関大が台頭してきた関西学生リーグは立命大、関学大、関大が同率優勝となり、この3校が全日本大学選手権に進出した。社会人ではジャパンXボウルでオービックが試合終了前の劇的なTDパスでパナソニックを破るなど、競った試合が多かった。「日本アメリカンフットボールの殿堂」の第2回顕彰で5人が顕彰された。
2010.01.01
お知らせ
オービック、5年ぶり4度目のライスボウル制覇。日本がドイツに勝利
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 1月12日 | 欧州委員会、ギリシャの財政悪化を指摘、ギリシャ危機の始まり |
1月19日 | 日本航空、会社更生法の適用申請 | |
2月17日 | チリ地震(M8.8) | |
6月13日 | 小惑星探査機はやぶさ(初号機)、7年間の旅を終え帰還 | |
日本の国民総生産(GNP)世界3位に後退 | ||
フットボール | 1月3日 | 松葉徳三郎氏ら5人、「日本アメリカンフットボールの殿堂」入り(第2回殿堂顕彰) |
1月11日~ | 日本協会、指導者育成・公認資格制度を目指し、米国で指導者養成研修を実施 | |
3月21日 | 日米親善U19カメリアボウル開催。のちのトモダチボウル(川崎球場) | |
4、7月 | 日本協会、第1回公認認定指導者講習会(全国各地) | |
4月24日 | ジャーマン・ジャパンボウル、日本-ドイツ。日本快勝(ドイツ・デュッセルドルフ) | |
11~12月 | 高校選手権、20校によるトーナメント戦へ | |
12月5日 | 東北学生リーグ南北戦、第1回ハレオ・センダイボウル(ユアテックスタジアム仙台) | |
翌年1月3日 | 第64回ライスボウル、オービックが立命大を下し4回目の優勝 |
関大が台頭してきた関西学生リーグは立命大、関学大、関大が同率優勝となり、この3校が全日本大学選手権に進出した。社会人ではジャパンXボウルでオービックが試合終了前の劇的なTDパスでパナソニックを破るなど、競った試合が多かった。「日本アメリカンフットボールの殿堂」の第2回顕彰で5人が顕彰された。
[1]主な出来事
●「日本アメリカンフットボールの殿堂」の第2回顕彰として以下の5氏が選ばれ、殿堂入りした。殿堂顕彰は計14人となった。
氏 名 | 属 性 |
松葉 徳三郎 | 協 会 |
保科 進 | 指導者 |
井上 素行 | 協 会 |
吉川 太逸 | 協 会 |
金澤 好夫 | 協 会 |
●日本協会は、前年に続いて「第2回JAFAフットボールコンベンション」を2月21日に東日本地区(日大百周年記念館)で、3月7日に西日本地区(大院大2号館)で開催した。前年に行われた国際試合(U19グローバル・ジュニア・チャンピオンシップ、ノートルダム・ジャパンボウル)の報告や指導者養成プログラムの紹介などが行われた。講演内容は日本協会公式サイトで公開された。
●日本協会の指導者育成委員会(金氏眞委員長)では、国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)の指導者育成の方針に基づき、日本国内での認定コーチ制度導入に向けて、4月10、11日に「認定指導者講習会」を開催した。さらに、日本体育協会の制度に基づいた日本協会の「公認アメリカンフットボール指導員養成プログラム」を開始。安全に配慮した基本技術を習得した指導者を育成することを目的とし、スポーツ指導者としての基本的な知識とスキルの習得を目指して開講した。2010年度は関東、北海道、九州地区で開催し、167人の指導員が誕生した。
●日本協会の加盟チーム数は高校113、大学218、社会人60の合計391チーム。
●浅田豊久氏が日本協会理事長(第18代、日本協会法人化により2014年から第5代会長)に就任し、17年まで務めた。
[2]競技施設・装具・公式規則
◆競技施設
●駒沢第二球技場と駒沢補助競技場が人工芝となった。また、九州学生リーグの主会場となる春日公園競技場も5月に人工芝となった。そのこけら落としとして、5月2日に西南学院大と社会人のベアーズの試合が行われた。
◆公式規則
●NCAAルール委員会セクレタリのRogers Redding氏(1942~2024)が5月に来日し、関西と関東でクリニックを開催した。同氏は1984、89年に来日したDavid M. Nelson氏の後を継いだJohn Adams氏の後任で、NCAAの競技規則の制定や適用に大きな役割を持つキーマンだった。同氏の『Referee’s Study Guide』は、フットボールの複雑な事例の判断とその根拠を整理した高度な内容で、日本でも同氏の許可の下に全訳し、審判員のルール理解のために使用された。同氏はほぼ隔年で5回来日し、日本での公式規則の理解や適用に貢献した。
【この年の日本の主な規則変更】
●無防備な相手の首や頭部への接触の規定に、ヘルメット、前腕(肘から手首)、肘、肩での接触の禁止が追加された。
[3]春季試合
◆春のボウルゲーム
●第56回西日本選手権
第56回西日本社会人選手権「グリーンボウル」は、ドイツで行われたジャーマン・ジャパンボウルの日程の関係で、選手権試合は開催せず、交流戦8試合を開催した。
●第34回パールボウル
「第34回パールボウル」は7月1日、東京ドームで富士通とオービックが対戦。3Q終盤まで、オービックK金親洋介の2FGと富士通K西村豪哲の3FGだけという接戦となったが、3Q12分にオービックがRB杉原雅敏の44ヤード独走TDランで逆転。しかし4Q残り1分、富士通はQB出原章洋からWR松林大樹への20ヤードTDパスが決まって再逆転し、15-13で勝利した。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグ1部はアミノバイタルフィールドを主会場として開催した。
●Aブロックは、関東2連覇中の法大が全勝でブロック優勝を遂げた。法大は前年のパス攻撃から一転、QB高島岳彦(三年)を中心としたランを軸に、リーグ2位となる1試合平均44.1得点を挙げた攻撃力が光った。2004年の第2節から続く関東での公式戦連勝記録を46に伸ばした。
法大はブロック最終戦で、日大と全勝対決。1Q10分、RB堀大介(三年)のTDランで先制すると、K丸田喬仁(四年)の49ヤード、43ヤードの2FGで3Q終了時に13-0とリード。4Qに日大に1TDを返されたが、19-13で勝利した。2位は日大で、3位は慶大。1部2年目の国士大と復帰初年度の神奈川大が健闘し、ともに3勝4敗の同率4位となった。
Bブロックは、最終週で全勝の早大と1敗の明大が1位を懸けて5年ぶりの対戦。早大はRB藤堂善生(四年)の15ヤードTDランとQB広野公大(三年)からRB末吉智一(三年)への13ヤードTDパスで先行。守備陣も明大のパスを4回インターセプトするなど活躍し、38-22で勝利して7年ぶりに全勝で1位となった。シーズン計20ターンオーバーを奪った守備陣の活躍も光った。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は9月4日、王子スタジアムと西京極陸上競技場で開幕し、8つの会場で熱戦を繰り広げた。
●前年優勝の関大と関学大、立命大の3校による争いと予想され、その通りとなった。第5節で関学大と立命大が全勝対決。立命大が、前半に多発した関学大のミスを着実に得点に結び付け、20-13で2年ぶりに勝利した。
立命大と関大が第6節で全勝対決。拮抗した展開となったが、関大は残り2分を切って2点差に迫った立命大のTFPの2点トライを防ぎ、17-15で勝利した。
最終節の関大-関学大は関学大が27-10で勝利。この結果、関大、立命大、関学大が1敗で並び、1996年以来14年ぶり史上2度目の3校同率優勝となった。関学大の優勝は50回目。3校でのプレーオフは日程の関係で開催することが難しいため、全日本大学選手権に3校が出場して西日本代表校を争う形とした。
全日本選手権の西日本のブロックの対戦は東海、北陸、中四国、九州の4地区からの代表校のトーナメント勝者と立命大が対戦し、関学大と関大が対戦。それぞれの勝者が西日本代表校決定戦を戦うこととなった。
■各地区の活動/代表決定戦(学生)
【北海道】 前年優勝メンバーが多く残る小樽商大が5戦全勝で3連覇。1部に復帰した北星学園大が2位と健闘した。
【東北】 前年4位で史上初の入れ替え戦を経験した東北大が、開幕3連勝で2年ぶり25回目の優勝を決めた。
【東海】 南山大がリーグ屈指のラン攻撃を誇った名城大を完封して急浮上し、最終戦で名古屋大と引き分けて5年ぶりの優勝を飾った。
【北陸】 ラン攻撃を武器とする金沢大が福井県立大との全勝対決を制し、17連覇した。
【中四国】 前年優勝の愛媛大と2年ぶり14回目の優勝を目指す広島大が最終戦で全勝対決し、広島大が勝利した。
【九州】 上位4校がデッドヒートを展開。久留米大は福岡大に不覚を取ったものの、最終戦で九大を破り、6年ぶりの優勝を果たした。
●全日本大学選手権の東日本代表校決定戦準決勝は法大-東北大、早大-小樽商大で行われ、法大が51-16で、早大が56-13でそれぞれ勝利し、決勝に進んだ。
東日本代表校決定戦は12月5日、味の素スタジアムで法大と早大が2年連続で対戦。法大は1Q、RB堀大介(三年)のTDランで先制したが、早大はK原秀星(二年)の26ヤードFGとRB末吉智一(三年)の14ヤードTDランで逆転。早大はその後も末吉が計252ヤードを走る活躍で38-28で勝利し、甲子園ボウル出場を決めた。
●西日本代表校決定トーナメントは、関西で関学大、関大、立命大が同率1位のため3校が出場。1回戦の広島大-久留米大は同点の末の延長3回の結果、久留米大が勝利し、南山大は金沢大を46-6で破って2回戦に進んだ。2回戦の南山大-久留米大は南山大が31-3で勝利し、準決勝に進んだ。
準決勝は関大が関学大に3-3からの延長戦で9-6の勝利。立命大は南山大を58-0で下した。
西日本代表校決定戦は12月13日、京セラドームで関大と立命大が対戦。リーグ戦では関大が17-15で勝利し、この試合も接戦が予想された。2Q、立命大がパスとランで2TDを先行すると、関大も1TDと2FGで追い付き、前半を13-13で折り返した。立命大は3Q、QB谷口翔真(三年)の2つのTDランで27-13とリードし、4Qにも得点を重ねて37-20で勝利した。
■Xリーグ・第1、2ステージ(社会人)
●Xリーグの第1ステージは、東日本が平日夜間の東京ドームを3日間使用し、それ以外の多くは川崎球場で開催。西日本は王子スタジアムなどで開催した。第2ステージは川崎球場、王子スタジアム、キンチョウスタジアムを使用した。
●Xリーグイースト、セントラル、ウエストの第1ステージを経て、第2ステージはAブロックがパナソニック電工、富士通、アサヒビール、Bブロックがオービック、IBM、吹田、Cブロックが鹿島、アサヒ飲料、明治安田の顔ぶれとなった。
Aブロックはパナソニック電工と富士通の争いとなり、パナソニック電工が攻守に富士通を圧倒して23-6で1位となった。Bブロックは、オービックが2試合ともに圧勝して1位に。Cブロックは鹿島とアサヒ飲料の争いとなり、鹿島がアサヒ飲料を38-33の接戦で破って1位となった。この各ブロック1位と、抽選でIBMがファイナルステージに進んだ。
●12月26日、川崎球場で行われたXリーグ入れ替え戦で、X2の相模原ライズがハリケーンズを57-0で破り、Xリーグ昇格を決めた。オンワード・オークスが2008年シーズン後に解散してから新チームを結成し、2年でXリーグに所属することとなった。
■プレーオフ(社会人)
●ファイナルステージで、鹿島-オービックは、終了1秒前にオービックがRB古谷拓也の同点のTDランでタイブレーク方式の延長戦に突入。先攻のオービックはQB菅原俊から古谷への8ヤードTDパスが成功。裏の鹿島の攻撃をDEカール・ノアがインターセプトし、28-21で勝利した。パナソニック-IBMは、パナソニック電工が18点を先行したが、後半にIBMが猛追し、4Q4分に28-28の同点に。パナソニック電工は残り1秒でK佐伯栄太が勝ち越しFGを決め、31-28で勝利した。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第65回甲子園ボウル
●全日本大学選手権決勝、第65回甲子園ボウルは12月19日、甲子園球場に29,000人の観客を集め、立命大(米倉輝監督)と早大(朝倉孝雄監督)が8年ぶりに対戦。これまでは甲子園球場の外野芝生部分を使用した横方向のフィールドで試合を行っていたが、この年から本塁から外野の縦方向で行った。縦方向は1989年の第44回大会以来2回目で、内野部分の土を初めて芝で覆った。関西から3校が全日本大学選手権に出場した関係で立命大は準決勝からわずか1週間後の試合となった。
立命大は開始早々、DB荻須創太(四年)がインターセプトから31ヤードをリターンするTDで先制。8分、早大は相手のパントの落球で得た敵陣12ヤードからの攻撃で、最後はRB末吉智一(三年)の5ヤードTDランとTFPのキック成功で逆転。すると立命大は1Q終了間際にTB北川瞬(三年)のTDランで再逆転した。
立命大は2QにRB高野橋慶太(四年)の2つのTDラン、3QのK佐伯真太郎の38ヤード、22ヤードの2つのFGなどで、3Q終了時に40-7と大きくリード。早大は4Q、RB末吉智一(三年)の13ヤードTDラン、QB芳賀太郎(四年)からWR清水隆弘(二年)への38ヤードTDパスで14点を返したが、立命大が48-21で勝利し、2年ぶり7階目の優勝を果たした。早大は初出場の8年前に続いて立命大に敗れた。ミルズ杯は立命大のQB谷口翔真(三年)が受賞した。
◆第24回日本社会人選手権・ジャパンXボウル
●「第24回日本社会人選手権・ジャパンXボウル」は12月20日、東京ドームに18,363人の観客を集め、オービックとパナソニック電工が対戦。1Qにパナソニック電工がFGで先制したが、オービックは2Qにランとパスの2TDで逆転。パナソニック電工は4Q7分にCB辻篤志の31ヤードのインターセプトリターンTDで16-13と再逆転した。
しかし、オービックは4Q12分、QB菅原俊からRB杉原雅俊への9ヤードTDパスが決まって20-16と逆転。その後の相手の反撃を抑えて勝利した。2007年から3年連続でパナソニック電工に僅差で敗れていたオービックが、5年ぶり5回目の優勝を果たした。MVPはパス31回で23回成功、205ヤード、2TDを獲得したオービックの菅原が受賞した。
◆第64回ライスボウル
●「第64回ライスボウル」は翌2011年1月3日、東京ドームに実数発表での最多となる35,750人の観客を集め、オービックと立命大が対戦した。
オービックは1Q、QB菅原俊がWR萩山竜馬に49ヤードのTDパスを決めて先制。その後も菅原のランやK金親洋介のFG、RB古谷拓也のTDランで加点し、計24点を挙げた。守ってはDLケビン・ジャクソンやLB古庄直樹らが活躍。相手のパスを3回インターセプトするなど、高さとスピードで圧倒し、24-0で勝利した。ライスボウルが学生と社会人の対戦となって以降、完封勝ちは2回目。総獲得距離はービックの319ヤードに対し、立命大はラン、パスともに69ヤードの計138ヤードに抑えられた。MVPのポール・ラッシュ杯は菅原が受賞した。
◆その他のボウルゲーム
●12月5日、晴天のユアテックスタジアム仙台で、東北学生南北オールスター戦の「第1回ハレオ・センダイボウル」が開催された。東北学生リーグ所属10校を北東北(岩手大、秋田大、弘前大、北里大獣医学部)と南東北(仙台大、東北大、東北学院大、日大工学部、東北工大、山形大)に分けて対戦。南東北が28-27で逆転勝利した。
[6]高校フットボールの活動
◆春季大会(高校)
●「第36回春季関東高校選手権」は、準決勝で足立学園高(東京4位)を28-7で破った早大学院(東京1位)と、立教新座高(SIC1位)を27-9で破った慶応高(神奈川1位)が決勝で対戦し早大学院が14-7で勝って5年ぶり2度目の優勝を果たした。
●「第40回春季関西高校選手権」は、準決勝で県立虎姫高(滋賀1位)を42-12で破った箕面自由学園高(大阪1位)と、立命館宇治高(京都1位)を28-0で破った関学高(兵庫1位)が決勝で対戦し、関学高が43-36で逆転勝ちし、3年ぶり24回目の優勝を遂げた。
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東大会」決勝は11月23日、駒沢第二球技場で早大学院と駒場学園高の間で行われ、1Qに早大学院がTDランで先制すると、駒場学園高が追い掛ける展開となり、4Q終了時に17-17の同点でタイブレーク方式の延長戦に。後攻の早大学院がTDランを挙げて23-17で勝利した。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西地区」決勝は11月27日、王子スタジアムで関学高と関大一高が対戦。関学高がRB真砂陣(一年)の4ヤードTDラン、QB前田龍二(三年)からWR木下豪大(二年)への15ヤードTDパスで、前半を13-0とリードして折り返した。関大一高は後半、QB石内卓也(二年)からRB林直輝(三年)への2ヤードTDパスで反撃するが、関学高は4Qに真砂が自身3つ目のTDランを挙げるなどし、34-7で快勝した。
◆第41回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●全国高校選手権は関東、関西各10校のトーナメント方式に変更され、東西のトーナメントを勝ち上がった2校による決勝を「クリスマスボウル」とした。
「第41回クリスマスボウル」は12月23日、王子スタジアムで7年ぶり21回目出場の関学高と2年ぶり6回目出場の早大学院が対戦。春秋の公式戦無敗で勝ち上がってきた両チームの戦いは、早大学院がRB井上広大(三年)のランを軸に先制し、2QにQB北村卓也(三年)がWR松本邦斗(三年)にTDパスを決めてリード。守備陣もDB斉藤友智(三年)、新妻孝介(三年)、藤原健太郎(二年)が3インターセプトを奪って17-6で勝利した。
[7]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●関東では3月21日、「日米親善U19カメリアボウル」として、神奈川高校選抜がアメリカンスクール選抜と川崎球場で対戦した。
●関西学生リーグの所属校53校を二分し、米国からの選手も参加した「ニューエラボウル2010」は7月11日、京セラドーム大阪で開催。関大、同大、甲南大を中心としたチームにサンノゼ州立大が加わったチームと、関学大、立命大、京大を中心としたチームにサンディエゴ州立大が参加したチームが対戦した。
◆日本チームの活動(海外開催)
●日本代表が親善試合としては初めての海外遠征を実施。4月24日、ドイツ・デュッセルドルフのエスプリ・アレーナでドイツ代表との「ジャーマン・ジャパンボウル」を行った。アイスランドの火山噴火で前日まで渡航不可となるリスクがあったが、日本代表は無事に現地入り。大型選手の多い欧州の強豪・ドイツとは、過去3回のワールドカップでは対戦がなく、これが初の対戦。日本代表のヘッドコーチは森清之氏(鹿島)が務めた。
開始早々、日本はWR木下典明(オービック)がキックオフリターンでゴール前3ヤードに迫ると、QB高田鉄男(パナソニック電工)から木下へのパスで先制のTD。その後、ミスから同点とされたが、3QにLB塚田昌克(オービック)のタックルが相手のファンブルを誘い、敵陣23ヤードでCB植木大輔(富士通)がリカバー。4プレー後に木下が2つ目のTDを挙げ、24-14で勝利した。現地デュッセルドルフの日本人学校の500人を超す全校生徒の大声援に応えた。
●U19米国代表-U19世界選抜の第2回インターナショナルボウルが翌2011年2月2日、米テキサス州オースティンで開催された。前回に続き、日本から世界選抜としてRBコーチの宇野裕樹氏(立大ヘッドコーチ)、RB横田惇(中大二年)、WR高橋慎(関大一年)が参加。米国代表が21-14で勝利した。
●2008年から米女子プロフットボールリーグのIWFL(Independent Women’s Football League)のサクラメント・サイレンスに参加している小倉典子がDEで活躍し、7月24日のワールド・チャンピオンシップに出場したが、ボストンに敗れた。小倉は同25日のオールスター戦にも選抜されて出場するなど、4か月で12試合を戦った。小倉の米国での活動は数年間続いた。