IFAFの第5回アメリカンフットボール世界選手権が米プロフットボール殿堂のあるオハイオ州カントンで開催され、日本は準優勝した。この試合も含めて、前年に続いて国際試合が多くなり、アメリカンフットボール、フラッグフットボールの日本代表チームが派遣され、活躍した。
2015.01.01
お知らせ
熱戦続き、ボウルゲームすべて接戦。第5回世界選手権、日本準優勝
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 7月1日 | 米国とキューバ、54年ぶりの国交回復に正式合意 |
10月1日 | スポーツ庁発足 | |
11月13日 | パリ同時多発テロ事件 | |
12月12日 | 第21回気候変動枠組条約締約国会議でパリ協定を採択 | |
フットボール | 2、3月 | 日本協会フットボール・アカデミー「Heads Up Football 体験会」開催(2月28日・西日本地区、3月1日・東日本地区) |
3月21日 | レガシーボウル、関学大-プリンストン大(キンチョウスタジアム) | |
4月5日 | 富士通スタジアム川崎竣工記念、フットボールフェスタ | |
4月25~26日 | IFAF第1回フラッグフットボールアジア選手権(ハノイ) | |
6月14日 | 世界選手権代表チーム壮行試合、対全慶応・全Xリーグ連合(富士通スタジアム川崎) | |
7月8~19日 | 第5回世界選手権、日本準優勝(米オハイオ州カントン) | |
翌年1月3日 | 第69回ライスボウル、パナソニック、立命大を下し3回目の優勝 |
IFAFの第5回アメリカンフットボール世界選手権が米プロフットボール殿堂のあるオハイオ州カントンで開催され、日本は準優勝した。この試合も含めて、前年に続いて国際試合が多くなり、アメリカンフットボール、フラッグフットボールの日本代表チームが派遣され、活躍した。
[1]主な出来事
●2月22日、兵庫医科大西宮キャンパスで「第18回アメリカンフットボール医・科学研究会」が開催された。対象はドクター、トレーナー、メディカル担当者、チーム指導者で、講演内容は以下の通り。
(1)遠征帯同報告(「世界大学選手権」、「U19世界選手権」)
(2)肩・肘・膝外傷の最近の話題
(3)熱中症対策
(4)下肢外傷予防トレーニング
(5)外傷予防 Head Up Footballの紹介
(6)重傷頭部・頚部外傷の評価と競技復帰
●日本協会は「JAFAフットボール・アカデミー」を2月28日に関大高槻キャンパスで、3月1日に日大文理学部で開催した。「Heads Up Football」の中心的な推進者、USA Footballのスコット・ハレンバック氏らが来日し、正しく安全なフットボールを目指して最新タックル技術を講演し、フィールドでの体験学習を行った。数年前から公式規則でヘルメットを使用した相手プレーヤーに対する打撃やターゲティングが厳しく禁止されてきたが、日本協会ではそれらをより徹底するために講習会を開催した。
●日本協会では3月に関東、関西でそれぞれ4日間の「JAFAシニアフットボール・アカデミー」を行った。世界選手権への選手の強化や育成を目的に開催したもので、東日本は140人、西日本は108人が参加した。
●2004年から実施しているドーピング検査を、この年は12月13日の甲子園ボウル、同14日のジャパンXボウル、翌2016年1月3日のライスボウルで実施した。検査を実施するにあたり、10月31日に関東で、11月1日に関西で説明会が開催された。内容は以下の通り。
(1)日本アンチ・ドーピング規定の変更事項
(2)2016年版禁止リスト
(3)TUE(Therapeutic Use Exemptions=治療使用特例)の審査手続き
(4)検査手順
(5)罰則規定
(6)質疑応答
●日本協会加盟チームは高校111、大学211、社会人53の合計375チーム。
[2]競技施設・装具・公式規則
◆競技施設
●川崎市富士見球技場の改装工事が4月に完了し、名称が富士通スタジアム川崎に変更された。4月5日に竣工記念のフットボールフェスタを開催した。
◆公式規則
【この年の日本の主な規則変更】
特になし
[3]春季試合
◆春のボウルゲーム
●第61回西日本社会人選手権
第61回西日本社会人選手権決勝・グリーンボウルは、準決勝でアズワンを24-0で破ったエレコム神戸と、アサヒ飲料を28-7で破ったパナソニックが5月17日に快晴の王子スタジアムで対戦。パナソニックの守備陣がエレコム神戸の攻撃を168ヤードに抑え、4インターセプトを奪取。攻撃陣は計499ヤードを稼ぎ、42-2で圧勝した。
●パールボウル
パールボウルはIFAF世界選手権の開催と重なることから、開催は見送りとなった。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグ1部は、アミノバイタルフィールドと富士通スタジアム川崎を主会場として開催。
●TOP8は日大、法大、慶大、早大、中大、明大、日体大、専大が所属。第4節までに行われた前年上位の日大から早大までと、前年下位の中大から専大までの対戦では、上位が全勝し、シーズン後半はこの上位4チームの争いとなった。
早大は第5節で日大と対戦。1Q、早大はQB笹木雄太(三年)がWR岡田義博(四年)に5ヤードのTDパスを決めて先制。日大はQB西澤凌介(四年)からWR西村有斗(四年)への7ヤードTDパスが成功したがTFPのキックを失敗。早大は1Q終了間際にLBコグラン・ケビン(四年)が日大のパントをブロックし、自身で60ヤード走ってTDとし、14-6とした。その後、両チームの守備陣が踏ん張り、早大が21-9で勝利した。
早大は続いて法大と対戦。雨の中で接戦となり、早大が前半を10-0で折り返す。3Qに両チームがともに2TDを挙げるなどしたが、早大が前半のリードを保って27-24で勝利し、1試合を残して5年ぶり3回目のリーグ優勝を決めた。2位は日大で3位は法大と慶大。5位からは明大、中大、日体大、専大となった。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は王子スタジアム、エキスポフラッシュフィールド、ヤンマースタジアム長居を主会場として開催した。
●関学大と立命大が勝利を重ね、最終節で全勝対決を迎えた。
関学大-立命大は11月22日、ヤンマースタジアム長居(2014年にネーミングライツで長居陸上競技場から名称を変更)に14,000人の観客を集めて開催。立命大は1Q11分、RB西村七斗(二年)の6ヤードTDランで先制すると、2Q3分には渡邊綾介(一年)が93ヤードのキックオフリターンTDを挙げ、前半を17-6とリードして折り返した。
3Q11分、関学大はQB伊豆充浩(三年)がWR松井理己(一年)への5ヤードTDパスを決めて5点差に迫った。しかし、立命大は4Q1分にQB西山がWR近江克仁(二年)に30ヤードのTDパスを決め、9分にはRB西村の30ヤードTDランで突き放した。立命大が30-27で激戦を制し、5年ぶり10回目の優勝を飾った。3位は関大、以下京大、神戸大、龍谷大、近大、桃山学院大となった。
■各地区の活動/代表決定戦(学生)
【北海道】 北大が5戦全勝で3年連続23回目の優勝を遂げた。
【東北】 攻守ともに安定した東北大が4戦全勝で4年連続の優勝。
【東海】 名城大が1試合平均300ヤード超のラン攻撃で4年連続16回目の優勝を遂げた。
【北陸】 福井県立大が全勝対決となった金沢大戦で14-10の逆転勝利。2年連続17回目の優勝を遂げた。
【中四国】 第1ステージ1位通過の広島大が優勝決定戦で島根大に14-10の逆転勝利し、2年連続17回目の優勝を果たした。
【九州】 西南学院大が5戦全勝で2年連続15回目の優勝を遂げた。
●全日本大学選手権の東日本代表校決定戦準決勝は第28回パインボウルとして行われ、東北大と北大の3年連続の対戦は東北大が17-0で勝利した。
●東日本代表校決定戦は、早大が東北大を20-10で破った。
●西日本代表校決定トーナメントは1回戦で西南学院大が広島大を17-7で、名城大が福井県立大を34-0でそれぞれ破った。2回戦は西南学院大が名城大に22-7で勝利した。
●西日本代表校決定戦は立命大が名城大に48-17で勝利した。
◆秋季試合(社会人)
■Xリーグ・第1、2ステージ(社会人)
●Xリーグの第1ステージの東日本は、東京ドームを平日の夜間に2日間使用し、残りの多くは富士通スタジアム川崎で開催した。西日本は王子スタジアムなどで開催。第2ステージは横浜スタジアム、富士通スタジアム川崎、王子スタジアムで開催した。
●第1ステージはイーストは富士通、ノジマ相模原、オービックが上位となり、セントラルはIBM、LIXIL、アサヒビールが上位となった。ウエストは前年急浮上したエレコム神戸がパナソニックとアサヒ飲料に敗れ3位。パナソニックが全勝で1位となり、2位のアサヒ飲料含めた3チームが上位リーグに進んだ。
第2ステージ、スーパー9は富士通とパナソニックがそれぞれ2勝を挙げ、群を抜く安定感で第1ステージと合わせて7戦全勝となった。
ファイナルステージに進む残り2チームはノジマ相模原、オービック、LIXIL、IBMが5勝2敗で並んだが、ディビジョン2位のノジマ相模原と第2ステージ2勝のオービックが進出することとなり、セントラルのチームはすべて敗退した。
■プレーオフ(社会人)
●ファイナルステージの富士通-オービックは第1ステージのイーストディビジョンで対戦し、富士通が41-7で完勝していた。ファイナルステージでは富士通が2Q、QBコービー・キャメロンからRBジーノ・ゴードンとWR宜本慎平へTDパスを決め、さらにK西村豪哲の43ヤードFGで17-0と大きくリード。富士通は後半も加点し、27-6で勝利した。
もう1試合のパナソニック-ノジマ相模原は2週間前の第2ステージ最終戦と同じ対戦に。パナソニックは攻撃の最初のプレーでRB横田惇が54ヤードを走ってTDして先制。守ってはDB中村正芳がインターセプトリターンTDを挙げるなど1Qで大量28点を奪い、45-17で完勝した。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第70回甲子園ボウル
全日本大学選手権決勝、第70回甲子園ボウルは12月13日、甲子園球場に33,000人の観客を集め、立命大(米倉輝監督:選手127人)と早大(濱部昇監督:選手142人)が5年ぶりに対戦した。
立命大は2Q半ばまでにTB長谷川航平(四年)の3ヤード、RB西村七斗(二年)の63ヤードと7ヤードの計3TDランで21-0と大きくリード。早大は2Q11分にRB須貝和弘(三年)の61ヤードTDランで反撃すると、14分にQB政本悠紀(四年)からWR岡田義博(四年)への73ヤードTDパス、3Q11分には政本からWR諸口貴則(四年)への54ヤードTDパスで逆転した。
立命大は4Q早々、QB西山雄斗(二年)がエンドゾーンに走り込みTDし、28-24と逆転。早大もFGで1点差に迫り、終了間際に52ヤードのFGで逆転を狙ったが外れ、立命大が28-27の息詰まる接戦を制した。立命大は田辺大輔(四年、主将)、仲里広章(四年)、大野莞爾(三年)の守備ラインが奮闘し、8回目の大学日本一となった。1点差の試合は1958年の第13回大会(日大13-12関学大)以来57年ぶり2回目のことだった。ミルズ杯と甲子園ボウルMVPはともに立命大のRB西村七斗(二年)が受賞した。
◆第29回日本社会人選手権・ジャパンXボウル
●「第29回日本社会人選手権・ジャパンXボウル」は12月14日、東京ドームで25,408人の観客を集め、パナソニックと富士通が対戦。開始早々、富士通が先制TDを挙げたが、パナソニックの守備陣が粘り、前半終了間際にはDBエモリー・ポリーがインターセプトしてそのままTDし、7-7で前半を終了した。
後半、富士通が2つのTDで先行したが、パナソニックは4Q、QB高田鉄男がWR頓花達也とWR小山泰史にTDパスを決めて逆転。パナソニックが24-21で劇的な勝利を収めた。MVPはパナソニックの高田が受賞。富士通は3回の被インターセプト、1回のファンブルロストが響いた。
◆第69回ライスボウル
●「第69回ライスボウル」は翌2016年1月3日、東京ドームに31,914人の観客を集めパナソニックと立命大の関西勢同士の対戦となった。パナソニックが劇的な逆転勝利で8年ぶり4回目の日本一に輝いた。
前半、パナソニックはK佐伯栄太の3本のFGを決め、立命大はK栃尾優輝(三年)のFGで、パナソニックが9-3とリードして折り返した。
パナソニックは3Q7分、RB横田惇がTDを挙げて15-3とリード。立命大はQB西村雄斗(二年)の13ヤードTDラン、4Qに入ってK栃尾優輝の32ヤードFGと西山からWR猪熊星也(三年)への54ヤードTDパスで19-15と逆転に成功した。
しかし、パナソニックは残り1分31秒、第4ダウン20ヤードのプレーでQB高田鉄男が20ヤードのパスをWR本多皓二に通すと、本多は走り込んできたWR小山泰史にトスし、小山がそのまま走って劇的な逆転TDを決めた。立命大は残り7秒で同点を狙った49ヤードのFGが外れて試合終了。パナソニックが22-19で勝利した。MVPのポール・ラッシュ杯はパナソニックのRB横田惇が受賞した。
◆その他のボウルゲーム
●関東、関西の学生1部リーグの2位校同士の対戦、第2回Tokyo Bowlは12月6日、富士通スタジアム川崎で甲子園ボウル常連の日大と関学大が対戦した。スタンドで立ち見の観客も出た中で接戦となり、17-17の引き分けとなった。
[6]高校フットボールの活動
◆春季大会(高校)
●「第41回春季関東高校選手権」は、準決勝で佼成学園高(東京2位)を19-0で破った慶応高(神奈川1位)と、法政二高(神奈川3位)を36-0で破った早大学院(東京1位)が決勝に進出。決勝は6月14日に駒沢第二球技場で行われ、早大学院が慶応高を26-15で破り、2年ぶりに関東の春の王者に返り咲いた。
●「第45回春季関西高校選手権」は、準決勝で啓明学院高(兵庫2位)を28-12で破った高槻高(大阪1位)と、南山(東海1位)を19-12で破った関学高(兵庫1位)が決勝に進出。決勝は6月21日、エキスポフラッシュフィールドで2年連続で高槻高と関学高が対戦し、高槻高が前半の2TDを守り切って13-7で勝利し、前年に続いて優勝した。
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東大会」決勝は11月28日、駒沢第二球技場で早大学院と慶応高の間で行われ、4Q終了で14-14の同点となり、タイブレーク方式の延長戦に突入。両チームTDを挙げたが、TFPのキックの差で早大学院が21-20で勝利した。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西大会」決勝は11月29日、エキスポフラッシュフィールドで行われ、関学高が立命館宇治高に3Qで14-7とリード。立命館宇治高は4Q8分にTDパスで1点差に迫ったが、TFPのキックが失敗し、関学高が勝利した。
◆第46回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●「第46回クリスマスボウル」は12月23日、横浜スタジアムで関学高と早大学院が対戦。
関学高は2QにTDで先制すると、追い上げる早大学院に対して常にリードを保ち、4Q6分には20-10と差を広げた。早大学院は残り1分でTDパスと2点TFPで2点差まで追い上げたが、その後のオンサイドキックは失敗。早大学院は3回のタイムアウトを有効に使い、残り39秒で回ってきた攻撃で逆転を狙ったが、痛恨のファンブル。それを関学高が押さえ、関学高が20-18の接戦を制した。
●関東のシーズン最後を飾る第15回STICKボウルは12月17日、アミノバイタルフィールドで行われ、東京選抜Aが埼玉・千葉・茨城選抜を23-0で、東京選抜Bが神奈川選抜を41-6でそれぞれ破った。
●第5回を迎えた東西の高校オールスター戦、ニューイヤーボウルは翌2016年1月10日、富士通スタジアム川崎で、各地区代表による3試合を行った。第1試合は東京選抜が京都・滋賀・東海選抜を35-7で、第2試合は広島・兵庫選抜が埼玉・茨城・千葉選抜を20-0で、第3試合は大阪選抜が神奈川選抜を27-0でそれぞれ破った。
[7]フットボール・ファミリーの活動
◆小・中学生フットボール
●第3回日本中学生選手権は関東中学生連盟、関西中学生連盟、チェスナットリーグの代表計11チームのトーナメントで開催された。関西代表で初出場の高槻中ワイルドイーグルスが2回目出場の世田谷ブルーサンダースを16-0で破り、優勝した。MVPには高槻中のRB/DL斎藤大嗣が、MIPには世田谷ブルーサンダースのRB酒井滉輔が選ばれた。
なお、中学生の試合は以下の特別ルールで行われている。
・フィールドサイズは、高校~社会人と同じ
・1Q10分
・安全面を考慮し、タックルの代わりにタッチでボールデッドとなる
◆タッチフットボール
●翌2016年1月3日に開催された「第21回女子タッチフットボール全日本王座決定戦・さくらボウル」は大学女王の神戸大ルークスと一般女子代表の阪神ライオッツが対戦。両チームともに相手に得点を許さず、0-0で終了。2年前に続いて2回目の両者優勝となった。
●10回目を迎えた「タッチフットボール女子オープン夏季日本選手権(サマータッチ・イン・清里2015)」が7月4、5日に山梨・清里のポール・ラッシュ・フィールドで12チームが参加して開催。優勝は、あかちんアンコウ、準優勝はスマイルだった。MVPは木下香純(成城大四年)が受賞した。
[8]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●2001年3月に「関西学院創立111周年・ファイターズ創部60周年記念試合」として開催された関学大-プリンストン大から14年後の2015年3月21日、「関西学院創立125周年記念」として、プリンストン大を招いた「Legacy Bowl」をキンチョウスタジアムで開催した。プリンストン大がフィジカルとファンダメンタルで上回り、36-7で勝利した。
●関西学生の「ニューエラボウル2015」は7月4日、王子スタジアムで開催。関学大、近大、神戸大、桃山学院大などのチームにUCLAが加わったチームと、立命大、関大、龍谷大、京大を中心としたチームにコロラド大が参加したチームが対戦した。
◆日本チームの活動(海外開催)
●国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)が主催する第5回IFAF世界選手権は当初スウェーデンで開催する予定だったが、経済情勢の悪化で大会前年の2014年12月に開催返上となり、代わりに米オハイオ州カントンで7月8~18日に開催することが、15年1月に決定された。
大会は参加8チームを上位ブロック4チームと下位ブロック4チームに分け、それぞれ第1ラウンドのトーナメントでブロック内の順位付けを行い、メダルラウンド(順位決定戦)に進む方式。前年のアジア地区予選でフィリピンに快勝して出場した日本(森清之ヘッドコーチ、木下典明主将)は、第1ラウンドの上位グループで米国、カナダ、メキシコと同組となったが、カナダが棄権したため1回戦は不戦勝。2回戦で米国と対戦した。
7月12日の日本-米国は1Q3分、日本のファンブルから攻撃権を得た米国が先制のTD。その後、攻撃力のある米国が押し込んでくるが、日本のCB藤本将司(オービック)がインターセプトし、さらにCB辻篤志(パナソニック)のインターセプトで得た攻撃からK佐伯眞太郎(パナソニック)が36ヤードのFGを決めて3-8とした。しかし、米国にFGを決められ、3-11で折り返した。
後半は米国に2TDを許し、リードを広げたられたが、日本はスペシャルプレーでRB古谷拓也(オービック)がTEに入った紀平充則(立命大OB)にジャンプパスを決めてTDを挙げ、10-25とした。しかし、その後も失点を重ねて18-43で初戦を落とした。敗れたものの、QB加藤翔平(LIXIL)は49回のパスで28回の成功、273ヤード獲得と奮闘した。
日本の2戦目は7月15日のメダルラウンド準決勝のメキシコ戦。日本は最初の攻撃でQB高田鉄男(パナソニック)からWR栗原嵩(IBM)への75ヤードのTDパスで先制。さらに栗原がTDパスキャッチすると、2Qには高田がWR前田直輝(鹿島)へTDパスを決めて21-0とリードして折り返した。
3Qにメキシコに1TDを返されるが、日本の守備陣はLB三宅剛司(オービック)が2つ、LB天谷謙介(LIXIL)とLB塚田昌克(オービック)が各1つの計4つのインターセプトで抑え、35-7で勝って決勝に進出した。この試合のMVPにはQB高田鉄男(パナソニック)が選ばれた。
7月18日の決勝は、再び米国との対戦となった。日本は1Q3分、ショートパスを米国にインターセプトされ、そのまま70ヤードのリターンTDを許すと2Q5分にも日本のファンブルを米国がリターンTDされるなど、0-31と大きくリードを許した。日本は2Q9分、WR宜本潤平(富士通)がパスキャッチしから25ヤードを走ってTDし、6-31とした。
後半、日本はP佐伯眞太郎(パナソニック)の好パントで米国を自陣深くに押し込み、次のプレーで米国QBのファンブルをDT富田翔太(オービック)が押さえてTDとし、12-38とした。しかし、その後は失点を重ねて12-59で敗れ、日本は準優勝となった。3位はメキシコで、以下フランス、オーストリア、韓国、ブラジルとなった。
大会終了時にベストメンバーが発表された。日本からは以下の10選手が選ばれた。
位 置 | 氏 名 | 所 属 | |
ベスト
メンバー |
WR | 栗原 崇 | IBM |
OT | 勝山 晃 | 富士通 | |
DB | 砂川 敬三郎 | オービック | |
セカンド
チーム |
QB | 加藤 翔平 | LIXIL |
RB | 高木 稜 | IBM | |
WR | 前田 直輝 | LIXIL | |
TE | 春日 崇 | 富士通 | |
OT | 小林 祐太郎 | 富士通 | |
LB | 天谷 謙介 | LIXIL | |
K | 佐伯 眞太郎 | パナソニック |