日本でのフットボール活動が75年を経過し、75周年記念事業として7月25日にノートルダム大のOB選手らを招いた「ノートルダム・ジャパン・ボウル」を東京ドームで開催した。大学は全国8地区の代表が出場する全日本大学選手権を開催することとなり、甲子園ボウルがその決勝戦となった。
2009.01.01
お知らせ
甲子園ボウル、全日本大学選手権の決勝に。関大が62季ぶりの大学日本一
日 付 | 主な出来事 | |
社 会 | 春頃 | 世界同時不況で電機、自動車など巨額赤字、人員削減相次ぐ |
6月11日 | 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザに対し、41年ぶりのパンデミック宣言 | |
フットボール | 3月21日 | 第2回U19グローバルチャレンジボウル川崎大会、米国代表に日本勝利(川崎球場) |
3月22日 | 甲子園ボウルを全国8地区の大学による全日本大学選手権の決勝とすることを決定 | |
4月1日 | 日本協会、日本社会人協会事務所を東京都品川区に移転 | |
4月19日~ | 日本フットボール75周年記念、早大、明大、立大によるルーツ3校マッチ開催 | |
春 | 新型インフルエンザ(H1N1型)流行、競技活動に制約 | |
6月27~7月5日 | 第1回IFAFジュニア世界選手権大会2009、日本3位(米オハイオ州) | |
秋 | Xリーグ、秋季リーグを2ステージ制へ | |
12月13日 | 第64回甲子園ボウル、60年ぶり出場の関大が法大を破り、2度目の優勝 | |
翌年1月3日 | 第63回ライスボウル、鹿島が関大を破り、2回目の優勝 | |
翌年1月30日 | IFAF、U19、チームUSA-世界選抜の世界選抜に日本代表5人初参加 |
日本でのフットボール活動が75年を経過し、75周年記念事業として7月25日にノートルダム大のOB選手らを招いた「ノートルダム・ジャパン・ボウル」を東京ドームで開催した。大学は全国8地区の代表が出場する全日本大学選手権を開催することとなり、甲子園ボウルがその決勝戦となった。
[1]主な出来事
●4月下旬、メキシコでの大流行をきっかけに全世界に飛び火した新型インフルエンザ(H1N1亜型)が春のフットボール活動に影響を与えた。9人の部員が感染した高校チームもあり、地域によっては一斉休校となるなど、大きな影響を受けた。日本全体での感染拡大で大学の東西交流戦が中止となったり、延期されたりもした。
●文部科学省の小中学校向け「新・学習指導要領」にフラッグフットボールが掲載されることになった。
●学生と社会人がともに日本一を決める大会の方式変更を行った。
学生は全国8地区の代表によるトーナメント方式で大学王者を決めることにした。これまで東西大学王座決定戦として開催されてきた甲子園ボウルは、東日本3地区(北海道、東北、関東)と西日本5地区(東海、北陸、関西、中四国、九州)による全日本大学選手権の決勝として行うことになった。関東大学リーグからはA、B両ブロックの1位が出場することとなり、関東大学選手権はこの年と翌2010年は行われなかった。
●社会人は、Xリーグが発足した1996年から前年までの13シーズン、各チーム5試合のリーグ戦とプレーオフでトーナメント(FINAL6)を行っていた。それを18チーム、3ブロックのリーグ戦を行う「第1ステージ」と、その結果による上位グループ、下位グループに分けた「第2ステージ」を行う方式とし、第2ステージの上位グループ3ブロックの各1位と、ワイルドカード1チームによるトーナメントを実施し、優勝チームを決める方式とした。第2ステージの下位グループでは、2部との入れ替え戦に回るチームを決定することとした。変更の目的は、(1)リーグ戦の試合数の増加(2)拮抗した試合の増加(3)東西交流の試合の増加-だった。
●日本協会は日本フットボール75周年を記念し、アメリカンフットボールのより一層の普及と競技力向上を目指して「JAFAフットボールコンベンション」を2月28日に西日本地区(大院大)、3月14日に東日本地区(サンピア川崎)で開催した。
コンベンションでは特に重篤な結果を招く恐れのある頭頚部外傷に焦点を当て、日本協会医・科学研究会所属の各ドクターより、過去の重症頭頚部外傷事故の報告とその予防についての講演や、現場での緊急対応についての発表などがなされた。また、講演内容は日本協会公式サイトで公開された。
●関東学生連盟では75周年を記念し、ルーツ校の早大、明大、立大がそれぞれ対戦する記念試合を4月と6月に開催した。また、日本協会では7月25日にノートルダム大のOB選手らを招いた「ノートルダム・ジャパンボウル」を東京ドームで開催。ノートルダム・レジェンスが日本代表に19-3で勝利した。
●4月1日、日本協会事務所と日本社会人協会東日本事務所が東京都港区北品川に移転した。
[2]競技施設・装具・公式規則
◆公式規則
【この年の日本の主な規則変更】
●キックオフは35ヤードから30ヤードとなった。
●プレークロックが導入され、通常、ダウン終了後40秒以内に次のプレーを開始することになった。試合会場では、この変更に合わせて従来の25秒計が40秒計に変更された。
[3]春季試合
◆春のボウルゲーム
●第33回パールボウル
Xリーグ東、中地区の春季王者を決める「第33回東日本社会人選手権・パールボウル」決勝は6月19日、東京ドームに11,823人の観客を集め、鹿島とオービックが対戦。オービックは2Q、S古庄直樹が奪ったインターセプトからの攻撃で、WR清水謙の33ヤードTDパス捕球でリードを広げると、鹿島はその直後のキックオフで中川靖士が93ヤードのリターンTD。オービックが10-7とリードして前半を折り返した。
オービックは4Q5分、相手をS古庄直樹がハードヒットしてファンブルを誘うと、自らそのボールを拾って45ヤード走りTDし、17-10と勝ち越した。しかし、鹿島は残り4分にセーフティーを奪うと、RB丸田泰裕の9ヤードTDランで逆転し、20-17で勝利した。MVPには鹿島の東北大出身の3年目、RB佐藤昭一郎が選ばれた。鹿島はパールボウル出場9回目で7回目の優勝。
[4]秋季試合
◆秋季試合(学生)
■関東(学生)
●関東大学リーグ1部はアミノバイタルフィールドを主会場に、川崎球場なども使用した。
●Aブロックでは前年覇者の法大が、全勝でブロック1位となった。山場となった慶大戦では、慶大がQB青樹礼生(四年)からWR斎藤伊久磨(二年)、TE梶原義浩(四年)への2つのTDパスで前半を13-0とリード。法大は後半、QB山口圭司(二年)からRB楠原光弥(三年)への15ヤードTDバス、RB堀大介(二年)への32ヤードTDパスを決めて14-13と逆転。守ってはDE清原弘明(四年)とS坂口進哉(四年)のインターセプト、DE徳田浩至(四年、主将)のQBサックとファンブルフォースで慶大の反撃を断ち切り、21-13で勝利した。続く明大戦はQB山口圭司が4つのTDパスを決め、前半で大きくリードして35-28で勝利した。
Bブロックでは早大が1敗したものの1位となった。第2節で1部昇格の国士館大に3-7で敗れたが、その後は専大と14-14からのタイブレーク方式の延長戦で勝利し、立大を17-10、中大を14-11と苦しみながらも勝利。最終節に全勝の日大と対戦し、3Q序盤にRB末吉智一(二年)の17ヤードTDランで17-13とリード。その直後の守備で、このシーズンに関東大学リーグ歴代2位となる7インターセプトを記録したS坂梨夏木(二年)がインターセプトから27ヤードのリターンTDを挙げ、24-21で勝利した。
Aブロック1位の法大とBブロック1位の早大が全日本大学選手権に進出した。
■関西(学生)
●関西学生リーグDiv.1は、王子スタジアムとエキスポフラッシュフィールドを主会場として開催した。
●1997年から12シーズン、関学大と立命大で優勝を分け合ってきたが、前年5位の関大が全勝で優勝。攻・守・蹴一体となった試合運びが話題となった。
第3週の関大-関学大は9月26日、王子スタジアムで開催。関学大がQB加納友輔(四年)のラTDンで先制し、前半を関学大が7-3とリードして折り返した。関大は3Q、RB藤森裕人(三年)の68ヤード独走TDで逆転すると、4QにはQB原口大知(四年)がWR高原直樹(三年)への29ヤードのTDパスを決め、17-13で勝利した。
続く第4週の立命大-関大は急きょ、京セラドーム大阪に会場を変更して10月12日に観客7,000人を集めて開催された。ロースコアの展開となったが、関大は2Q、RB藤森裕人(三年)の48ヤードTDランで先制。立命大もQB松田竜太(三年)からTE居林良太朗(三年)への4ヤードTDパスが決まり、前半を7-7で折り返した。関大は3Q、ゴール前1ヤードから藤森がエンドゾーンに飛び込みTD。関大が14-7で勝利した。
関大はシーズン半ばで関学大と立命大を破り、その後は近大、同大、甲南大に快勝し、7戦全勝で優勝を飾った。2002年に就任した磯和雅敏監督が率いる関大が61年ぶりに甲子園球場に戻ることとなった。
関大に敗れた関学大と立命大は最終節で対戦、関学大が31-7で勝利して2位に、立命大が3位となった。上位3校に敗れた同大は他の4校に勝利し、1992年以来17年ぶりの勝ち越しで4位となった。
■各地区の活動/代表決定戦(学生)
●全国の大学に甲子園ボウル出場の道が開かれ、各地区で全日本大学選手権出場を目指すリーグ戦が展開された。
【北海道】 前年同率1位の北大と小樽商大が最終戦で全勝対決。終始リードを保った小樽商大が5連覇中の北大を16-9で破り、創部32年で初の全勝優勝を遂げた。
【東北】 黒星スタートの東北大は、1勝3敗で史上初の入れ替え戦出場となった(不戦勝で1部残留)。優勝は仙台大で、1996年以来13年ぶり2回目。
【東海】 名城大がC杉山泰弘(二年)、T黒川晴央(三年)ら大型ラインの活躍で、4年連続のリーグ優勝を決めた。
【北陸】 金沢大が盤石の戦いで他校を圧倒。全勝対決の金沢工大を28-13で制して16連覇を達成した。
【中四国】 前年度の主力が多くが残る愛媛大が、広島大を10-3で破り、3年ぶり10回目の優勝を果たした。
【九州】 前年優勝の西南学院大、同率1位の福岡大、2003、04年王者の久留米大、2年ぶりの王座奪回を目指す九大の争い。九大が2年ぶり13回目の優勝を飾った。
●全日本大学選手権の東日本代表校決定戦準決勝は11月15日、駒沢陸上競技場で行われ、法大が小樽商大に57-13で、早大が仙台大を59-12で破った。
●東日本代表決定戦は11月29日、味の素スタジアムで関東大学リーグ1の守備力を誇る早大と、攻撃力1位の法大が対戦。法大が1Q、早大のブリッツを多用する守備の裏をかき、RB原卓門(四年)のカウンターで先制TD。続く攻撃では、WR栗原嵩(四年)へのパスで早大陣36ヤードに進み、最後は原がTDし、1Qで14点をリード。その後も得点を重ね、38-11で快勝し、2年連続10回目の甲子園ボウル出場を決めた。
●西日本代表決定トーナメント1回戦は11月8日、「平和台ボウル」として平和台陸上競技場で愛媛大と九大が対戦し、愛媛大が7-5で守備戦を制した。同14日、愛知・一宮市光明寺公園での名城大と金沢大の対戦は、名城大が55-2で圧勝した。準決勝は同23日、四日市ドームで行われ、名城大が愛媛大を33-0で破った。
●西日本代表校決定戦は11月29日、王子スタジアムで関学大と名城大が対戦。名城大は開始早々に敵陣4ヤードまで迫ったが、痛恨のファンブルで流れは関学大となり、関学大が42-6で勝利した。
◆秋季試合(社会人)
●Xリーグイーストとセントラルは9月3日、東京ドームで開幕。主として川崎球場を使用して開催された。東京ドームは平日3日間の使用だった。Xリーグウエストは長居球技場を主会場に王子スタジアムも使用した。
■Xリーグ・第1、2ステージ(社会人)
●新方式1年目の第1ステージは、アサヒビール、富士通、パナソニック電工が各ブロックを1位で通過した。
パナソニック電工、オービック、IBMで編成された第2ステージ上位Aブロックは、ともにIBMを破ったパナソニック電工とオービックが対戦。四転する激戦となったが、パナソニック電工がDB増谷俊紀のインターセプトからの攻撃でRB石野仁大が逆転TDを挙げ、23-20で勝利した。
富士通、アサヒ飲料、日本ユニシスによるBブロックは、ともに日本ユニシスを破った富士通とアサヒ飲料が対戦。富士通がRB進土祐介のラン8回で166ヤード、2TDを挙げる活躍を見せ、43-21で勝利した。
アサヒビール、鹿島、吹田のCブロックは、ともに吹田を破った鹿島とアサヒビールが対戦し、鹿島が24-14で勝利して1位となった。ファイナルステージに進むワイルドカードは、アサヒビールとなった。
■プレーオフ(社会人)
●「ジャパンXボウル」の出場権を懸けた4チームによるファイナルステージは、鹿島-パナソニック電工、富士通-アサヒビールの顔合わせとなった。
鹿島-パナソニック電工は、パナソニック電工が1Qに2TD、2Qに1FGを挙げて17点をリードしたが、鹿島はWR前田直輝のキックオフリターンTDなどで3Qに逆転。さらにTDを追加し、鹿島が34-26で勝利した。
富士通-アサヒビールは、富士通が31-21で勝利した。アサヒビールにパスで338ヤードを奪われたが、守備陣のS藤田篤、LB海嶋祐希らがランをわずか26ヤードに抑えた。
[5]秋季試合(ボウルゲーム)
◆第64回甲子園ボウル
●「第64回甲子園ボウル」は前年まで関東と関西のリーグ戦優勝校による東西大学王座決定戦として開催されてきたが、全国8地区の代表校によるトーナメント戦、全日本大学選手権の決勝となった。全国8地区のリーグ戦には計212校が参加した。
12月13日、改修を終えて3年ぶりの使用となる甲子園球場に25,000人の観客を集め、第3回大会以来62年ぶり3回目の出場となる関大と、2年連続16回目の出場の法大が対戦。関大が点の取り合いを制し、50-38で定期戦を組む法大を破り、62年ぶり2回目の大学日本一となった。
法大が1Q、K丸田喬仁(三年)の24ヤードFGで先行したが、関大は13分にゴール前1ヤードからRB松森光彦(四年)が走り込み逆転のTD。その後も両チームの攻め合いでリードするチームが目まぐるしく変わったが、関大は後半、RB藤森裕人(三年)の84ヤードのキックオフリターンTD、QB原口大知(四年)の3つのTDランと1つのTDパスで法大を突き放した。磯和雅敏監督、板井征人ヘッドコーチ率いる関大が、初のライスボウル出場を果たした。
関大はランプレーを主体に展開し、パスはわずか9回のみ。勝敗を大きく分けたのはキッキングゲームで、関大はキックオフとパント合わせて8回あったリターンの機会で310ヤードを獲得し、11回で137ヤードの法大を大きく上回った。ミルズ杯は関大のRB藤森裕人(三年)が受賞した
◆第23回日本社会人選手権・ジャパンXボウル
●「第23回日本社会人選手権・ジャパンXボウル」は12月21日、東京ドームに22,059人の観客を集め、鹿島(森清之ヘッドコーチ)と富士通(藤田智ヘッドコーチ)が対戦。第1ステージのセントラルディビジョンで1、2位の顔合わせとなった。
前半、富士通が7点のリードで折り返したが、鹿島は後半、負傷を押して出場したQB尾崎陽介が52ヤードのロングパスを決めて反撃。さらにRB丸田泰裕の5ヤードTDランで逆転し、WR前田直輝への76ヤードTDパスで加点した。富士通は4Q12分にTDパスを返すが、その後のオンサイドキックが鹿島に押さえられて万事休す。鹿島が21-14で12年ぶり2回目の制覇を遂げた。MVPは鹿島の前田が受賞した。
◆第63回ライスボウル
●「第63回ライスボウル」は翌2010年1月3日、東京ドームに35,742人の観客を集め、12年ぶり2回目出場の鹿島と初出場の関大が対戦。関大は62年ぶりに出場した甲子園ボウルを制しての初出場だった。
関大は1Q3分、鹿島のパスをDB小原啓(四年)がインターセプトし、そのまま48ヤード走って先制のTD。さらに小原は2Q4分にもFGを決め、リードを10点に広げる。鹿島は4Q、RB曽根佑太のランで前進し、6分にFGで16-16と初めて同点に。さらに、最後のプレーでK鹿島弘道がこの日3つ目となるFGを成功させ、19-16で劇的な勝利をつかんだ。MVPのポール・ラッシュ杯は、この試合最多の8タックルを決めた鹿島の主将、LB牧内崇志が受賞した。
◆その他のボウルゲーム
●12月27日、アミノバイタルフィールドで、第20回バーシティボウル(東西の学生2部、3部相当のオールスター戦)が開催された。第 1試合の3部は関東が23-14で勝利し、通算成績を13勝6敗1分に。第2試合の2部は関西が24-21で勝利し、11勝9敗とした。
[6]高校フットボールの活動
◆春季大会(高校)
●「第35回春季関東高校選手権」は、準決勝で早大学院(東京4位)を30-10で破った日大三(東京1位)と、駒場学園高(東京3位)を16-10の接戦で破った立教新座高(SIC1位)が決勝で対戦し、日大三高が28-12で勝って9年ぶりの春季優勝を遂げた。立教新座高は26年ぶりの準優勝。
●「第39回春季関西高校選手権」は、新型インフルエンザの影響で当初の予定より1週間遅れて開催された。準決勝で大産大付高(大阪1位)を36-16で破った立命館宇治高(京都1位)と、関西大倉高(大阪3位)を30-7で破った県立北大津高(滋賀1位)が決勝で対戦し、立命館宇治高が50-30で勝って優勝した。県立北大津高は1990年に同好会として発足し、20年目での決勝進出だった。
◆秋季大会(高校)
■関東地区(高校)
●「全国高校選手権関東大会」決勝は11月23日、駒沢第二球技場で日大三高と佼成学園高の間で行われ、日大三高が4Qに3TDランの猛攻、42-21で優勝した。
■関西地区(高校)
●「全国高校選手権関西大会」決勝は11月21日、王子スタジアムで大産大付高と立命館宇治高の間で行われ、4Q終了時に同点で、タイブレーク方式の延長戦に突入。立命館宇治高が先攻でTDすると、その裏の大産大付高の攻撃をゴール前インチで止めて21-14で勝利した。立命館宇治高は1995年の創部から15年目でクリスマスボウル初出場を遂げた。
◆第40回全国高校選手権決勝・クリスマスボウル
●「第40回クリスマスボウル」は12月23日、味の素スタジアムで日大三高と立命館宇治高が対戦。日大三高が12-9で接戦をものにした。日大三高は序盤からパントミスやインターセプトを喫するなどピンチが続いたが、立命館宇治高の攻撃をCB高山聖(三年)のインターセプトやDE金田充功(三年)、S松崎隆朔(二年)、LB柳龍太郎(二年)、LB山崎将志(二年)らの踏ん張りで相手の得点機を何度も防いだ。漆間健夫監督が指導する日大三高は3年ぶり3回目の高校日本一。
●関東のシーズン最後を飾る第10回STICKボウルは翌2010年1月10日、晴天の川崎球場で新年度に三年生となる選手が出場。東京選抜Aが神奈川選抜を35-21で、東京選抜Bが埼玉・茨城・千葉選抜を36-0でそれぞれ破った。
[7]フットボール・ファミリーの活動
◆小・中学生フットボール
●「第2回中学オールスター東西対抗戦」が3月21日に川崎球場で行われた。関東は世田谷ブルーサンダース、佼成学園中、浅野中、ラッシャーズJr、Jrシーガルズから、関西は立命館宇治中、立命館守山中、長浜西中から編成された。関西は2Q、RB横沢奎佑(立命館宇治中三年)のTDランで先制。守っても攻守兼任の横沢のインターセプトなどで関東の攻撃を抑え、7-0で勝利した。
◆タッチフットボール
●「第15回さくらボウル」が翌2010年1月3日、東京ドームで行われ、武庫川女大ジェントルブリーズ(学生代表)と関西アウィリーズ(一般代表)が対戦。関西アウィリーズが31-26で接戦を制し、7年ぶり3回目の優勝を果たした。武庫川女大は5連覇を逃した。MVPには関西アウィリーズのQB東本幸子が選ばれた。
[8]海外・国際関連の活動
◆日本チームの活動(国内開催)
●「U19グローバルチャレンジボウル2009川崎大会」が3月21日、川崎球場に4,000人の観客を集めて行われた。山嵜隆夫監督率いる日本代表が38-21で逆転勝ちし、前年に続く2連勝。6月の「第1回IFAF世界ジュニア選手権」に向けて弾みを付けた。
日本は3Q終了時点で31-6と大きくリードしていたが、その後、米国がオンサイドキックを2度成功させて2つのTDを挙げ、10点差に追い上げた。しかし、3度目のオンサイドキックは成功せず、逆に日本がQB荒木裕一朗(大産大付高三年)のスクランブルからのロングゲイン後にTDを挙げて押し切った。
●7月、日本フットボール75周年事業として「ノートルダム・ジャパンボウル2009」が東京ドームに21,080人の観客を集めて開催された。米国の名門ノートルダム大レジェンズを迎え、日本代表はヘッドコーチに森清之氏(鹿島)、選手は社会人を中心に大学生も加わった。ノートルダム大レジェンズはNCAAフットボールの殿堂に顕彰された伝説のコーチ、ルー・ホルツ氏がノートルダム大OBを率いた。
日本代表が1QにFGで先行。ノートルダムは2QにFGで同点とし、その後TDを挙げて逆転。後半も追加点を挙げ、19-3で勝利した。第1ダウン数は日本代表の17に対して相手が13、総獲得距離は日本の236ヤードに対して相手が278ヤードと、日本が健闘した。MVPにはラン16回で145ヤード、2TDを挙げたノートルダムのRBジェイ・ピッカーズが、MIPには4捕球で50ヤードを獲得した日本のWR秋山武史(富士通)が選ばれた。ノートルダムはNFL経験者20人余りがおり、これまでに来日した米国チームの中では最強と言われたが、日本も果敢に緻密かつスピードあるプレーを展開した。
●関西学生リーグの所属校52校を二分し、米国からの選手も参加した「ニューエラボウル2009」は7月8日に王子スタジアムで開催。立命大、京大、関大を中心としたチームにUCLAが参加したチームと、関学大、神戸大、甲南大を中心としたチームにスタンフォード大が参加したチームが対戦した。
◆日本チームの活動(海外開催)
●U19の国際大会として、国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)が主催する世界ジュニア選手権が開催された。第1回大会は6月、米オハイオ州カントンで米国、カナダ、メキシコ、日本、ドイツ、スウェーデン、フランス、ニュージーランドの8か国が参加し、トーナメント戦を行った。
日本は1回戦でドイツと対戦。日本は前半、ドイツ守備陣に6回のQBサックを浴び、0-7で折り返したが、後半に逆転して10-7で勝利した。日本は準決勝で第1シードのカナダと対戦。開始早々、QB荒木裕一朗(立命大一年)からTE平山諒一(関大二年)への3ヤードTDパスで先制。その後はシーソーゲームとなり、日本は4Q残り1分27秒、ロングパスでTDして35-31とリード。しかし、直後のカナダの攻撃で6回連続のパス成功の後、残り16秒でTDパスを決められ、35-38で敗れて3位決定戦に回った。
日本は3位決定戦でメキシコと対戦。日本が先行する展開で、4Qにメキシコに2TDを許して追い上げられたものの、S香山裕俊(関学大二年)のインターセプトで断ち切り、42-27で勝利した。日本の山嵜隆夫監督が最優秀コーチ賞に、日本代表がフェアプレー賞に輝いた。
●翌2010年1月30日、IFAF主催のU19による米国代表-世界選抜が米フロリダ州のロックハートスタジアムで開催された。世界選抜チームに日本からコーチとして板井征人氏(関大ヘッドコーチ)と武田真一氏(大産大付高コーチ)が、選手としてWR 遠藤昇馬(日大一年)、DB 丸山雄大(日大二年)、WR 宜本潤平(立命大一年)の3人が選ばれ、初めて参加した。試合は米国代表が前半終了間際にTDランで先制し、後半も世界選抜を抑えて17-0で勝利した。この試合は、後にインターナショナルボウルとなった。