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2008.12.26

パナソニック電工インパルスの注目選手

お知らせ

QB#8 高田 鉄男(たかた てつお)

高得点を生み出すショットガンオフェンス要のQB高田鉄男。FINAL6に入り、強力なディフェンス陣を相手にしても着実に得点を重ねてきた。高田の最大の魅力は投げて走れること。ショットガン体型からのオプションプレーや、パスからのスクランブル発進など、自らの足を活かし、相手ディフェンスに的を絞らせない多彩なオフェンスを展開できる。

リーグ戦では101回投げて64回の成功。908ヤードを稼ぎ出し、12TDをパスで奪い取った。またFINAL6では1回戦で247ヤード、準決勝で243ヤードをパスで獲得した。昨年までと違いWR長谷川以外のWRとのコミュニケーションを図ることが練習から出来ており、信頼してパスを投げ込めた。

しかしさらなる活躍が期待されたジャパンエックスボウルでは、パスではわずか82ヤードの獲得に終わり、本人も「納得できたパスは1本だけ」というふがいない結果に終わっている。

プレーオフの厳しい3試合を経て、オフェンスの司令塔として十分に経験を積むことが出来た高田。ライスボウルでは納得できるパスを次々に成功させ、高得点を挙げたい。

RB#20 石野 仁大(いしの まさひろ)

「この男を誰が止められるのか」。こんなキャッチフレーズがピッタリ来るほど、タックルを受けても倒れないRB石野。身長170センチと決して大きくない体躯ながら、密集をあっという間にすり抜けてくる。この快足でシーズン中もたびたびチームのピンチを救ってきた。

特に圧巻だったのが、ジャパンエックスボウルでの走り。一時は相手に傾いたモメンタムをチームに引き戻す走りを連発し、17回持って195ヤード、2TDを稼ぎ出した。1回のキャリーの平均が10ヤードを超えているということは、石野がボールをもてば必ずダウン更新を獲得できる計算になる。

石野は「OLが相手ディフェンスをコントロールしてくれたおかげ」と話すが、10ヤード以上のロングゲインは、RBの走力も重要。ディフェンスがどうにも対応が出来ないダイブプレーからのロングゲインだけに、学生界最強の立命館大ディフェンス陣といえども、この石野の走りには相当手こずることが予想される。

もうすぐ結婚も控えており、ライスボウル勝利の華を添えてその日を迎えたい。

WR#7 長谷川 昌泳(はせがわ しょうえい)

エースQB高田にとって、一番信頼のおけるターゲットがWR長谷川昌泳。今季は万全のコンディションでリーグ戦に入り、21回のパスレシーブで401ヤードを稼ぎ、6TDを奪った。FINAL6では3試合で10回レシーブして261ヤードを獲得。ここ一番というプレーで、QB高田が最も信頼してパスを投げ込むターゲットであり、キャッチしてからのラン能力も高く、数々のロングゲインを創出してきた。

これまで長谷川は、怪我に泣かされてきた。毎年シーズン序盤から出場が出来たのは僅かな機会だっただけに、今シーズンはフルに出場できたことが大きい。その理由は、練習後のアイシングなど、身体のケアを怠らないようになったこと。精神面、技術面ともに最高レベルの選手だけに、怪我の不安要素がクリアされると最も強力なWRとなる。

またキーとなるランプレーでも捨て身のブロックを見せるなど、パナソニック電工のオフェンスチームにとって、なくてはならない存在の長谷川。ジャパンエックスボウルで、イージーボールを落とした悔しさを忘れずに最終決戦の地に乗り込みたい。

DL#13 山中 正喜(やまなか まさよし)

練習中に一切手を抜かない姿勢、筋力トレーニングやミーティングへの取り組みなど、チーム内の誰もがそのすごさを認める主将の山中。持って生まれた明るさで、周りを盛り上げながら引っ張る姿勢もピカイチだ。

チームメイトの三輪や脇阪らと第一線に並ぶDLとしても、OLやRBなどのブロックをはねのけてボールキャリアにタックル。時にはゴール前オフェンスで、専門外のモーションバックとして活躍する器用な選手だけに、強豪対戦が続くFINAL6では、DLとLBの間のポジション(1.5線目)でプレーし、その自由な動きで相手ブロッカーを大いに惑わせた。

相手チームOLのパスプロテクションや、各選手の癖などをビデオでしっかり分析し、プレーの理解度も非常に高い選手。パスラッシュもチームナンバー1のスピードとテクニックを持ち合わせる。

「山中が11人いたらディフェンスは完璧」とまでコーチに言わせるほど、どのようなディフェンスプランにも対応できる能力の高さで、日本選手権初の連覇へと突き進む。

LB#10 東 健太郎(あずま けんたろう)

「とにかくタックルが上手い」と誰もが声を揃える守護神LB東。特に気持ちが乗っているときのプレーでタックルミスを見たことがないほど、確実に相手を仕留める。

ジャパンエックスボウルでもチームで断トツの12回のタックルを決め、鹿島オフェンスの戦意を喪失させた。

東はプレーの理解度も高く、DLやDBの動きを考えながら自らの動きを決める。例えばDLがスラントした際には、その穴をしっかり埋める。またDBのあがるコースを考え、自らがブロッカーに当たることでDBをフリーにするなど、自分一人ではなくディフェンスの総合力を発揮させるキーマンなのだ。

ライスボウルで立命館大OL陣は、二人がかりでDL陣をブロックしてくることが予想される。その時こそ、LB石原とともにフリーになった状態で強烈なタックルをみせてくれるだろう。

立命館大のミルズ杯RB松森との対決も見どころの一つ。学生界ナンバーワンRBを相手に、LB東の真骨頂が発揮され、確実なタックルでねじ伏せにいくだろう。

DB#24 仲田 亨(なかた とおる)

身長180センチ、体重87キロ。DBとしては超大型なDB仲田亨。日頃から積極的に筋力トレーニングに励んでおり、年々サイズアップしてきている。大きなRBにも1対1で当たり負けないDBだ。

また仲田はプレーの理解度が高く、特にパスカバーの観点からLBにポジショニングの指示をするなど、パスカバーの弱点を十分に知り尽くして試合に臨んでいる。

今季のパナソニック電工は、DB陣の層が薄いこともあって、仲田はほぼ全プレーに出場しており、最も信頼の置けるDBとして最後尾の守備を担っている。

チームのパスディフェンスの基本はカバー2。ディープゾーンを2人のDBが守るシステムだが、その最も難しい広いサイドのディープゾーンを任される仲田。パスカバーも当然だが、ランプレーへの上がりも「安心してみていられる」とコーチ陣も全幅の信頼を寄せている。

ライスボウルでも、確実なプレーで失点を許さない仲田の動きに注目して欲しい。

 

記事: 江田政亮(フリーライター)
編集: 畠中隆好(office NEAR)
写真提供: パナソニック電工/日本社会人アメリカンフットボール協会