2009.01.03
立命館大学パンサーズが5年ぶり3度目の日本一!!
お知らせ
1934年に立教大学のポールラッシュ教授らの呼びかけによって、日本で始まったアメリカンフットボールが75周年を迎える2009年。シーズンチャンピオンを決める日本選手権・第62回ライスボウルは社会人代表のパナソニック電工インパルスと、学生代表の立命館大学パンサーズが対戦。チャンピオンチーム同士に相応しい激しいパワーバトルが展開された。
「1投目を投げた瞬間に、今日はイケると思った」(QB松田大司)。立ち上がりパナソニック電工のオフェンスを、3rdダウン&アウトに抑えた後の立命館大のファーストシリーズ、自陣21ヤードからQB松田(大)が鮮やかなTDドライブを披露する。
QB松田(大)からWR常包(雄)へのパス、RB西田のラン、RB山本へのパスで連続ダウン更新。敵陣へと進攻すると、さらにWR常包(雄)、宜本らへのパスが面白いように決まり、ゴール前12ヤード。ここから1発でTE森へTDパスがヒット、立命館大が先制に成功する。(TFPキック成功/立命館大7−0パナソニック電工)
出足好調のオフェンスにディフェンスも応え、続くパナソニック電工オフェンスをあっさりとパントに追い込むと、立命館大は敵陣49ヤードと有利なフィールドポジションからのシリーズを、TDには至らなかったものの、K砂原の44ヤードのFGに結びつけて突き放す。(立命館大10−0パナソニック電工)
1Q終盤から2Qにかけて、パナソニック電工オフェンスも反撃する。自陣25ヤードから始まったオフェンスシリーズ。QB高田からWR塚崎へのパス、RB小林のラン、WR永冨へのパスなどが立て続けに決まり、ゴール前2ヤードに迫る。しかしここからDL武知がQBサックを奪うなど立命館大ディフェンスが押し返し、K太田の27ヤードFGに止め、TDを与えない。(パナソニック電工3−10立命館大)
いきなり先制点を奪って「自信に繋がった」というQB松田(大)のオフェンスが冴える。WR常包(雄)へのパス、RB西田のランに、自らの足でも連続ダウン更新を奪い、敵陣23ヤードまで陣地を進めると、ここでエースRB松森が、OL陣のこじ開けた穴を駆け抜けTD。立命館大がさらにリードを広げる。(TFPキック成功/立命館大17―3パナソニック電工)
2Q終盤、立命館大はDLの主軸である武知、前田が相次いで負傷退場となり、いやなムードとなる。
パナソニック電工はその隙を見逃さず、前半終了間際から2ミニッツオフェンスを展開。QB高田のスクランブル、WR野口へのパスなどで、ゴール前1ヤードとすると、RB石野のパワープレーで押し込みTD。社会人王者の意地を見せる。(パナソニック電工10―17立命館大)
後半開始早々の立命館大オフェンスが不発に終わると、パナソニック電工が進撃を開始する。QB高田、RB石野のラン、WR長谷川へのパスで敵陣20ヤードに押し寄せる。
立命館大は主戦DL武知の抜けた穴を、DL十亀、青山らが必死で立て直し、ここもK太田のFG3点に抑える。(パナソニック電工13―17)
3Q終盤からのパナソニック電工のオフェンス。自陣5ヤードから始まったロングドライブをQB高田が粘り強くドライブする。RB石野のラン、TE霊山、WR野口へのパスなどで連続してダウンを更新。だがQタイムを挟み、敵陣32ヤードまで進んだところで、4thダウンに追い込まれる。
「今日一番の采配ミス。もっとじっくり攻めることも出来た」(村上監督)。パナソニック電工は一度は準備したパントチームを入れ替えて、QB高田のパスによる4thダウンギャンブルを選択する。
このプレーを甲子園ボウルMVPの立命館大DB今西がパスインターセプト。古橋監督が思わずガッツポーズをしたビッグプレーで、パナソニック電工の攻撃を断ち切る。
その後も立命館大は、最後までディフェンスが集中力を切らせず、パナソニック電工の猛攻を凌ぎきり、2004年以来5年ぶり3度目の日本一をその手に掴んだ。
「このチームでここまでやれたことが信じられない。夢のよう」と、興奮冷めやらぬ立命館大の古橋監督。「選手、スタッフら、みんなの努力が実ったゲーム。今日はディフェンスがチームを支えてくれた」と、満面の笑みだ。
ポール・ラッシュ杯を受賞したQB松田(大)は、「関学戦も、甲子園ボウルも自分としては不完全燃焼だった。周りに支えられて、ようやく結果を出せた」と、胸を張った。
「タックル勝負になると思っていたが、立命選手のリアクションが早く、むこうが上だった」と、パナソニック電工の村上監督。「今日は私が負けたということ」と、最後に締めくくった。
記事/畠中隆好(officeNEAR)
写真/山口直子、野口卓也