新型コロナウイルス感染症が拡大して4年目の5月、同感染症の法律上の扱いが麻しん(はしか)やインフルエンザなどと同様の第5類に変更され、以降の競技活動がほぼコロナ禍前に戻った。8月、輝かしい歴史を誇る日大で複数選手による違法薬物事件が発生し、翌年1月に大学当局が2023年12月15日付での廃部を決定した。
2023.01.01
お知らせ
新型コロナの対応制限が緩和。関学大、史上初の甲子園ボウル6連覇
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 2月6日 | トルコ南部でM7.8の地震発生。トルコとシリアで6万人超の死者 |
5月8日 | 新型コロナ、感染症法上で5類扱いに。各種制限大幅緩和。3年3か月ぶり | |
夏 | 記録的猛暑。6~8月は全国的に気温が上昇し、各地で観測史上最高を記録 | |
10月7日~ | イスラム組織ハマスの攻撃を受け、その後イスラエルがガザ地区侵攻 | |
11月 | 自民党、派閥の政治資金パーティー裏金疑惑 | |
フットボール | 5~6月 | パールボウル・トーナメント4年ぶりの開催 |
8月 | 日大で違法薬物事件。12月15日付で廃部が決定 | |
10月16日 | IOC理事会、2028年ロサンゼルス五輪でフラッグフットボールを追加競技に採用 | |
12月17日 | 第78回甲子園ボウル、関学大が法大破り史上初の6連覇 | |
翌年1月3日 | 第77回ライスボウル、富士通が3連覇 |
新型コロナウイルス感染症が拡大して4年目の5月、同感染症の法律上の扱いが麻しん(はしか)やインフルエンザなどと同様の第5類に変更され、以降の競技活動がほぼコロナ禍前に戻った。8月、輝かしい歴史を誇る日大で複数選手による違法薬物事件が発生し、翌年1月に大学当局が2023年12月15日付での廃部を決定した。
[1]主な出来事
2020年2月からフットボール活動が影響を受けた新型コロナウイルス感染症の対策による活動制限がようやく緩和され、チーム関係者やファンの努力、協力で19年までの活動に戻りつつある年となった。しかしながら、まだまだ以前の活動状態や観客数には戻っておらず、世界的にも国際試合はコロナ禍前の状態には戻っていない状況だった。
このコロナ禍の3、4年間は、特に中学生、高校生、大学生の選手やスタッフはさまざまな制約の下での競技活動しか経験せずに卒業していったが、太平洋戦争による競技活動中断に次ぐフットボール活動の危機を多くの関係者やの努力で乗り切ろうとした。
●10月16日、インド・ムンバイで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技にフラッグフットボールが採用されることが正式に決定した。
●12月17日に開催された全日本大学選手権決勝、第77回甲子園ボウルで8年連続57回目出場の関学大が法大を61-21で破り、6年連続34回目の優勝を遂げた。6連覇は甲子園ボウル史上初の快挙だった。
●8月、日大の現役部員が大麻取締法違反などで逮捕され、所属する関東学生連盟は日大を当面の間の出場資格停止とする処分を行った。その後、リーグ戦出場の条件とされた改善策などが日大から提出されず、秋季の日大の試合はすべて中止となった。翌2024年1月、日大当局は23年12月15日付で同部を廃部とすることを正式に決め、1940年に創部した同部は84年の歴史に幕を閉じた。
●近年、関東と関西では上位校には選手が集まるものの、東西以外の地区や下部リーグに所属するチームは部員不足でチームが編成できず、リーグ戦不参加や合同チームでの参加が増えてきた。2023年は関東大学リーグで合同チームによる参加が6校、リーグ戦不参加が12校、関西学生リーグでは合同チーム参加が8校に。日本の社会全体が少子高齢化でさまざまな問題が噴出しているが、フットボール界にとっても大きな課題となってきた。
●12月、日本学生協会は翌2024年からの全日本大学選手権の出場校について、これまでの全国8地区各1校から、関東と関西を各3校とした計12校に拡大することを発表した。このため、甲子園ボウルが関東同士や関西同士の対戦となる可能性が出てきた。
●寺田昌弘氏が日本協会会長(第7代)に就任。
[2]競技施設・装具・公式規則
◆公式規則
【この年の日本の主な規則変更】
●フィールドおよびチームエリアの上空にドローンを飛行させることが禁止となった。
●前後半の残り時間2分未満以外でのAチームのインバウンズでの第1ダウン獲得ではゲームクロックの計時は停止させないこととなった。残り2分未満の場合は、従来通り計時を停止する。
[3]春季試合
◆春季試合(学生)
●新型コロナウイルス感染症対策の制限緩和で、前年に続いて春の定期戦や交流戦などの多くが復活した。4月22日に王子スタジアムで、危険タックル問題が発生した2018年5月以来5年ぶりとなる関学大-日大が交流戦として行われ、関学大が4Q残り43秒で逆転し、14-10で勝利した。
6月11日には、1967年春の交流戦以来56年ぶりとなる関学大-立大の単独チーム同士の対戦があった(90年には互いのチームに米国大学チームが加わった平成ボウルを行った)。この春の主な対戦は以下の通り。
日 付 | スコア | 会 場 | ||
4月22日 | 関学大 | 14-10 | 日 大 | 王子スタジアム |
5月14日 | 東 大 | 20-14 | 京 大 | アミノバイタルフィールド |
5月21日 | 立 大 | 24-21 | 早 大 | アミノバイタルフィールド |
5月21日 | 日 大 | 35-32 | 東 大 | アミノバイタルフィールド |
5月28日 | 関 大 | 17-14 | 関学大 | MKタクシーフィールドエキスポ |
6月11日 | 関学大 | 20-0 | 立 大 | 王子スタジアム |
●7月29日には4年ぶりに第17回パシフィク・リムボウルの関西高校選抜-米アシュランド高が開催された。
◆春のボウルゲーム
●グリーンボウル
グリーンボウル2023は、準決勝で初出場のotonari福岡を23-7で破ったパナソニックと、アサヒ飲料を35-10で破ったエレコム神戸が5月28日に王子スタジアムで行われた決勝で対戦。パナソニックが40-14で勝ち、優勝した。
●第42回パールボウル
関東では4年ぶりに第42回パールボウルを開催。準決勝でライスボウル2連覇の富士通がノジマ相模原に13-16で敗北。決勝ではそのノジマ相模原とオービックが富士通スタジアム川崎で対戦し、オービックが9-7で接戦を制し、新型コロナウイルス感染症で開催を休止していた3年間を挟んで4連覇を遂げた。MVPには3つのFGでオービックの全得点を挙げたK中山龍之介が選出された。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグ1部はアミノバイタルフィールドを主会場とし、東京ドーム、横浜スタジアムで開催した。
●3部リーグがエリアリーグを吸収し、1部18チーム(TOP8=8、BIG8=10)、2部18、3部25、医科歯科8、7人制8の計77チームとなった。TOPはシーズン前の日大の違法薬物事件で日大の試合がすべて中止となり、結果的に7校でリーグ戦を行った。
立大が開幕から中大、明大に連勝。第3節は法大に3-6で惜しくも敗れたものの、第4節では前年覇者の早大に21-20で逆転勝ちし、優勝争いに残った。早大-立大では試合終了間際に審判が誤ってタイムアウトを取り、立大の逆転勝ちにつながったことを後日関東学連が認めたが、勝敗が変わることはなかった。
立大はその後も1敗を守ったが、早大は第6節で明大にも敗れて2敗となり、最終節の早大-法大を待たずに全勝の法大の優勝が確定した。法大は早大に敗れ、立大とともに5勝1敗で1位。以下明大、早大、慶大、中大、東大となった。
立大は1967年以来56年ぶりの好成績。TOP8とBIG8のチャレンジマッチでは東大がBIG8の2位駒大を破って残留。全試合中止の日大が最下位扱いで自動降格となったため、BIG8で1位の桜美林大が自動昇格した。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は王子スタジアム、たけびしスタジアム京都、MKタクシーフィールドエキスポ、万博記念競技場などを使用した。また、東大阪市の花園ラグビー場を72年ぶりに使用し、近大-桃山学院大、関学大-関大を行った。
●関学大、立命大、関大、京大の上位4校がシーズン前半を全勝で折り返したが、京大が優勝戦線から後退。他の3校による星のつぶし合いとなり、まず立命大が関大を38-27で破った。前半リードした立命大は3Qに1点差まで迫られたが、その後3TDを挙げて全勝を守った。
続く第6節の関学大-立命大は、関学大が怪我から4試合ぶりに復帰したQB星野秀太(二年)からTE安藤柊太(三年)へのTDパスで先制すると、その後も順調に得点を重ねて31-10で勝利した。
最終節の関学大-関大は関大がQB須田啓太(三年)のパスが効果的に決まって16-13で勝利した。関学大のリーグ戦での敗戦は、2019年11月の立命大戦以来。この結果、関学大、立命大、関大が6勝1敗で並び、10年以来13年ぶりの3校同率優勝となった。順位付けを決める抽選で関学大が1位相当となり、全日本大学選手権に出場することになった。
■各地区の活動/代表決定戦(学生)
【北海道】 6校による1部は北大が危なげなく全勝優勝し、2連覇を遂げた。
【東北】 部員不足の影響で4校が合同チームとなり、単独チームで編成する1部が4校で開催。東北大が12連覇を達成した。
【東海】 名城大が名古屋大、中京大との接戦を制して5年ぶりに優勝した。
【北陸】 3大学で行われ、福井県立大が金沢大を11-7で破り、2年ぶり8回目の優勝を遂げた。
【中四国】 第2ステージを3校で開催。山口大が広島大を21-13で破り、2連覇を遂げた。
【九州】 第4節で九大と西南学院大が全勝対決。九大が23-13で逆転勝利し、3年ぶり15回目の優勝を飾った。
●全日本大学選手権の1回戦。名城大は北大を33-6で、福井県立大は山口大を30-15でそれぞれ破り、2回戦に進んだ。
●2回戦は九大が福井県立大に59-0で、東北大が名城大に21-11でそれぞれ勝利。準決勝では関学大が九大を49-0で、法大が東北大を42-7でそれぞれ破り、甲子園ボウルに進んだ。
◆秋季試合(社会人)
■Xリーグ・第1、2ステージ(社会人)
●会場は富士通スタジアム川崎、横浜スタジアム、第一カッターフィールド(秋津サッカー場)、MKタクシーフィールドエキスポ、王子スタジアム、春日公園球技場、ベイコム陸上競技場などを使用した。
●1部リーグ相当のX1スーパーは電通が昇格。Div.Aがパナソニック、オービック、ノジマ相模原、東京ガス、アサヒ飲料、電通で、Div.Bが富士通、IBM、エレコム神戸、アサヒビール、otonari福岡、胎内となった。
各チーム5試合のリーグ戦の結果、各ディビジョン上位4チーム(計8チーム)がライスボウルトーナメントに進んだ。トーナメント1回戦では、パナソニックがアサヒビールを27-0で、、IBMがノジマ相模原を24-21で、オービックがエレコム神戸を17-7で、富士通が東京ガスを10-3でそれぞれ破り、準決勝に進んだ。
■プレーオフ(社会人)
●準決勝のパナソニック-IBMは12月10日、ヨドコウ桜スタジアムで行われた。パナソニックが序盤から優位に立ち、RB立川玄明のTDランやK佐伯眞太郎の2FGなどで前半を23-6と大きくリード。3QにもQB荒木優也からWR桑田理介へのTDパスで差を広げ、その後IBMに17点を返されたが、得点を重ねて47-23で勝利した。
もう1試合の富士通-オービックは12月10日、等々力陸上競技場で行われた。1Q、オービックはQBタイラー・クルカからWR西村有斗への10ヤードTDパスで先制。富士通はRBサマジー・グラントの1ヤードTDランとK納所幸司の41ヤードFGで逆転し、前半を10-7で折り返す。3QにオービックがFGで追い付くと、富士通はすかさずTDを挙げて突き放す。4QにもオービックはRB李卓の6ヤードTDランで同点とするが、富士通はその後RBトラショーン・ニクソンが16ヤードのTDランを挙げ、24-17で接戦に勝利した。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第78回甲子園ボウル
●全日本大学選手権決勝、第78回甲子園ボウルは12月17日、甲子園球場に観客18,000人を集めて行われ、8年連続57回目の出場の関学大が法大を61-21で破り、6年連続34回目の優勝を遂げた。6連覇は史上初の快挙。
関学大が終始圧倒した。1QにQB星野秀太(二年)の18ヤードTDランで先制すると、さらに星野からWR五十嵐太郎(二年)への38ヤードTDパスで加点。その後も着々と追加点を奪い、前半だけで33得点した。
法大もQB大橋功典(四年)とQB谷口雄仁(三年)からのパスで3TDを返したが、関学大は自らが出場した57回の甲子園ボウルで最多得点となる61点。ミルズ杯は甲子園ボウルには出場していない関大のQB須田啓太(三年)が受賞した。甲子園ボウル不出場校からの受賞は2019年の第74回大会の立命大QB荒木優也以来で、甲子園ボウルで優勝した地区のリーグ戦最優秀選手が、ミルズ杯に選出されることになっていたため。
◆第77回ライスボウル
●「第77回ライスボウル」は翌2024年1月3日、東京ドームに22,000人の観客を集め、富士通とパナソニックが3年連続で対戦した。前年までは新型コロナウイルス感染症の対応などで1Q12分だったが、この年から1Q15分で開催された。
1Q、富士通はRBトラショーン・ニクソンが5ヤードのTDランで先制。2QにパナソニックがRB立川玄明のTDランで同点としたが、2Q最後のプレーで富士通が、3QにパナソニックがともにFGを成功させて10-10の同点で4Qに突入。
4Q開始早々、富士通は敵陣21ヤードからの攻撃で、QB高木翼がHBの位置にいたWRサマジー・グラントにバックワードパスすると、グラントはエンドゾーン右奥隅のWR木村和喜にTDパスを通して16-10と勝ち越し。その後は富士通の守備陣が踏ん張り、そのまま終了となった。富士通は3連覇で、ここ10年で8回目の優勝。MVPのポール・ラッシュ杯はパス捕球3回、52ヤードに加えて決勝のTDパスを投げた富士通のグラントが選ばれた。
[6]高校フットボールの活動
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東地区」決勝は11月23日、駒沢第二球技場で佼成学園高(東京1位)と駒場学園高(東京2位)が対戦。佼成学園高は2Q、QB石川竜之介(三年)からTE佐藤祥秀(三年)への16ヤードTDパスで先制すると、以降も得点を重ね、35-0で勝利した。駒場学園高はランによる前進をわずか2ヤードに封じられ、また佼成学園高のLB海津大稀(二年)のリターンTDを含む2つのインターセプトを喫するなど、突破口を見出すことができなかった。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西地区」決勝は12月10日、王子スタジアムで大産大付高(大阪1位)と立命館宇治高(京都1位)が対戦した。1Q、大産大付高がWR阪本龍樹(一年)の48ヤードTDパス捕球で先制しかし、立命館宇治高はWR山口祥太朗(三年)の26ヤードTDパス捕球で追い付き、さらにRB漆原大晟(三年)がスクリーンパスを受けて勝ち越しTDを挙げ、21-13で勝利した。
◆第54回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●第54回クリスマスボウルは12月14日、横浜スタジアムで行われ、2年ぶり6回目出場の立命館宇治高と8年連続出場の佼成学園高が対戦した。佼成学園高はFGで先行したが、立命館宇治高は2QにWR山本依武希(二年)の90ヤードのリターンTDで逆転。さらに3Q、RB漆原大晟(三年)が91ヤードを独走するTDを挙げて13-3とリードを広げた。佼成学園高も4QにQB石川竜之介(三年)がWR堀川丈太郎(三年)に29ヤードTDパスを決めて反撃したが、立命館宇治高が19-11で勝利し、2年ぶり3回目の高校日本一に輝いた。
[7]フットボール・ファミリーの活動
◆小・中学生フットボール
●第10回日本中学生選手権は、富士通スタジアム川崎で立命館宇治中とオービックシーガルズジュニアが対戦した。
立命館宇治中がQB森池晟太の正確なパスと2つのセーフティーを挙げた守備陣の活躍で前半を14-0とリード。しかし、後半はオービックシーガルズジュニアがQB中川玲音のロングパスなどで反撃し、4Q残り19秒でTDを挙げて21-21と追い付き、タイブレーク方式の延長戦に突入した。
2回目の延長節で先攻のオービックシーガルズジュニアが6点を挙げると、その裏の立命館宇治中の攻撃を止め、オービックシーガルズジュニアが出場2度目で初優勝を飾った。対戦成績は関西の7勝3敗となった。
◆タッチフットボール
●例年、東京ドームでライスボウルと同日に開催されていた女子タッチフットボール全日本王座決定戦・さくらボウルは、会場の都合で翌2024年1月13日、大阪府吹田市のMKタクシーフィールドエキスポで行われた。学生代表の成城大ブルックスと一般代表のヘイルメリーが対戦し、26-26の引き分けで両者優勝となった。成城大は2年連続優勝で、最優秀選手には成城大の山口杏奈が選ばれた。
[8]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●7月1日、沖縄県の奥武山陸上競技場で第1回日台国際親善交流試合・パイナップルボウルの琉球ガーディアンライオンズ-台北プレデターズが行われ、琉球が21-8で勝利した。
●米国アイビーリーグ選抜を招いた国際試合の2回目が、名称を「DREAM JAPAN BOWL 2024」として、翌2024年1月21日に国立競技場で開催された。全日本選抜は前年同様、Xリーグでプレーする外国籍選手を含む60人(ただし、フィールド上には外国籍選手は最大2人)で、試合開始直前まで小雨が降るコンディションだった。ロースコアゲームとなった一戦は、1Qに10点を挙げた日本が終始リードを保ち、10-5で勝利した。
1Q、レシーブで試合を開始した日本はQB政本悠紀(IBM)がランとパスを織り交ぜて前進し、最後は敵陣29ヤードからRBサマジー・グラント(富士通)が中央突破からTDを挙げて先制した。さらにK納所幸司(富士通)が51ヤードのFGを決めて10-0とリード。2Q、アイビーリーグ選抜もFGを返し、前半は日本が10-3でリードして折り返した。
3Qは両チームともに息詰まる守備戦を展開。アイビーリーグ選抜はQBニック・ハワード(ダートマス大)の好リードで日本陣3ヤードまで進んだが、第3ダウンのランを日本のLB久下裕一朗(富士通)に、第4ダウンのギャンブルをDL宇田正男(富士通)に止められた。直後の日本の攻撃で、アイビーリーグ選抜のDBジョン・ピューペル(ダートマス大)にセーフティーを奪われ、5点差に迫られたが、4Q残り1分で日本のDB林奎佑(富士通)が相手のパスをインターセプトし、日本が激戦を制した。
日本は守備陣のLB徳茂宏樹(富士通)、DBアルリワン・アディヤミ(富士通)、DBワイズマン・モーゼス海人(パナソニック)らの奮闘で、TDを奪われることなく勝利した。日本のチーム編成は異なるものの、1989年からのアイビーボウル(ウイリアム&メアリ大戦を含む)から数えて11戦目にして日本が初勝利を挙げた。
◆日本チームの活動(海外開催)
●国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)主催のフラッグフットボールの第1回アジア・オセアニア大陸選手権が10月27~29日、マレーシアのクアラルンプール近郊で行われ、女子日本代表が決勝で豪州を47-29で破り、初代女王となった。
男子日本代表は準決勝でニュージーランドに33-40で惜敗。3位決定戦で豪州を38-7で破った。