立命大はこの年も関西学生リーグを制覇したが、甲子園ボウルでは法大に敗れ、出場6回目で初の黒星となった。4月のIFAF総会で、2年後の2007年に第3回ワールドカップを川崎市で開催することが決定した。一方、1989年から13回開催されたNFLのプレシーズンゲーム「アメリカンボウル」は、この年が最後となった。
2005.01.01
お知らせ
日本協会が社団法人に。立命大、甲子園ボウル初黒星
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 2月16日 | 気候変動に関する国際連合枠組み条約、京都議定書発効 |
3月25日 | 「愛・地球博」(愛知万博)開幕 | |
4月25日 | JR福知山線脱線事故 | |
国連、2005年を「スポーツと体育の国際年」と制定 | ||
フットボール | 1月末 | 王子スタジアム、ナイター設備設置など改装工事完了 |
2月26~27日 | 社会人協会、第1回ジョン・ポント・レジェンド・クリニック | |
4月2日 | アミノバイタル、ナイター設備など改装工事完了。春:駒沢第二・駒沢補助、人工芝に | |
4月19日 | 2007年第3回W杯、川崎市で開催決定 | |
4月20日 | IFAFがGAISF(国際競技連盟連合)正会員へ | |
7月29日 | 日本協会、社団法人化し「社団法人日本アメリカンフットボール協会」となる | |
7月14日 | テストマッチ、JAPAN USA BOWL。日本代表-チームUSAハワイ(東京ドーム) | |
8月7日 | 第13回アメリカンボウル、ファルコンズ-コルツ。この回が最後の開催 | |
10月29~30日 | アンチ・ドーピング講習会(29日、大井町きゅりあん)、(30日、長居球技場) | |
12月18日 | 第60回甲子園ボウルでドーピング検査実施 | |
12月25日 | 第1回関東中学アメリカンフットボール選手権、世田谷ブルーサンダース優勝 | |
翌年1月3日 | 第59回ライスボウル、オービック、法大を下し3回目の優勝 | |
翌年1月 | 第10回グローバルジュニア選手権、U19日本代表3位(米国・デトロイト) |
立命大はこの年も関西学生リーグを制覇したが、甲子園ボウルでは法大に敗れ、出場6回目で初の黒星となった。4月のIFAF総会で、2年後の2007年に第3回ワールドカップを川崎市で開催することが決定した。一方、1989年から13回開催されたNFLのプレシーズンゲーム「アメリカンボウル」は、この年が最後となった。
[1]主な出来事
●4月19日、国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)の総会で、2007年の「第3回アメリカンフットボール・ワールドカップ(W杯)」が川崎市で開催されることが正式に決定した。これを受け、日本協会と日本社会人協会は準備を開始した。
●2003年の国際競技連盟連合(GAISF)の年次総会で国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)が準会員となったが、この年4月20日にベルリンで開催された年次総会で正式会員となった。
●7月29日、日本協会が文部科学省から「社団法人」の認証を受け、新たなスタートを切った。
●日本協会は10月29日に東京・大井町きゅりあんで、同30日に長居球技場でアンチ・ドーピング講習会を開催した。アンチ・ドーピング規定の説明や検査手順の紹介、治療のための禁止薬物使用の事前申請の方法などが説明された。
●翌2005年2月26日に関東地区で、同27日に関西地区で、日本社会人協会主催の「ジョン・ポント・レジェンドクリニック」が、広く社会人関係者以外も対象として開催された。前年まで学生援護会をヘッドコーチとして12年間率いたジョン・ポント氏がコーディネーターとなり、同氏をはじめマイアミ大など米国カレッジのコーチ5人が来日し、多角的なテーマで講演した。このクリニックは07年の第3回まで続き、好評を博した。
●日本協会加盟チームは高校106、大学220、社会人64の合計390チームだった。
●山縣平蔵氏が日本協会理事長(第16代)に就任し、2008年まで務めた。
[2]競技施設・装具・公式規則
◆競技施設
●関東学生連盟が主会場として使用するアミノバイタルフィールドが、人工芝の改修と付帯設備の増設などを行い、4月に使用を再開した。米国製電光掲示板と照明設備を設置し、フィールドの主要なラインもフットボール用となった。これに先立つ1月末には、関西の王子スタジアムにも照明設備が設置された。両競技場とも、これまで昼間だけで1日2試合を実施していたが、3試合を開催できるようになった。
●関東で1960年代から主要会場として使用してきた駒沢第二球技場と駒沢補助競技場が人工芝となり、四隅に照明塔が設置された。
◆公式規則
【この年の日本の主な規則変更】
●へルメットによる相手への打撃は、故意に行った場合が反則であったが、故意でなくても結果としてヘルメットで相手に打撃を与えた場合も、反則となった。
[3]春季試合
◆春のボウルゲーム
●第51回西日本選手権
西日本社会人の「グリーンボウル」は8チームが参加。決勝は6月11日、長居球技場で松下電工とアサヒ飲料が6年連続で対戦した。松下電工は2Q、RB小林孝敏の3ヤードTDランで先制。アサヒ飲料は後半開始早々、SE桃澤理の91ヤードのキックオフリターンTDで同点とすると、4Q5分にQB桂雄史郎からSE末方大史への7ヤードTDパスで14-7と逆転した。松下電工は4Q11分、QB高橋公一からWR塚崎泰徳への11ヤードのTDパスで1点差に迫ったが、逆転を狙った2点TFPが失敗し、高橋正人ヘッドコーチ率いるアサヒ飲料が勝利した。
●第19回ヨコハマボウル
「第19回ヨコハマボウル」は6月5日、横浜スタジアムで開催。
・第1試合の鹿島-松下電工は一進一退の攻防の末、4Q終盤に鹿島のRB池場直久の49ヤード独走TDランで決着。17-10で鹿島が3年ぶりの対決を制した。
・第2試合は前年に続いてアサヒビールと立命大が対戦。アサヒビールがRB花房政寿の快走などで33-14と快勝し、前年の雪辱を果たした。
・第3試合は60回を迎え、現在も続く最古の定期戦「早大-関大定期戦」で、白熱したシーソーゲームとなった。関大が先行したが、早大は3Q、LB浅野翔太郎(三年)がインターセプトし、そこからの攻撃でTDを挙げて逆転。その後関大が逆転したが、早大は4Q7分にQB井上友綱(二年)からWR大西裕人(二年)への7ヤードTDパスが決まって再逆転し、その後も加点して31-21で勝利した。定期戦の対戦成績は早大の30勝26敗1分(中止1回)。
●第30回パールボウル
「第30回パールボウル」は準決勝で日産を破ったアサヒビールと、鹿島を破ったオービックの対戦で、6月13日に東京ドームで行われた。オービックは開始早々、QB龍村学がSE水口貴雄に50ヤードのTDパスを決めて先制。5分にアサヒビールのDL高谷健助にセーフティーを奪われたがその後はRB白木周作、RB新川昇平のTDラン、龍村から再び水口への43ヤードTDパスで加点。守ってはLB古庄直樹、DE遠藤紀彦を中心に相手の反撃を封じ、大橋誠ヘッドコーチ率いるオービックが27-2で勝利した。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグは2001年から使用を開始したアミノバイタルフィールドがこの年からフットボール準専用グラウンドとなり、1部リーグ全15日中10日間を同会場で開催。ほかに川崎球場、横浜スタジアムなどを使用した。2部リーグの試合もアミノバイタルフィールド、等々力硬式野球場、大井第二球技場などを使用し、全体の3分の2が有料会場での試合となった。
●1部Aブロックは激しい星のつぶしあいとなった。明大は闘将RB山﨑公士(四年)のリーダーシップで、日体大に敗れたものの、1敗でブロック1位となった。2位は2敗の早大。3敗で日体大、立大、中大が並んだ。BブロックはRB丸田泰裕(三年)がシーズン20TDと歴代1位の活躍を見せた法大が1位、慶大が2位となった。丸田は1,178ヤードを、Aブロックの中大・宮幸崇(三年)は1,092ヤードを走り、ともに1,000ヤードラッシャーとなった。
●第36回関東大学選手権
関東大学選手権、クラッシュボウル準決勝の早大-法大は前半、法大がRB丸田泰裕(三年)のTDとQB菅原俊(二年)からWR戸倉和哉(二年)への5ヤードTDパスで先行。早大も2QにTDを返し、さらに4Q4分にRB古川大悟(二年)の2ヤードTDで迫ったが、逆転を狙ったTFPが失敗し、法大が14-13で勝利した。
明大-慶大は慶大が2Q初めまでに2TD、1FGで17-0とリード。その後の明大の反撃を抑え、30-13で勝利した。
関東大学選手権決勝は、法大と慶大のBブロック同士の対戦となった。Bブロックでの対戦は法大が34-0で快勝。この決勝では法大が1QにQB菅原俊(二年)の2つのTDランを始め23点を挙げて大きくリード。その後も攻勢を続け、56-3で慶大を下した。翌2006年に1部リーグが7チームずつ2ブロックの14校から、8チームずつ2ブロックの16校に拡大されることに伴い、1995年から11年間続いたA、B各ブロックの1、2位の4校によるトーナメントの方式はこの年が最後。翌年からは各ブロック1位同士の優勝決定戦のみとなった。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は王子スタジアム、長居球技場、宝ヶ池球技場を主として開催。最終日となった11月27日の西京極陸上競技場は、全勝の立命大と関学大が対決した。
優勝候補の立命大と関学大が快調に走ったリーグ戦だった。関学大は開幕からショットガン攻撃と若手バックスの活躍で高い得点力を発揮し、粒のそろった立命大はチーム一丸となって攻守ともに尻上がりに向上していった。
立命大は2Q7分、RB佃宗一郎(四年)の3ヤードTDランで先制すると、その後はともに1TD、1FGを挙げ、4Q半ばで立命大が17-9とリードした。関学大は残り4分、辻野祐志(四年)のTDランで2点差に。しかし、同点を狙ったTFPが失敗し、立命大がチーム初のリーグ戦4連覇を遂げた。人材の発掘や充実した指導体制、立派なトレーニング環境など大学の全面的なバックアップを受けた立命大が、盤石の黄金時代を築いたと言えた。
関学大は初めて4年連続で甲子園ボウル出場を逃し、甲子園球場に立つことがないまま卒業する部員を生み出すという痛恨の結果となった。3位は関大、4位は同大だった。
■各地区(学生)
【北海道】 1部6校、2部は4校ずつの2ブロックで開催。北大が安定した試合運びで全勝優勝した。
【東北】 4校ずつのA、B2ブロックで開催。優勝決定戦は東北大が岩手大を56-0の大差で下して優勝した。
【東海】 1部7校、2部は4校と5校からなる2ブロックで開催。中京大と南山大が1敗で並んだが、直接対決の結果で中京大が1位となった。
【北陸】 6校で開催。金沢大が福井県立大を14-2で破って優勝した。
【中四国】 1部5校、2部3校で開催。愛媛大が山口大を27-14で破り、全勝優勝した。
【九州】 1部、2部それぞれ6校で開催。九大が伏兵・宮崎大に10-20で敗れたものの、4勝1敗で優勝した。
●「第9回北日本学生王座決定戦・第20回パインボウル」は11月27日、札幌ドームで行われ、東北大が北大を20-0で破り、3年連続5回目の優勝となった。
●「第9回南日本王座決定戦・第21回平和台ボウル」は11月20日、平和台陸上競技場で行われ、3年ぶり出場の九大と2年連続出場の愛媛大が対戦。愛媛大は2Q、QB山口佑太(三年)からTE藤中敬之(三年)へのTDパスで先制すると、後半も得点を重ね、34-14で2連覇を達成した。
●「第9回東日本学生王座決定戦・シトロンボウル」は12月11日、仙台スタジアムで行われ、関東ベスト4の明大が東北大を27-19で破った。
●「第9回西日本学生王座決定戦・ウエスタンボウル」は12月11日、広島広域公園第二球技場で関西6位の近大が愛媛大を62-7で破った。
◆秋季試合(社会人)
●Xリーグが発足して10年目を迎えた。
■秋季試合 関東(社会人)
●Xリーグイーストとセントラルは9月10日、この年5日間使用した川崎球場で開幕。東京ドームは平日を中心に7日間、横浜スタジアムは休日に4日間、アミノバイタルフィールドを3日間使用した。
●イーストはオービック、オンワードスカイラークス、富士通と強豪がそろった。オービックは2年目のQB龍村学が急成長し、オンワードスカイラークスを21-0、富士通を35-14で破り、1試合平均40.6得点の攻撃力で1位となった。コーチ陣を一新したオンワードスカイラークスが富士通を13-7で破って2位となり、4年連続でFINAL6に進出した。
●セントラルはXリーグ4年目のIBMが大躍進。鹿島、アサヒビールと三つ巴となったが、3者間の得失点差で鹿島とアサヒビールがFINAL6に進出した。鹿島は3年連続7回目の地区優勝を果たし、アサヒビールは3年連続9回目のFINAL6進出となった。
■秋季試合 関西(社会人)
●Xリーグウエストは長居球技場を主に王子スタジアムも使用した。松下電工とアサヒ飲料の2強が開幕4連勝でともにFINAL6進出が決定。最終戦はシード権をめぐる戦いになり、終了2分前に松下電工のK太田雅宏が29ヤードのFGを決め、松下電工が3-0で勝利した。
■プレーオフ(社会人)
●FINAL6準決勝はオービックと、1回戦でアサヒ飲料を破ったアサヒビールが対戦。オービックが序盤に挙げた13点を守り、13-7で勝利して決勝に進んだ。
松下電工と、1回戦でオンワードスカイラークスを破った鹿島の対戦は、松下電工が2Qに鹿島のパントミスから得た敵陣からの攻撃をK太田雅宏の26ヤードFGに結び付け、3-0で勝利した。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第60回甲子園ボウル
●「第60回甲子園ボウル」は12月18日、甲子園球場に23,000人の観客を集め、3連覇の立命大(古橋由一郎監督、選手126人)と13回目出場の法大(大森広行監督、選手79人)が3年連続で対戦した。
法大は1Q2分、K飯塚啓太(四年)が30ヤードのFGを決めて先制。立命大は2Q3分、一年生RB松森俊介が30ヤードのTDランで逆転すると、法大もすぐさま5分にQB菅原俊(二年)からWR戸倉和哉(二年)への43ヤードTDパスが成功し、後半に入った。
3Q10分、立命大はQB渋井辰彦(三年)が25ヤードを走ってTDし、3度目の逆転。しかし、法大は4Q6分、RB丸田泰裕(三年)がパワーで縦に押し切ると見せかけて横へ展開し、3ヤードのTDランで逆転。その後の9分を守り切り、17-14で勝利して5年ぶり4度目の優勝を果たした。ミルズ杯は丸田が受賞した。
立命大はラン攻撃が法大のDL高橋伸和(四年、主将)、DL長谷川賢吾(四年)らの厚い守備で止められ、史上3校目となる4連覇を逃がすとともに、甲子園ボウル出場6回目で初めての敗戦となった。
◆第19回日本社会人選手権・ジャパンXボウル
●「第19回日本社会人選手権・ジャパンXボウル」は12月19日、東京ドームに13,564人の観客を集め、オービックと松下電工が対戦。日本社会人協会は、この年から観客数を1人単位まで発表することにした。
リーグ最強の守備力を誇る松下電工と、リーグ最高の得点力を誇るオービックの一戦は、互いに持ち味を発揮した激戦となった。前半は松下電工が主導権を握り、2Q序盤にFGで先制すると、オービックの2度のファンブルからの攻撃をともにTDに結び付け、16点をリードした。オービックは後半最初の攻撃でFGを決めると、DEケビン・ジャクソンのパントブロックから得た攻撃で、RB松田武晃がTDラン。4QにはQB龍村学からWR水口貴雄への40ヤードのTDパスが決まって同点とすると、さらにFGとファンブルリターンTDで加点し、25-16で4回目の優勝を遂げた。これまで、春のパールボウルの優勝チームは、秋に社会人日本一になれないというジンクスがあったが、オービックが初めて春秋ともに制した。
◆第59回ライスボウル
●「第59回ライスボウル」は翌2006年1月3日、東京ドームに28,041人の観客を集め、オービックと法大が対戦。ライスボウルも観客数を1人単位まで発表することにした。
オービックは1Q6分、RB古谷拓也の1ヤードTDランで先制。その後もTDを重ね、2Q7分には21-0と大きくリードした。法大は2Q11分にK飯塚啓太(四年)の42ヤードFGで3点を返すと、QB菅原俊(二年)の2つのTDパスなどで17-28と11点差まで追い上げる。しかし、オービックの勢いは止まらず、K金親洋介の42ヤードFGやセーフティー、古谷拓也の2つのTDなどで法大を突き放し、47-17で勝利した。
これで対戦成績は社会人の12勝11敗に。MVPのポール・ラッシュ杯は、先制TDを皮切りに5TDで計246ヤードを獲得したオービックのRB古谷拓也が受賞した。
[6]高校フットボールの活動
◆春季大会(高校)
●「第31回春季関東高校選手権」は、準決勝で駒場学園高(東京2位)を31-28で破った佼成学園高(東京3位)と、日大三高(東京1位)を47-21で破った三島高(静岡1位)が決勝で対戦し、三島高が49-34で勝って9年ぶり3回目の優勝を飾った。
●「第35回春季関西高校選手権」は、準決勝で宝塚東高(兵庫2位)を15-0で破った高槻高(大阪1位)と、大産大付高(大阪3位)を23-12で破った関西大倉高(大阪2位)が決勝で対戦し、関西大倉高が27-3で勝って13年ぶり2度目の優勝を飾った。
●春に開催された2つの定期戦の結果は次の通り。
日 付 | スコア | 会 場 | 備 考 | |||
6月25日 | 第52回定期戦 | 関 学 | 21-7 | 慶 応 | 関学高グラウンド | 関学の44勝6敗2分 |
7月3日 | 第20回定期戦 | 大産大付 | 20-17 | 日大三 | 王子スタジアム | 大産大付の15勝4敗1分 |
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東大会」決勝は11月20日、アミノバイタルフィールドで慶応高と中大付高の間で行われ、関東大会1回戦で関東3連覇中の日大三高を、2回戦で春の覇者・三島高を相次いで破った慶応高が3Q終了時に21-0とリード。中大付高は4Qにパスで2TDを返したが、慶応高が21-14で勝って22年ぶりに関東を制覇した。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西大会」決勝は11月20日、長居球技場で大産大付高と関学高の間で行われ、7-7の同点で4Qを終了し、タイブレーク方式の延長戦に突入した。先攻の関学高はTDを挙げたが、TFPのキックが失敗。後攻の大産大付高はランでTDし、TFPのキックも決めて14-13で劇的な勝利を収め、3年ぶり8回目の決勝進出を決めた。
◆第36回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●「第36回クリスマスボウル」は12月24日、味の素スタジアムに4,245人の観客を集め、慶応高と大産大付高が対戦。慶応高は前半、攻守ともにライン戦で相手を上回り、QB青樹礼生(三年)からの2TDパスで14-0とリード。後半は大産大付高のラインも奮闘し、一年生QB岡勇の2つのTDランで同点に。大産大付高はさらに攻勢を掛けたが、4Q残り42秒に慶応高のDB高田誠(三年)がインターセプトし、攻撃の最終プレーでK菊岡一哉(二年)が21ヤードのFGを決め、慶応高が17-14で22年ぶりの高校日本一に輝いた。
[7]フットボール・ファミリーの活動
◆小・中学生フットボール
●関東地区でも初めての「中学選手権」(タックル禁止のアメリカンフットボール)を開催した。第1回大会は12月25日、アミノバイタルフィールドで、佼成学園中と世田谷ブルーサンダースが対戦し、世田谷ブルーサンダースが42-0で勝利し、初代王者となった。関西では長浜南中、長浜西中、立命館宇治中、高槻中、関西大倉中、関学中、六甲中、啓明学院中の8校とクラブチームの京都ベアーズ、大阪ベンガルズ、千里ファイティングBeeが活動した。
◆タッチフットボール
●第10回を迎えた「女子タッチフットボール全日本王座決定戦」は翌2006年1月3日、東京ドームで開催。2年連続出場の社会人代表・西宮アンジェリックアラムニーが初出場の学生代表・武庫川女子大ジェントルブリーツを31-20で破り、初の栄冠を獲得した。MVPには西宮アンジェリックアラムニーのQB吉本みさ子が選ばれた。
[8]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●「第2回IVY-SAMURAIボウル」が6月19日に駒沢陸上競技場で開催された。コロンビア大とブラウン大の各4選手が関東大学リーグA、Bブロック主体のチームに加わった。関東大学2部、3部、地区連盟推薦の6選手も参加した。
●関西学生リーグ56校の総力を結集して開催された「第4回ニューエラボウル」は7月9日、長居球技場で行われ、立命大、京大を中心としたチームにワシントン州立大が参加したチームと、関学大、関大を中心としたチームにハワイ大が参加したチームが対戦した。
●7月、東京ドームで日本代表(森清之ヘッドコーチ)がハワイ州選抜「チームUSAハワイ」を迎え、「ジャパンUSAボウル」が開催された。
2年後に川崎で開催される「第3回ワールドカップ」に向けた日本代表のテストマッチとして開催された。日本は3点差を追う終了約4分前、自陣10ヤードから9プレーをかけ、最後はQB富澤優一(オンワードスカイラークス)からWR水口貴雄(オービック)への25ヤードTDパスで逆転し、20-16で勝利。1998年の「ジャパンユーロボウル」から国際試合10連勝とした。
◆日本チームの活動(海外開催)
●NFLヨーロッパには日本から8選手が参加。アムステルダム・アドミラルズにWR木下典明(立命大OB)、WR清水聡(富士通)、LB石田力哉(関学大OB)が、ケルン・センチュリオンズにS里見恒平(オービック)、WR小川道洋(オンワードスカイラークス)、QB波木健太郎(早大OB)、WR中島佑(関学大OB)が、ベルリン・サンダーには日本人初のOLとして合田正和(オンワードスカイラークス)が所属した。
●米アリーナフットボールリーグ(afl)のニューヨーク・ドラゴンズにWR高橋睦己(日大)とDB渡辺雄一(オービック)が、フィラデルフィア・ソウルにRB古谷拓也(オービック)が参加した。
●日本選抜サムライ・ウォリアーズとaflのaf2所属のサンディエゴ・リップタイドの室内フットボールの試合が3月26日にサンディエゴで開催され、日本選抜は32-67で敗れた。
●U19による「第10回グローバル・ジュニア・チャンピオンシップ」は翌2006年1月に米ミシガン州デトロイトで開催。日本代表(森清之監督=鹿島ヘッドコーチ)には前回同様に関西の大学からも参加した。予選ラウンドは5か国(日本、米国、ドイツ、カナダ、メキシコ)による1Q総当たりのジャンボリー方式で1月25日に行い、同29日に決勝と順位決定戦を行った。日本は予選ラウンドで1勝1敗1分の4位となり、2Q制の順位決定戦ではドイツとメキシコを破って3位となった。
◆外国チーム間の試合(日本国内開催)
●13回目となるNFLのプレシーズンゲーム、「アメリカンボウル」は8月7日、東京ドームでインディアナポリス・コルツと2度目出場のアトランタ・ファルコンズが対戦し、ファルコンズが27-21で勝利した。1989年に始まった「アメリカンボウル」はこの回で終了。13回の開催で計20チームが来日した。
これで、1976年からほぼ毎年のように日本で行われてきたNFLのプレシーズンゲームやNCAAの公式試合の開催がなくなった。この間、NFLのプレシーズンゲームは14試合、NCAA公式戦は19試合、学生オールスター戦は18試合が開催され、本場の試合を多くの観客が楽しんだ。