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INFORMATION ニュース

1983.01.01

1983年(昭和58年) 活動50年目

お知らせ

ライスボウルが大学-社会人の日本選手権に。「日本フットボール50年」を祝う

日 付 主な出来事
社  会 4月4日 NHK連続テレビ小説「おしん」第1回放映
4月15日 千葉県浦安市に東京ディズニーランド開園
5月26日 日本海中部地震発生(M7.7)
9月1日 ソ連領空侵犯で大韓航空機撃墜
10月6日 国際スポーツフェア’83秋、東京で開幕
フットボール 5月3日 関東協会、早慶戦で初のミニFM局実施
5月29日 第1回北陸ボウル、北陸学生連合-京産大(金沢市営競技場)
日大、関東大学リーグ50連勝
12月10日 第1回実業団王座決定戦、レナウンが松下電工を下す(西が丘競技場)
12月11日 第38回甲子園ボウル、京大が日大を破り初の学生日本一
12月25日 第14回高校選手権、慶応高と関学高が引き分けで史上初の両校優勝
翌年1月3日 ライスボウル、東西大学選抜から全日本選手権に。京大がレナウンを破り初代日本一。この年から最優秀選手にポール・ラッシュ杯を授与
翌年1月15日 東西の大学四年生の選抜試合、第1回カレッジ・シックボウル開催(駒沢陸上)

半世紀にわたる日本フットボールの歴史で、大きく転換した記念すべき年だった。日本フットボール誕生50周年を記念して、ボウルゲームの新設や変更が行われた。実業団王座決定戦の設立と、「ライスボウル」が大学日本一対実業団日本一による日本選手権として新たにスタートすることとなった。

[1]主な出来事

●「ライスボウル」が東西学生選抜戦から学生-実業団による日本選手権となったことから、いろいろなボウルゲームもその対戦カードを変更することになった。

春季、関西で開催の「西宮ボウル」がこれまでの大学OBを含めたチームの編成から、現役学生のみの対戦に変更し「東西大学選抜対抗戦」となった。シーズン最終試合として、最終学年を迎えた選手による「大学東西選抜対抗戦カレッジ・シックボウル」が新設された。社会人の東西選抜対抗戦が「神戸ボウル」として定着しつつあり、関東で「日本選手権」、「実業団選手権」、「シックボウル」、関西で「大学選手権」、「大学選抜戦」と各ボウルゲームを開催することになった。ただ、クラブチームと実業団チームが存在する社会人フットボールの運営が課題として残り、その解決にはもう少し待たなければならなかった。

●秋、家庭や個人でも(価格も含めて)使用できる国産パソコンが販売され始め、フットボールの多くのスタッフも、徐々にパソコンを使用するようになった。しかし、この当時、本体とモニター、プリンター一式で100万円近く、ワープロソフトも10万円ほどかかり、またフロッピーディスクをベースとした作業であり、現在と比較すると機能は初歩的なものだった。それでも、従来の手作業ベースから作業効率と正確性が格段に向上し、フットボール各組織の運営の近代化が始まった頃だった。

●関東大学連盟ではトレーナー制度を設け、チームに最低1人のトレーナー委員を置いて選手の怪我の予防や再発防止、そして万が一事故が発生した場合の応急措置や対応事項の修得が講ぜられるようになった。より望ましいチームドクター制度の前段階としての新制度だった。

 

[2]競技施設・装具・公式規則

◆公式規則変更

【この年の日本の主な規則変更】

特になし

 

[3]春季試合

◆春季試合(学生)

●春季は、関学大のショットガン攻撃の採用と古豪・明大の復活が話題となった。前年秋、34年ぶりに関西優勝を逃した関学大は宿敵・日大と同様、ショットガンを主体型にQB小野宏(四年)の走力と投力を生かす大転換を図り、日大との定期戦でも4-0-7と並ぶセブン守備でショットガンの元祖日大の攻撃を抑えて28-19で勝利した。この試合は日大ショットガンの1981年の法大定期戦以来2回目の黒星だった。

この関学大を破ったのが、正統派のオプション攻撃を駆使する明大。関学大のエースQB小野宏が負傷欠場していたとはいえ、QB斉藤修(四年)からWR乾祥二(四年)への55ヤードパスで決勝のTDを挙げ、秋のリーグ戦の優勝戦線に踊り出た。

●前年度の関西学生リーグ覇者の京大は、春の西日本大会で関学大に14-58と大敗。関東2部の東大と防衛大にも敗れ、秋のリーグ戦に黄色信号が灯った。

 

◆春のボウルゲーム

●第29回西日本大会

「第29回西日本大会」では、ショットガン戦法を採用した関学大が、準決勝で京大を58-14の大差で破り、決勝に進出。5月15日、西宮球技場で社会人から勝ち上がったNACLと対戦した。NACLは前半終了間際にQB松井晃からWR山口哲史へのTDパスで均衡を破ると、関学は後半、QB小野宏(4年)が61ヤードの独走TDランで1点差に迫った(TFPは失敗)。その後、NACLがTDで差を広げるが、関学も試合終了18秒前に小野がWR菅野裕士(三年)にTDパスを成功。同点を狙った2点のTFPも決めて14-14で引き分け、両者優勝となった。

●第29回西宮ボウル

東西大学選抜戦となった「第29回西宮ボウル」は、これまでOB・社会人を含めた選抜チームの編成だったが、学生のみのオールスター戦として開催することとなった。これは「ライスボウル」がこれまでの東西学生選抜のオールスター戦から学生-社会人の選手権試合となったためで、ライスボウルの試合形式を「西宮ボウル」が継承した。新形態となった大会は5月21日に開催。関東は金子和司(東海大三年)の試合開始のキックオフリターンTDなどで1Qに28点を挙げ、49-14と完勝した。

●第8回パールボウル

「第8回パールボウル」は7月5日、後楽園球場で3年連続して日産と日大の対戦となった。1Qはやや日産が押し気味ながら互角の展開で、0-0で2Qへ突入。2Q9分、日大はQB松岡秀樹(三年)からSB山田勝則(三年)への16ヤードTDパスで先行すると、同13分、松岡が76ヤードのTDランで追加点。松岡は右足首の負傷を押して日大をリードし、51-0で圧勝した。過去2回の対戦では、日産は日大に善戦していたが、この大差での敗戦は、半年後に開催される初めての社会人-学生の日本選手権に大きな心配をもたらした。

 

[4]秋季試合

■関東(学生)

●関東大学リーグは1部は駒沢第二球技場、駒沢補助競技場、大井陸上競技場で開催。2部以下は各大学グラウンドも使用した。

1部Aブロックは第4節に日大と明大が3戦全勝で対決。優勝を懸けた一戦となったが、日大がアップQBに横瀬輝男(三年)、テールQBに松岡秀樹(三年)を配置し、両者の間を縮めた新ドラゴンフライ体型から徹底したランプレーでリズムをつかみ、前半に3TD。MG尾寺忠(三年)、FS若林克己(三年)が軸の守備も堅く、41-0と完勝してブロック優勝した。2位には慶大がQB柴田善信(四年)のショットガン攻撃とNG河本雅文(四年)、LB深山典久(四年)らの守備の健闘で浮上した。

Bブロックは、笹島久監督の早大が1部のラッシング1位となったTB平野雅義(四年)、ラインのT天野智弘(四年)の健闘で4勝1敗と2位を確保。早大に13-10と辛勝した日体大は、若手中心の攻撃に核がなく、夏季のハワイ合宿で鍛えたスタミナに頼ってのブロック1位となった。

●第14回関東大学選手権

「第14回関東大学選手権・パルサーボウル」は4年連続で日大-日体大となり、日大が余裕十分にドラゴンフライで快進撃。11TD、786ヤードの攻撃で77-13と7年連続23回目の関東優勝を果たした。藤野雅博新監督の日体大はQB大山茂(三年)、RB佐藤信一(一年)が活躍したが、及ばなかった。

 

■関西(学生)

●関西リーグは多くの試合を西宮球技場で開催した。春季、基礎作りに徹した京大はQB大社充(四年)、DB鎌谷一麿(四年)を中心に攻守のまとまりがよく、ショットガンの関学大は頼みのQB小野宏(四年)は負傷も多く、新人芝川龍平(二年)の指揮でWR菅野裕士(三年)、RB古田晃隆(三年)へのパスで波が多いながらも全勝を続けた。

最終日の関学大と京大の対戦は、尼崎陸上競技場に15,000人の観客を集めて開催。京大は2Q、得点源であるQB大社充(四年)からWR梅津泰久(四年)への32ヤードTDパスで逆転。続くオンサイドキックを成功させ、大社からWR和田普典(四年)への43ヤードTDパス、DB鎌谷一磨(四年)のインターセプトリターンTD、和田のFGで着々と得点し、前半を30-14とした。

関学大は後半、QB芝川龍平(二年)に代わって出場したQB小野宏(四年)を中心に奮起。2TDを挙げたが、終了2分前の同点を狙ったトライでの芝川のランが京大の強力な守備ラインの前に届かず不成功。京大が30-28の僅差で2連覇を果たした。

この2強に大体大、同大、近大と続いた。このシーズンから関西学生リーグに加わった大市大は3位となった大体大と立命大に勝利し、2勝5敗の6位で1部に残留する健闘を見せた。

 

■各地区(学生)

【北海道】 6チームが参加して開催。実力接近で北大、札幌大、旭川大が3勝2敗で3校が優勝した。
【東北】 東北大が5戦全勝で優勝。以下東北学院大、北里大水産学部、日大工学部、仙台大、山形大となった。
【東海】 注目の中京大と名古屋大の対戦は名古屋大が20-6で中京大に勝利したが、名古屋大は南山大に20-29で敗れており、中京大と名古屋大がともに4勝1敗で両校優勝となった。関西学生リーグ戦への入れ替え戦出場決定トーナメントの出場権は、両校によるプレーオフで争われ、中京大が15-8で勝利した。中京大はトーナメント1回戦で京産大を破ったが、2回戦で関大に敗れ、入れ替え戦には出場できなかった。
【北陸】 5校のリーグ戦で開催。平均部員数は16人と厳しいが、熱戦を展開し、福井大と金沢医大が3勝1敗で両校優勝となった。関西学生リーグ戦入れ替え戦出場校決定トーナメントには、金沢医大が出場を辞退し、福井大が出場した。
【中四国】 広島大が5戦全勝で優勝。以下広島修道大、広島経済大、愛媛大、山口大、島根大となった。
【九州】 西南学院大が3勝1分で優勝。以下九大、福岡大、九産大、佐賀大となった。

 

各地区で熱戦が展開され、活動が定着、安定してきたシーズンだった。

 

◆秋季試合(社会人)

●東日本実業団リーグは江戸川区陸上競技場と各企業のグラウンドを使用。関東社会人リーグは米軍厚木フライヤーズが準加盟してオープン参加となり、リーグ戦の多くの試合を米軍厚木基地フィールドで行った。関西地区は伊丹スポーツセンターなどを使用した。

 

■秋季試合 関東(社会人)

●日本選手権への道を開かれた実業団の秋季リーグ戦は熱戦が展開された。東日本実業団リーグではQB鈴木隆之(日大OB)のショットガン攻撃が功を奏したレナウンが日産を20-13で破り、5勝全勝で優勝。

優勝したレナウン(谷口輝雄監督)は、関西社会人リーグで6戦全勝優勝し、同リーグで唯一ライスボウルへの資格条件を満たす松下電工(三重野大輔監督)と12月10日に日本選手権への出場権を争う「第1回実業団王座決定戦」で対戦した。

レナウンはQB鈴木隆之(日大OB)のパスを生かすショットガン攻撃を展開。WR加藤浩志(慶大OB)、TE平野三美(日大OB)へ各2TDパスを通し、49-6で勝利。実業団初代王者の座に就くとともに、初の「日本選手権・ライスボウル」の出場を決めた。

 

[5]秋季試合(ボウルゲーム)

◆第38回甲子園ボウル

●2年連続で日大-京大となった「第38回甲子園ボウル」は12月11日、32,000人の観客の下で12時45分にキックオフされた。前年は日大が65-28の大差で京大を下していたことから、この試合も日大が勝利し、日本選手権となったライスボウルに出場すると予想されていた。

しかし、京大はLT橋詰公人(四年、主将)、TE深堀理一郎(二年)の充実した攻撃ラインで着実に得点。LT下村和弘(四年)、MG泉信彌(二年)のスピードある大型守備ラインで日大ショットガンの封じ込めに成功し、30-14で勝利し、初の大学王座に就いた。

先制は京大。日大は横瀬輝男(四年)と松岡秀樹(三年)の2QBを配置するドラゴンフライからのパスで京大守備陣を脅かしたが、1Q11分、京大の守備ラインの突進で、松岡のパスが乱れたところをLB深堀がすかさずインターセプト。そのまま36ヤードを駆け抜けTDを挙げた。

このTDがその後、両チームに大きな影響を与え、京大が和田晋典(四年)の3FG、QB大社充(四年)からWR梅津泰久(四年)へのパスTDと攻・守・蹴の活躍で20-0と優位に立ったのに対し、日大はQB横瀬輝男(四年)の負傷もあって京大の闘志の前に圧倒された。ミルズ杯は大社が受賞した。

日大はこの敗戦で、1978年からの春の定期戦を除いた秋のリーグ戦、ボウルゲームでの連勝記録が50で止まった。関学大が78年から4年間、全力を振り絞っても勝てなかった日大に、選手66人、うち高校経験者は5人のみの京大が前年に続く2度目の挑戦で勝利したこと、そして国立大学初の甲子園ボウル制覇は、社会的にも大きな話題となった。

 

◆第37回ライスボウル

●1948年1月18日、ナイルキニック競技場(現・国立競技場)で東西の学生選抜戦として第1回大会が開催されたライスボウルは、「日本フットボール50年」を記念して、第37回大会(84年1月3日開催)から学生と社会人の優勝チームが対戦し日本一を決める「日本選手権」となった。この初の日本選手権開催と併せてライスボウルの開催日を、従来の1月15日から同3日にすることとした。

初の日本選手権となった「第37回ライスボウル」は1984年1月3日、国立競技場に30,000人の観客を集め、京大(水野彌一監督:選手66人)とレナウン(谷口輝雄監督:選手35人)の対戦で開催された。試合途中から雨となる悪コンディションだったが、京大六分有利の予想を裏切るレナウンの健闘で、二転三転する熱戦を展開。日本選手権にふさわしいシーソーゲームとなった。

日本選手権最初の得点は1Q4分、京大K和田晋典(四年)の37ヤードFG。その後、9分にレナウンがQB鈴木隆之からOE平野三美への10ヤードの逆転TDパスでリード。以降京大、レナウンと逆転で主導権が変わり、4Q5分にレナウンがRB川田治毅の2ヤードのTDパスレシーブで28-23とリードした。

しかし、京大も追い上げ、終了約5分前に一年生RB西田温信の36ヤードのTDランで逆転。京大が29-28で競り勝ち、初代の日本王者となった。京大を率いてきた水野彌一監督の努力が実を結んだ。最終的には京大の地力勝ちとなったが、実業団の将来性も示した好試合だった。日本選手権となって新たに設けられたMVPのポール・ラッシュ杯は、パスキャッチで96ヤードを獲得した京大WR梅津泰久(四年)が受賞した。

 

◆その他のボウルゲーム

●これまで東西の大学オールスターが対戦していたライスボウルが日本選手権に変わり、その大学選抜戦の後継として「カレッジ・シックボウル」が新設された。出場選手は、この試合を最後に大学フットボールから卒業する四年生に限り、第1回は翌1984年1月15日、寒風吹く駒沢陸上競技場に8,500人の観客を集めて開催した。関東のTE戸田光則(日大四年)の3TDレシーブが光り、関東が28-16で第1回大会の勝者となった。戸田この試合のMVPに選出された。

この試合は第1回から第3回までが「カレッジ・シックボウル」、第4回は「カレッジボウル」、1987年12月の第5回から93年12月の第11回が「カレッジ・トーソーボウル」、95年1月の第12回から最後となる2000年1月の第17回が「カレッジボウル」として開催された。この試合は卒業する選手たちのいい思い出の試合となった。

●翌1984年1月8日、神戸中央競技場で「第33回神戸ボウル」が開催された。関東と関西の社会人オールスターの対戦で、3Q中盤まで五分の展開となったが、その後、関東持ち前のパス攻撃が一気に関西を圧倒し、関東が25-14で勝利。選抜戦の対戦成績を関東の2勝1敗とした。

 

[6]高校フットボールの活動

◆春季大会(高校)

●「春季第9回関東高校選手権大会」は前年同様、東京(埼玉、千葉、茨城の高校も参加)、神奈川の地区大会優勝、準優勝の4チームのトーナメントで開催された。1回戦(準決勝)で駒場学園高(東京2位、吉田博正監督)を51-34で下した慶応高(神奈川1位、福田弘基監督)と、法政二高(神奈川2位、佐藤好生監督)を22-20で破った立教高(東京1位、森島稔監督)が決勝で対戦し、慶応高が21-8で勝利した。

●「春季第13回関西高校選手権大会」は各府県代表の9チームが参加して開催された。準決勝で東邦高(愛知1位、高倉清文監督)を41-7で下した関学高(兵庫1位、武田建監督)と、崇徳高(広島1位、増村和弘監督)を43-0で下した府立豊中高(大阪1位、戒田哲也/小寺隆コーチ)が決勝で対戦し、関学高が28-20の接戦を制した。

 

◆秋季大会(高校)

■関東地区(高校)

●関東地区の千葉、埼玉、茨城が、これまでの東京地区の大会から独立したリーグ戦を開催した。

「全国大会関東地区」決勝は11月20日、法大グラウンドで神奈川大会1位の慶応高(福田弘基監督)と東京都大会1位の駒場学園高(吉田博正監督)の対戦となった。1Q、駒場学園高は自陣2ヤードからの98ヤードTDランで先制したが、その後は両チームの守備が健闘し、無得点が続いた。4Q、慶応高は2つのTDパスで逆転し、16-8で勝利して2年連続3度目の全国大会決勝に進んだ。

 

■関西地区(高校)

●「全国大会関西地区」決勝は11月23日、神戸中央球技場で関学高(武田建監督)と初の関西地区決勝に進んだ大産大付高(草野勇監督)が対戦。関学高が前半8TDを挙げ、後半も3TDを追加し、76-12で8年連続13回目の全国大会決勝に進んだ。大産大付高は1Q、80ヤードのキックオフリターンTDを挙げるなど健闘したが、創部3年目での関西大会出場は、その後の活躍の第一歩だった。

 

◆第14回全国高校選手権

●「第14回全国高校選手権」決勝は12月25日、西宮球技場で関学高と慶応高が対戦。慶応高がTDとその後のTFPのキックを決めて先行すると、関学高がTDとTFPキックで追い付く展開が3度。結局21-21で引き分けとなり、大会史上初の両校優勝となった。安藤杯は慶応高QB玉塚雅也(三年)、三隅杯は関学高DT油谷浩之(三年)が受賞した。高校フットボールの最後を締めくくる好試合だった。

 

[7]海外・国際関連の活動

◆外国チーム間の試合(日本国内開催)

●「第7回ミラージュボウル」は、前年全米2位の南メソジスト大が、全米6位のランクで来日。11月27日に国立競技場の62,000人の観客の前でヒューストン大と対戦し、34-12で勝利した。

●「第9回ジャパンボウル」は史上最多14人のオールアメリカンの選手を迎え、翌1984年1月16日に開催。ハイズマン賞のRBマイク・ロージェイ(ネブラスカ大)、全米最優秀ラインマンのアウトラウンド賞のTディーン・スタインカラー(ネブラスカ大)をはじめ、DBドン・ロジャース(UCLA)、QBスティーブ・ヤング(BYU)らが出場した。試合は26-21で西軍が5連勝となる勝利を収め、その迫力に26,000人が声援を送った。来日した63選手の8割以上がプロのNFLに進んだ。