽利正良(シルバースター)の巧妙なパスもあって27-7で勝利。関東が5連勝で対戦成績を13勝12敗1分とした。これで、関東は三大ボウル(「西宮ボウル」、「甲子園ボウル」、「ライスボウル」)8連勝とした。

●第5回パールボウル

「第5回パールボウル」は6月16日、後楽園球場で第1試合の春季関東高校選手権決勝・日大一高29-21日大櫻丘高に続き、2回目の出場となったレナウンと4回目出場の日大の対戦で開催された。

日大は1Q6分、QB鈴木隆之(四年)のスニークによるTDで先制すると、2QにはLB増渕巌(四年)のインターセプトTDで加点し、前半を42-0で折り返す。後半もSF木村正士(四年)や攻守出場のRT安村幸雄(四年)の活躍でTDを重ね、レナウンの反撃を4Q13分のQB山岡雄二からWR猿木雅文への25ヤードTDパスだけに抑えて62-6で勝利した。

 

[4]秋季試合

■関東(学生)

●関東学生リーグは前年同様、主会場として駒沢第二球技場、駒沢補助競技場、大井陸上競技場、大井サッカー場を使用して開催された。秋のリーグ戦開幕前に、翌年度からの直列3部制への移行が発表され、この秋の成績を加味して翌年の1、2、3部を決定するとの方針が示された。そのため、各グラウンドで1部入りを目指す熱の入った試合が展開された。

特に東京七大学リーグは、下位の成績となると翌年の1部所属とはならない可能性もあり、毎試合入れ替え戦のような熱気が試合で感じられた。終始安定したのはやはり日大で、リーグ戦6試合中4試合で完封勝ちを収めた。

前年6位と低迷した明大が、大型左腕QB根岸徹(二年)を中心に法大を破る波乱でシーズンがスタート。慶大が連敗。早大がQB平田能久(二年)、RB川田治毅(三年)、RB竹内千尋(三年)を軸に法大を破り、明大と引き分けて3位に浮上した。

復活した明大が2位の座を確保するとともに、日大に14-42と肉薄したが、結局は日大の圧勝で最後の東京七大学リーグは終了。関東八大学リーグで2年連続1,000ヤードラッシャーとなったRB宮本和幸(東海大四年)が話題になった。

関東八大学リーグは日体大が全勝優勝し、さつきリーグは2年連続で桜美林大が優勝。首都八大学リーグは新鋭・駒大が5年連続リーグ優勝の千葉商大を破って優勝。ローズリーグは396得点を挙げた東経大が全勝優勝し、新加盟リーグは神奈川大が苦戦しながらも優勝。それぞれ最後の並列リーグを制した。

●第11回関東大学選手権

「第11回関東大学選手権」は東京七大学リーグの日大、明大に加え、関東八大学リーグの日体大、東海大、さつきリーグの桜美林大、首都八大学リーグの駒大、ローズリーグの東経大、そして新加盟リーグの神奈川大、北海道の北海学園大の9校が参加して開催された。

準決勝で明大を破った日体大と日大が決勝で対戦した。この年から冠スポンサーが付いて「パルサーボウル」となった決勝は、日体大のNG加島淳哉(三年)を軸とした3-4守備が健闘。QB杉村弘行(三年)からWR山嵜隆夫(四年)への36ヤードTDパスで日体大が先行し、K荒木弘(三年)が当時日本記録となる52ヤードFGを成功。日大もDT安村幸雄(四年)が相手エンドゾーンでタックルしたセーフティーなどで、日大が16-10とリードして折り返した。前半の互角の戦いで22,000人の観客が入った横浜スタジアムを沸かせたが、後半開始のキックオフで日大のWR大用和宏(四年)が100ヤードのリターンTDを挙げると、その勢いで日大がペースを取り戻して7TDを連取。日大が58-10で4年連続20度目の関東優勝を果たした。

 

■関西(学生)

●関西学生リーグは西宮球技場、神戸中央球技場、西宮球場、長居陸上競技場で開催した。リーグ戦では前年、関学大と同率優勝して2番手と言われていた同大が立命大、近大に連敗して早々に優勝戦線から脱落した。一方、強力ラインで京大、同大を連破した近大が躍進し、関学大4勝、近大2勝で迎えた両者の対戦が、リーグの山場となった。

注目の関学大と近大の対決は、近大がC古野繁樹(四年)、G市道利哉(四年)、T奥田雅也(四年)、DE内田隆三(三年)の強力ラインが押し勝ち、RB岩本聡(四年)、RB大城修(四年)のラン、QB名迫光信(三年)のパスで攻め、さらにDB大谷雅彦(三年)のリターンTDなどで前半を14-3で折り返した。しかし、関学大はQB松井晃(三年)がWR酒井理(四年)、WR梅原貴夫(三年)、WR山口哲史(二年)、TE前川武弘(二年)への短いパスを成功させ、自らのランもあって、24-14で逆転勝ちした。

しかし、関学大にとっての波乱は第5戦の京大戦で、京大のRB松田明彦(二年)に縦横無尽に走られ5TDを許す守備のもろさを出して28-35で敗北。結局、この年も関学大と近大の同率優勝となった。

甲子園ボウル出場校決定戦は、万博陸上競技場に12,000人の観客を集めて大熱戦を展開。近大がQB名迫光信(三年)からWR山本良彦(四年)へのパス、DE寺尾、DB川村大治(四年)のインターセプトリターンの3TDで逆転したが、関学大はWR梅原貴夫(三年)、RB安藤邦彦(一年)、DB鳥内秀晃(三年)のTDなどで31-20と再逆転に成功。しかし、試合残り2分で近大がTDを挙げて関学大に迫り、さらにその後のオンサイドキックを成功させて猛反撃した。最終プレーで名迫へのE寺田伸一(四年)の逆転TDパスが成功したかと思われたが、近大の反則で取り消され、関学大が31-27で辛勝。関学大は冷や汗をかきながらも32年連続の甲子園ボウル出場を果たした。

前年、関学大、同大と優勝争いに加わった関大は不調で、立命大とともに2勝5敗の同率6位に。2部との入れ替え戦出場校を決める両者のプレーオフは引き分けで、再戦で関大が立命大に敗れて入れ替え戦に回った。入れ替え戦では関大は2部の京産大を56-0で下し、1部残留を決めた。

 

■各地区(学生)

【北海道】 連盟創立以来最大の10チームとなり、1ブロック5校のA、Bブロックで開催。各ブロック1、2位のトーナメント決勝で北海学園大が27-13で札幌大を破り優勝。
【東北】 活動5年目。これまで春主体の学生リーグ戦を初めて秋に移して6校で開催し、東北学院大が優勝。春季は加盟校によるトーナメントを開催した。
【東海】 実力拮抗のリーグ戦は、創部6年目の名古屋大が4勝1分で初優勝した。名古屋大と引き分けた愛知大は中京大、愛知学院大に敗れて4位に終わった。
【北陸】 福井大が5勝1分で優勝した。
【広島】 社会人と学生チームが一緒にリーグ戦を開催。学生は順位未決だが、広島大が2勝無敗だった。
【九州】 福岡大が5勝全勝で6年連続の優勝を遂げた。

 

◆秋季試合(社会人)

●東西の社会人リーグでは、新鋭の実業団チームの台頭が目立った。

 

■秋季試合 関東(社会人)

●関東社会人は、これまで従来からの学生主体の「関東アメリカンフットボール協会」に所属していたが、「東日本社会人アメリカンフットボール協会」として独立した。その東日本実業団リーグは主会場として本牧ビーチフィールド(横浜市)を使用して開催。レナウンが新加盟の本格派実業団・日産をかわして4連覇。社会人リーグはシルバースターが連覇を遂げた。

シーズン終了後、関東社会人リーグと東日本実業団リーグが統合。12月21日にはその協会創立を記念した「社会人実業団選抜対抗戦・横浜シティボウル」が寒風の中、開催された。DT槇野均(シルバースター)、WR秋山克未(シルバースター)の活躍で、社会人選抜が24-0で実業団選抜に快勝した。

 

■秋季試合 関西(社会人)

●関西社会人リーグは西宮球技場、伊丹スポーツセンター、万博陸上競技場で開催。

1部(Aブロック)は7チームで開催。唯一の実業団チームで春優勝の松下電工が初戦でサイドワインダーズに13-6の辛勝。続くNACLとは13-13と引き分けたが、その後は全建開発、スイーパーズ、タイガース、イーグルスを下し、5勝1分で初優勝した。松下電工と引き分けたNACLはタイガース、スイーパーズに敗れて2位となった。各チームの実力差はあまりなく、比較的競ったシーズンだった。

 

[5]秋季試合(ボウルゲーム)

◆第35回甲子園ボウル

●日大と関学大の4年連続20回目の対戦となった12月14日の「第35回甲子園ボウル」は、30,000人の観客が見守る中、日大(篠竹幹夫監督)が関学大(森下征郎監督)を42-7で下し、3年連続14回目の王座に就いた。

関学大守備の健闘で1Qの膠着状態から、先制したのは鈴木隆之(四年)、加藤雅人(二年)の2人QB制を導入したドラゴンフライの日大。敵陣ゴール前からウイングTに切り替え、RB安藤昭一(二年)が1ヤードのランで先制TDを挙げた。

関学大は4-4-3体型から変化のある守備でショットガン攻撃を抑えて善戦。2Q10分にTDを返して7-7とした。日大はその後、R大用和宏(四年)の92ヤードのキックリターンで調子を取り戻し、2Q11分にRB黒田利明(四年)が勝ち越しのTD。続いてDB北川徳彦(三年)の55ヤードのインターセプトリターンTD。後半にはQB鈴木隆之(四年)が3TDパスを通し、C羽村尚男(四年、主将)、RT安村幸雄(四年)、LB増渕巌(四年)、LG柿沼真一(四年)、NG高塚勝也(四年)の強力ラインで42-7として勝利をつかんだ。

QB鈴木隆之(四年)は42回のパスを投げて24回の成功と、成功率は低かったが、407ヤードを獲得した。ミルズ杯は前年に続いて鈴木が受賞。2年連続受賞は初の快挙だった。

 

◆第34回ライスボウル

●翌1981年1月4日の「第34回ライスボウル」は、国立競技場で18,000人の観客を集めて開催された。試合開始早々、関東はショットガン体型からいきなりWR大用和宏(日大四年)にサイドライン際にパス、さらにセンタースクリーンでTE竹内隆義(日大四年)がキャッチし、一気に関西陣20ヤードに進んだ。その3プレー後、再び大用がパスを捕ってTD。開始から7プレーの87ヤードドライブ中、大用が4プレーで52ヤードを獲得しての先取点だった。

関東は2Qにも日体大ユニットが攻め、QB杉村弘行(四年)がじりじりと前進。最後は杉村のスニークによるTDで前半28点とする一方、関西は1セーフティーと1TDの9点で前半を折り返した。

3Qは守備戦となったが、4Qには互いに1TDを挙げた。日大ユニット中心の関東は、QB鈴木隆之(四年)からWR大用和宏(四年)へのホットラインパスで127ヤードを稼ぎ、関西はQB松井晃(関学大三年)からTE小栗秀元(関学大三年)、WR梅原貴夫(関学大三年)へのパスで2TDを挙げたが、関東が35-15で勝利した。

ミラクルキャッチのWR大用和宏(日大四年)、LB増渕巌(日大四年)、T安村幸雄(日大四年)、G神保正(日大四年)らの活躍で、関東が4連覇で通算成績を22勝12敗とした。この試合も例年通り、NHK総合テレビで全国中継された。

 

[6]高校フットボールの活動

●高校の全国大会は、この年から準決勝(勝者は関東、関西の各地区優勝校となる)までを各地区で行い、関東、関西の両優勝校が全国大会決勝戦として対戦する方式となった。従来の準決勝、決勝を2日間で実施する方式から、選手の健康を考慮した形となった。

 

◆春季大会(高校)

●「春季第6回関東高校選手権大会」決勝は、6月16日開催の「パールボウル」の第1試合として行われ、県立松陽高(神奈川2位)を22-0で下した日大一高(東京1位)と、浅野高(神奈川1位)と6-6で引き分け、抽選で決勝に進出した日大櫻丘高(東京2位)が対戦し、日大一高が29-21の接戦を制した。

「春季第10回関西高校選手権大会」は8校のトーナメントで開催。準決勝で県立彦根東高(滋賀2位)を62-0で下した関学高(兵庫1位)と、県立虎姫高(滋賀1位)を36-0で下した府立豊中高(大阪代表)が決勝で対戦し、関学高が20-0で7連覇を遂げた。

 

◆秋季大会(高校)

■関東地区(高校)

●「秋季全国大会関東地区」決勝は11月9日、都立西高グラウンドで行われ、駒場学園高(東京1位)が日大三高(東京5位)を36-16で破った。日大三高は1回戦で都立西高(東京2位)、2回戦で日大高(神奈川1位)を破って躍進したが、初の全国大会決勝進出はならなかった。

 

■関西地区(高校)

●「全国大会関西地区」決勝は11月24日、万博陸上競技場で行われ、関学高(兵庫1位)が関西大倉高(大阪1位)を26-7で破り、全国大会決勝に進んだ。関学高は兵庫県大会の1回戦で県立星陵高に7-0の辛勝だったが、以降は順調に勝ち進んだ。

 

◆第11回全国高校選手権

●「全国高校選手権」は第6回大会まで全出場校が1か所に集まってトーナメントで開催し、第7回から前年の第10回まで準決勝、決勝を連続した2日間で開催していたが、この年から関東、関西の各1位を決めるまでを各地区で開催し、決勝1試合を東西の対決とした。この方式は現在でも続いている。

「第11回全国高校選手権」決勝は12月26日、寒風の吹く駒沢第二球技場で関学高と駒場学園高が対戦し、関学高が44-14で勝利した。前半は1TDを争う接戦で好展開を見せたが、武田建監督の下、関学高が後半に入って力強いランプレーを押しまくり、2年連続8回目の高校日本一となった。関学高は走、投ともに備えた古田晃隆、竹田篤史の2人の三年生QBの活躍が光った。

 

[7]海外・国際関連の活動

◆外国チーム間の試合(日本国内開催)

●11月30日、国立競技場で開催された「第4回ミラージュボウル」には人気のUCLAが登場。RBフリーマン・マクニールら人気選手も多く、超満員の80,000人の大観客が声援を送り、UCLAがオレゴン州立大を34-3で下した。

●「第6回ジャパンボウル」は翌1981年1月18日、横浜スタジアムに30,000人の観客を集めて開催された。「第4回ミラージュボウル」で来日し、国立競技場を沸かせたUCLAのRBフリーマン・マクニール、DBケニー・イーズリーもメンバーに選ばれて再来日。西軍がマクニールの2TDランで25-13と逆転勝利した。QBマーク・ハーマン(パデュー大)ら総勢10人のオールアメリカンの選手とともに、コーチ生活最後の試合となったダン・デバイン氏(ノートルダム大)に関心が集まった。

 

★当時の関係者の言葉(日本協会50年史掲載)

●甲子園ボウルの想い出

「四年時は、足首のじん帯を切って足を引きずりながらプレーだった」 (日大1981年卒、C・主将 羽村尚男)

「四年のときの三塁側から入場したときの感動を今でも忘れられません。あれ以上燃えたことはなかった」 (関学大1981年卒、G・主将 佐藤 哲二)