鹿島ディアーズが関西大学カイザースに競り勝ち、12年ぶりのライスボウル王者に!

新春の幕開けにふさわしい劇的な幕切れで、鹿島(社会人代表)が

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関西大(学生代表)に競り勝ち、12年ぶりのライスボウル王者に返り咲いた。

 立ち上がり、先手を取ったのは関大だった。第1Q、3分27秒。鹿島のハーフライン付近からの攻撃。QB山城がTE庭野へ投じたパスをDB小原がインターセプト。そのままエンドゾーンまで持ち込む48ヤードTD(キック成功)。鹿島・森ヘッドコーチが「相手DBのインターセプトは警戒」と語っていたが、小原が鮮やかに決めた。

 日本一を決める試合にふさわしく、両チームの守備陣が、互いの持ち味であるランでロングゲインを許さない。 鹿島のLB牧内が鋭いタックルで関大のパワーランナーQB原口の突破を防ぎ、関大も主将大館を中心に寄せの速さで体格が上回る相手に立ち向かった。

 第2Q、関大は最初の攻撃シリーズでTD目前までいくが、鹿島はRB藤森、松森の突破を許さない。関大は小原のFGで追加点。リードを10点差に広げた。このQの終了間際には、関大の自陣深くからの攻撃で、鹿島が相手エンドゾーン内でタックルを決めるセーフティー。この試合、最初の得点となる2点をかえして、前半を折り返した。

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 関大が10-2で折り返した前半を、鹿島の選手は「やられているな、と雰囲気が重かった」。

攻撃で得点を奪えていなかったためだ。ただ、Xリーグの準決勝でパナソニック電工を、ジャパンエックスボウルで富士通を、いずれも後半に逆転している。今季の鹿島は底力には自信を持っていた。「あと30分、自分たちのプレーをやりきろう」(牧内主将)と反撃に転じた。

 後半開始。第3Qは、関大の攻撃から。原口のランとパスでファーストダウンを更新し、エンドゾーンに迫る。TDをねらったパスは失敗し、ここを小原のFGで堅実に得点を加える。後半最初の得点も関大が挙げて、13-2。

 続く、鹿島の攻撃。QBに左腕の仲田を起用する。左足かかとを痛めているエース尾崎、新人山城に続く3番手の30歳が、鹿島の攻撃のリズムを生み出した。

 RB丸田のランやWR小嶋へのパスが決まり前進。

最後には、再び、中央の小嶋へのパスが決まる。小嶋は小原と競り合った末に、21ヤードTD。

鹿島が待望のTDを決め、勢いを増す。トライフォーポイントはRB曽根のランで2点。10-13と一気に詰め寄った。関大も次の攻撃ですかさずFGを決め、16-10。点差を広げるが、安全圏には、まだ遠い。

 第4Qに入ると、鹿島がFGを2本決める。試合終了まで約8分を残して、16-16の振り出しに戻した。このあと、一進一退の攻防が続き、関大の残り約3分からの攻撃。RB藤森から原口にトスしてパスを投げるスペシャルプレーを試みるも、藤森のトスがパスと判定され、リーガルフォワードパスの宣告。この反則で後退し、パントで攻撃権を手放す。

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 残りは約2分。鹿島は、前の攻撃シリーズから投入されていたエースQB尾崎が着実に仕事をする。敵陣33ヤードからWR前田へのパス成功とRB丸田のランで2度ファーストダウンを更新。残り試合時間が1分にさしかかると、両チームの指揮官の動きもあわただしくなる。鹿島の後半2回目のタイムアウトの後、キッカー鹿島がサヨナラのFGをけり込もうと足下を見つめると、関大がタイムアウトを要求。解けて、さらに鹿島が定位置につく。関大がもう一度タイムアウトを取り、3度の権利を使い切る。試合時間は残り4秒、鹿島が右足を振り抜く。決勝FGが成功した瞬間、鹿島の選手たちの歓喜の輪がつくられた。

 鹿島は日本代表選手を多くそろえながら、遠のいていた日本一の座。今季はシーズンが深まるにつれチーム力が上向いた。森ヘッドコーチの「どんなに泥臭くても、最後に勝てばいい」という教えを、土壇場でも発揮した。

 一方の関大。関西学生リーグで61季ぶりの優勝を果たした名門校は、初の日本一まであとわずかだった。下馬評を何度も覆して、シーズンを駆け抜けた選手たち。最終戦で敗れはしたが、紛れもなく今季のアメフット界の主役だった。


記事: 朝日新聞記者 能田英二

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