わが国における競技活動が60周年を迎えたことから、それを記念してロゴマークを作成。選手のヘルメットや審判員のユニフォームなどに使用した。また、60周年記念全国大学選抜大会が開催され、決勝・シーホークボウル(福岡ドーム)は法大が金沢大を破った。翌1995年3月、日本協会は日本フットボール60年間の活動をまとめた『日本協会60周年史 堂々たる前進』を発行した。
1994.01.01
お知らせ
60周年迎え、各種の祝賀行事開催。立命大、初の学生日本一
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 2月4日 | H-Ⅱロケット1号機、打上げ |
5月6日 | 英仏海峡トンネル開通 | |
6月27日 | オウム真理教による松本サリン事件発生 | |
8月12日 | 米MLB、232日間のストライキの始まり | |
9月4日 | 関西国際空港開港 | |
フットボール | 日本フットボール60周年を記念、ロゴマークを作成 | |
6月12日 | 60周年記念全国大学選抜大会決勝、法大優勝(福岡ドーム) | |
7月3日 | 関西、学生と社会人のオールスター戦、第1回グッドウィルボウル(西宮スタジアム) | |
7月 | 日本学生選抜(北海道学生)、韓国遠征 | |
12月18日 | 日本フットボール60周年記念功労賞、関西地区の10人を表彰 | |
12月18日 | 第49回甲子園ボウル、初出場の立命大、法大を下し優勝 | |
翌年1月3日 | 日本フットボール60周年記念功労賞、関東地区の12人・社を表彰 | |
翌年1月3日 | 第48回ライスボウル、松下電工、立命大を下し初優勝 | |
翌年1月8日 | 第7回アイビーボウル、アイビー選抜-学生全日本(西宮スタジアム) | |
翌年1月15日 | 関東高校、神奈川選抜-SIC選抜、のちのスティックボウル(川崎球場) | |
翌年 3月 | 日本協会60周年史『堂々たる前進』発行 |
わが国における競技活動が60周年を迎えたことから、それを記念してロゴマークを作成。選手のヘルメットや審判員のユニフォームなどに使用した。また、60周年記念全国大学選抜大会が開催され、決勝・シーホークボウル(福岡ドーム)は法大が金沢大を破った。翌1995年3月、日本協会は日本フットボール60年間の活動をまとめた『日本協会60周年史 堂々たる前進』を発行した。
[1]主な出来事
●日本協会では1985年の50周年記念に続き、60周年の第2回功労者表彰を行った。関西地区の10人に12月18日の甲子園ボウルで、関東地区の12人・社に翌95年1月3日のライスボウルで、それぞれ感謝の式典を行った。
日本アメリカンフットボール六十周年記念として
■関西地区:1994年12月18日、阪神甲子園球場
氏 名 | 肩 書 | |
功労賞 | 井床 國夫氏 | 元関西協会理事長 |
同 | 吉川 太逸氏 | 元滋賀県連盟会長 |
同 | 三浦 清氏 | 元関西協会会長 |
同 | 松山 一弥氏 | 山口東高元監督、部創設者 |
同 | 三隅 珠一氏 | 元日本タッチフットボール連盟理事長 |
同 | 羽間 平安氏 | 西日本協会会長 |
同 | 斉藤 良二氏 | 元関西高等学校連盟理事長 |
同 | 三谷 章氏 | 元関西協会理事長 |
同 | 力武 敏昌氏 | 元神戸新聞社運動部長 |
同 | 宮川 雄氏 | 元スポーツニッポン新聞社記者 |
■関東地区:1995年1月3日、東京ドーム
氏 名 | 肩 書 | |
功労賞 | 保科 進氏 | 元法政大監督、元明治学院大監督 |
同 | 安藤 覚氏 | 元関東高等学校連盟理事長 |
同 | 安藤 信和氏 | 元日本協会理事長 |
同 | ウィーリー・杉原氏 | 元専修大監督、元玉川大監督 |
同 | 近藤 昭雄氏 | 元日本体育大監督 |
同 | 小畑 重夫氏 | 元日本審判協会理事 |
同 | 伊原 公男氏 | 元関東高等学校連盟理事長 |
同 | 櫻井 和夫氏 | 元日本審判協会理事長 |
同 | 奥村 博氏 | 北海道協会理事長 |
同 | 栗原 満義氏 | 元日本協会専務理事 |
同 | 千村 士郎氏 | 元NHKスポーツ報道センター・チーフディレクター |
同 | 日産自動車(株) |
●日本フットボール60周年を記念して「全国大学選抜大会・シーホークボウル(トーナメント)」が開催された。東海、関西地区が不参加で、それ以外の6地区の代表が5月8日からトーナメントで対戦した。
5月8日、金沢市営球技場で開催された1回戦の金沢大-福岡大は7-7の同点から、4Qに金沢大が2TDを挙げて21-7で勝利した。同じく1回戦の東北大-札幌大は同15日、札幌市の円山競技場で行われ、東北大が1Qから得点を重ねて27-7で勝利した。
準決勝の金沢大-広島大は5月22日、広島広域公園第二球技場で行われ、金沢大が1QにQB渡辺崇(四年)からWR下里武巳(四年)への65ヤードTDパスを決めて先制。さらに1FGを追加し10-0とリードした。広島大は4Q、FGで迫ったが、金沢大が10-3で勝利した。
準決勝のもう1試合、法大-東北大は6月4日に川崎球場で行われ、法大が8TDを挙げて大きくリードし、東北大も後半に3TDを返したが、法大が56-21で勝利した。決勝は6月12日、福岡ドームで法大-金沢大が対戦し、法大が13TDの猛攻で88-0で勝ち、優勝を飾った。
●数年前まで大学新卒者の就職事情はよく、売り手市場とされてきたが、この頃から日本の企業活動にも陰りが見え始め、運動部に限らず新卒生の就職が厳しくなってきた。
●この年度に行われた観戦ツアーは以下の通り。
ツアー日程 | 場所 | 観戦ツアー | 日数 | 発着 | 料金 | 試合結果 |
12月31日~95年1月4日 | パサデナ | ローズボウル | 5日間 | 成田 | 268,000円 | ペンシルベニア大38-20オレゴン大 |
95年1月27日~2月1日 | マイアミ | 第29回スーパーボウル | 6日間 | 310,000円 | サンフランシスコ・フォーティナイナーズ49-26サンディエゴ・チャージャーズ |
参考:1994年大卒初任給192,400円(厚生省調査)、同年為替平均レート1ドル=102.21円
[2]競技施設・装具・公式規則
◆競技施設
●1940年からフットボールで使用してきた西宮球技場に、大型電光スコアボードが完成した。これまで得点板に数字の札を掛けていたものが、残り時間の表示とともに電光表示となった。
◆公式規則
【この年の日本の主な規則変更】
●ジャージはパンツの下にしまうこととした。
●コーチングを目的とした文書電送機器、コンピュータの使用を禁止した。
[3]春季試合
◆春のボウルゲーム
●第40回西日本選手権
「第40回西日本社会人選手権決勝」は5月29日、長居球技場でマイカルと3年ぶり出場の松下電工が対戦。パントの応酬で守備戦となったが、松下電工は2Q、QB藤原章智からWR渡辺哲弥のパスで37ヤード進み、残り2ヤードをRB舛田幸治が走り込み先制。マイカルは4Q終了27秒前にFB丸山佳映のランで9-10と1点差に迫ったが、その後の2点コンバージョンのランがゴールラインに届かず、松下電工が勝利した。
●第40回西宮ボウル
40回目を迎えた「西宮ボウル」は6月25日、25,000人の観客を集めて開催。地元・関西が34-21で逆転勝利し、対戦成績を15勝24敗1分とした。学生のみの大会となってからは初の関西2連勝で、学生だけの通算成績は3勝8敗。MVPは関西のQB東野稔(立命大二年)が受賞した。この試合に先立ち、西日本学生選抜と東海学生選抜の試合も行われ、西日本学生選抜が23-3で勝利。大阪府高校選抜-兵庫県高校選抜は大阪府高校選抜が21-14で勝利した。
●第8回ヨコハマボウル
「第8回ヨコハマボウル」は5月5日、横浜スタジアムで開催された。
・第1試合の京大-慶大は、京大が1Q6分、杉本篤(二年)の25ヤードTDランで先制。10分に溝田圭一(四年)の33ヤードFGで追加点を挙げると、2Q以降も順調に得点を重ね、58-17で圧勝した。杉本は6キャッチ、1TD、46ヤードのパントリターンTDなど、一人で200ヤード以上を獲得する活躍。慶大からそれぞれセーフティーを挙げたDT伊藤重将(三年)、FS藤村貴之(四年)の活躍も光った。
・第2試合は関学大とヨコハマボウル初出場の日体大が対戦。前年の甲子園ボウルと同じカードとなり、日体大はQB青木康之(四年)が伸びやかなキープから107ヤード、FB吉川浩(四年)が力強く110ヤード、TB江口誠(四年)が159ヤードをそれぞれ獲得して4TDを挙げ、36-27で勝利した。
●第19回パールボウル
「第19回パールボウル」は6月17日、東京ドームでオンワードと富士通という初めて3年連続同じカードで開催。開始早々、オンワードはQB山田喜弘と前回の貢献者TB真柄匡が負傷で試合を退くアクシデント。富士通は3Q2分、新人RB横田和己の36ヤードTDランで21-7と大きくリードした。オンワードはすぐに反撃し、RB山口一利の2つのTDで同点に。4Q5分に富士通のDB宮崎浩一の63ヤードのパントリターンTDで21-28と突き放されたが、13分にQB須永恭通がWR河本真治に左コーナーの10ヤードTDパスを決めて1点差。2点を狙うTFPも、このコンピのパスが通って29-28で劇的な逆転勝利を収め、パールボウル3連覇を遂げた。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグは川崎球場を中心に駒沢陸上競技場、駒沢第二球技場を中心に開催。横浜スタジアム、江戸川区陸上競技場も使用した。関東大学連盟所属のチームの選手、スタッフの総計は6,500人を超える組織になった。
●強豪ひしめくAブロックを制したのは法大だった。2戦目で1部復帰の明大に前半7-10とリードを許したが、4QにRB稲垣好則(三年)のTDランで逆転し、21-10で勝利した。その後は順当に勝利を重ね、最終の日体大戦にも54-17で勝ってブロック1位となった。以下日体大、筑波大、東海大、明大、成蹊大、立大の順となった。日本フットボールのルーツ校、名門・立大は入れ替え戦で東経大に31-43で敗れ、初めて2部に降格した。
Bブロックでは、王者奪回を目指す日大が専大には14-7と僅差での勝利だったが、それ以外は他を寄せ付けず、1位となった。2位は慶大で、以下東大、専大、中大、早大、上智大の順となった。
●第25回関東大学選手権
「第25回関東大学選手権・パルサーボウル」は東京ドームで法大と日大が対戦。法大は1QにUB稲垣好則(三年)の2TDで13-0でリードしたが、2Qに日大のQB鈴木和佳(四年)のパスが決まり出し、14-13と日大が逆転して前半を終了。日大は3Q、ファンブルリカバーで得た攻撃をFGに結び付け、17-13とリードを広げたが、法大はDB中村誠(二年)のインターセプトリターンTDで逆転。4Qにも稲垣がダイブでTDを追加し、27-17で2年ぶり3回目の甲子園ボウル出場を決めた。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は西宮スタジアムを中心に長居球技場、宝ヶ池球技場などで開催した。
●滋賀県草津市の新キャンパスに練習拠点を移した立命大が初の関西制覇を果たし、悲願の甲子園ボウル出場。同大、関大、関学大、京大に続く5校目の甲子園ボウル出場校となった。
立命大は京大戦でボールコントロールに徹し、15-6で勝利。京大に15分余しか攻撃権を与えず、攻めてはTDを挙げられなかったものの、K佐藤正治(四年)が40ヤード級のFGを楽に決める成功率100%の活躍で5FGを決めて全得点をたたき出した。
続く関学大戦は逆転に次ぐ逆転の展開。4Qにリードを許していた立命大は、QB東野稔(二年)からエースWR芝原穣(三年)にロングパスを通してゴールラインに迫り、決勝のTDを挙げて17-13で勝利した。創部41年目、2度2部に降格したが、1983年に2部から復帰して12年目で快挙を達成。前年監督に就任した平井英嗣氏の指導と、87年から大学の支援を受けた活動が実った。
京大が関学大に21-0で完封勝利を収め、2位となった。関学大は5勝2敗で3位。4位以下は近大、甲南大、京産大、神戸大、大体大となった。
■各地区(学生)
【北海道】 1部6チームで開催。10月2日、札幌大が北海学園大に26-14で逆転勝ちし、最終日を待たずに9年ぶり8回目の優勝を遂げた。
【東北】 1部6チームで開催。東北大は東北学院大に14-10で辛勝した以外は危なげなく勝利し、優勝を飾った。
【東海】 1部6チームで開催。名城大、名古屋大、南山大、中京大の混戦となったが、最終戦で中京大が南山大を40-13で破り、優勝した。
【北陸】 初めて1・2部制を実施。1部4チームのリーグ戦は最終戦で金沢大が前年7連覇を阻まれた金沢経大を10-7で破り、全勝で優勝した。
【中四国】 1部5チームで開催。優勝の行方は混とんとしたが、最終週に山口大が広島大を21-16で破り、愛媛大と3勝1敗で並んだが、得失点差で上回って平和台ボウル出場を決めた。
【九州】 1部6チームで開催。九大と西南学院大の全勝対決となり、西南学院大が負傷者が多かったものの、25-0で勝って優勝した。
●「東日本学生王座決定戦・第9回パインボウル」は11月6日、宮城陸上競技場で9年連続出場の東北大と9年ぶり出場の札幌大が対戦。東北大が36-0で勝利した。
●「西日本学生王座決定戦・第10回平和台ボウル」は11月7日に行われ、西南学院大が山口大を13-6で破り、4年ぶりに王座に就いた。
●「第9回地区対抗学生王座決定戦」は12月3日、東京ドームで東北大と西南学院大が対戦。東北大は2Q、QB本多啓二(四年)からWR鈴木敦(四年)への52ヤードパスから敵陣に入り、TE大浜康生(四年)へのTDパスで先制すると、さらに3TDを加えて大きくリード。西南学院大は4Q6分にCB赤松昌親(三年)が87ヤードのキックオフリターンTDを挙げたが、東北大が28-7で2年ぶり6回目の優勝を遂げた。
◆秋季試合(社会人)
●社会人東日本は東京ドームを5日間使用。ほかに川崎球場、横浜スタジアム、福岡ドームなどを使用した。西日本は長居球技場で開催し、西宮スタジアムを1試合だけ使用した。
■秋季試合 関東(社会人)
●東日本1部Aブロックは、ライスボウル2連覇のアサヒビールが鹿島とリクルートに敗れてブロック優勝が消滅。最終戦でも三和銀行に敗れ、4位となった。鹿島とリクルートの全勝対決は鹿島が21-14で勝ち、ブロック1位となった。
Bブロックはオンワードが山場のレナウン戦に17-14の接戦で勝利し、全勝でブロック優勝を遂げた。開幕前、1位候補に挙げられていた富士通はオンワードと三菱銀行に接戦で敗れて3位だった。
■秋季試合 関西(社会人)
●西日本1部は7チームが参加。サンスター、マイカル、松下電工が3強だとの呼び声が高かったが、最初の直接対決で松下電工がマイカルに12-7で逆転勝利。続くサンスターとマイカルの対戦は、マイカルが獲得ヤードでサンスターの倍以上を獲得したものの、サンスターが17-10で逆転勝利した。3戦目の松下電工とサンスターは、選手層が厚く、徹底的に準備した松下電工が9-7で勝利し、全勝優勝を遂げた。
●女子フットボールチームの公式戦、「第4回クイーンボウル」は長居球技場で開催。関西興銀が主将QB西原明恵の活躍で第一生命に完勝し、対戦成績を2勝2敗とした。
■プレーオフ(社会人)
●関西の覇者と東京スーパーボウルで対戦するチームを決める「東日本優勝決定戦」は12月1日、ファイナルイーストとして東京ドームで鹿島とオンワードが対戦。オンワードは1Q3分、QB須永恭通からWR神英幹への44ヤードTDパスで先制すると、以降も順調に得点。鹿島の反撃を4QのTDのみに抑え、34-6で快勝した。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第49回甲子園ボウル
●「第49回甲子園ボウル」は12月18日、甲子園球場に38,000人の観客を集め、立命大と法大が対戦。1953年に加盟した創部42年目の立命大が初出場の甲子園ボウルで、3度目出場の法大を接戦の末に破り、優勝を飾った。
1Q、法大がFGで先制したが、立命大は2QにC金澤良一(四年)らラインの健闘で敵陣に迫り、8分にTB中村友(四年)の2ヤードTDランで逆転。その後は互いの点の取り合いとなり、逆転の応酬となった。
法大は7点を追う3Q、TB大塚智之が(四年)7ヤードランでTDを挙げるが、TFPのキックを失敗。4Q1分、立命大はQB東野稔(二年)からSE芝原譲(三年)への50ヤードTDパスとTFPの成功で24-16と差を広げた。法大は4Q8分、TDランで6点を返したが、同点を狙った2点コンバージョンのトライは立命大LB河口正史(三年)に止められた。以降は立命大DL永井良太(四年)、法大LB有澤玄(四年、主将)をはじめとする互いの守備陣が踏ん張り、立命大が24-22で勝利した。
立命大の平井英嗣監督は監督2年目、指導者歴25年で大学日本一となった。ミルズ杯は立命大のQB東野稔(二年)が受賞した。
◆第8回日本社会人選手権・東京スーパーボウル
●「第8回日本社会人選手権東京スーパーボウル」は12月13日、東京ドームに31,000人の観衆を集め、松下電工(四方哲郎監督)とオンワード(野田俊行監督)が4年ぶりに対戦した。
1Q早々、オンワードがTDランで先制したが、1Q終了間際に松下電工はRB飯阪晃三が47ヤードの独走タッチダウンで同点に。さらに2Q開始3秒、RB粳田盛の3ヤードTDランで勝ち越し、その後も2TD、2FGを加え、3Q終了時に34-7と大きくリード。オンワードは4Q、WR河本真治が89ヤードのパントリターンTDを挙げたが、松下電工が48-28で2回目の社会人王座に就いた。MVPは松下電工のQB藤原章智が受賞した。
◆第48回ライスボウル
●「第48回ライスボウル」は翌1995年1月3日、東京ドームで松下電工と初出場の立命大が対戦。ともに関西のチームだったが、観客は54,000人と多くのファンが詰め掛けた。
1Q6分、松下電工がQB藤原章智からTE高松庄治への3ヤードTDパスで先行し、守備陣の健闘で3Qまで立命大を無得点に抑えて13-0とリード。しかし、立命大は4Q0分にRB中村友(四年)の1ヤードTDラン、8分にQB東野稔(二年)からWR芝原穣(三年)への20ヤードTDパスで14-13と逆転に成功した。
松下電工は残り2分50秒でFGを失敗したが、その後の立命大の攻撃を止めると、試合終了41秒前にK村井利充がこの日3本目の成功となる37ヤードのFGを決め、16-14と劇的な逆転勝利を飾った。これで社会人が4連勝。MVPのポール・ラッシュ杯は、13回のランで155ヤードを獲得した松下電工のRB粳田盛が受賞した。
[6]高校フットボールの活動
◆春季大会(高校)
●「第20回春季関東高校選手権大会決勝」は6月26日、川崎球場で日大三高と中大付高が対戦。1Q1分、日大三高が井手元(二年)の59ヤードTDランで先制。その後は互いの守備陣が健闘し無得点が続いたが、4Qに中大付高が自陣29ヤードから5分をかけてドライブし、最後は高橋智行(二年)がTDしてTFPも決め、7-6で勝利した。
●「第24回春季関西高校選手権大会」は6月19日、西宮球技場で大産大付高と崇徳高が対戦。1Q、大産大付高はWR松本力志(二年)のパントリターンTDで先制。崇徳高もスピードとパワーを兼ね備えたRB阿部昌悟(三年)のランで果敢に攻めるが得点に至らず、大産大付高が23-0で勝利した。
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東地区」決勝は11月13日、駒沢第二球技場で前年関東覇者の中大付高が駒場学園高を55-7の大差で破り、2年連続2回目の「クリスマスボウル」出場を決めた。中大付高はランとテンポのよいショートパスを決めてTDを積み重ね、守備ではCB波多野潤(三年)の4回を含む計6インターセプトを奪い、危なげなく勝利した。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西地区」決勝は11月23日、長居球技場で大産大付高と躍進著しい崇徳高という春季大会と同じ顔合わせで行われた。春は大産大付高が23-0で勝利したが、この日は崇徳高が2Q8分に4ヤードのTDランで先制。しかし、大産大付高は直後の10分に15ヤードのTDパスで追い付くと、その後は着々とTDを重ねて38-6で勝利した。
◆第25回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●「第25回クリスマスボウル」は12月23日、長居球技場で行われ、大産大付高と中大付高が息詰まる接戦を展開した。1Q5分、大産大付高がショートパスでTDして先制。その後は互いに無得点だったが、後半に大産大付高が2TDを挙げて20-0とリード。中大付高は4Q6分、7分に立て続けにTDを挙げて6点差に迫るが、そのまま試合終了となり、大産大付高が20-14で創部14年目、4年ぶり3度目の出場で初の高校日本一となった。
[7]フットボール・ファミリーの活動
◆小・中学生フットボール
●12月7日から7日間、チェスナットリーグの選手20人、関係者14人、スタッフ5人の計39人が初めて米国遠征を行った。現地で4,000チーム、20万人の組織規模を誇るポップワーナーリーグと交流し、そのチャンピオンシップゲームを観戦。またNFL公式戦の観戦や大学のクラブハウスを見学するなど、本場のフットボールに触れた1週間となった。
◆プライベートチームの活動
●4月、全国68チーム、2,500人の選手で「日本プライベートフットボール協会(手柴淳一会長)」が発足した。各地区のリーグ戦を経て、翌1995年2月5日に横浜スタジアムで「第1回プライベートフットボール全日本選手権大会」(後に「オーシャンボウル」と命名)を開催。東日本代表の横田レイダーズ(米軍横田基地)が西日本代表のリンゴスターズを18-9で破り、初代王者となった。
[8]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●「第7回アイビーボウル」は翌1995年1月8日、初めて開催地を関西に移し、西宮スタジアムで開催した。
第7回大会も日本チームは関西、関東の選手からなる日本学生代表の編成で試合に臨んだ。前日までの寒波がうって変わって快晴となる絶好のフットボール日和に、多くの観客が集まった。
アイビーチームが1Q半ばにラン攻撃で先制のTDを挙げ、前半はアイビーチームが13-3でリード。後半はほぼ互角の展開となり、最後はアイビーチームが20-10で勝利した。日本の10点は、2Qのスペシャルプレーのロングパスでゲインした地点からのFGと、3Qの相手ファンブルからの60ヤードTDであった。堅実な守備を見せたアイビー守備陣に対し、日本は攻撃でTDを奪うことはできなかったが、日本の守備陣も素早い集まりで体格に勝るアイビーの攻撃に対抗。アイビーチームのラン攻撃を平均3.5ヤードに抑え、実力の接近を示した一戦だった。
◆日本チームの活動(海外開催)
●日本学生選抜(北海道学生)が韓国遠征を行い。7月15日に韓国大邱選抜と大邱市民運動場で、同17日に韓国釜山選抜と釜山九徳運動場で対戦した。
◆外国チーム間の試合(日本国内開催)
●「第6回アメリカンボウル」は8月7日、東京ドームで、ミネソタ・バイキングスとカンザスシティー・チーフスが対戦し、バイキングスが17-9で勝利した。この年もNFLによる日本のチーム関係者へのクリニックが開催された。