JWC 第二戦
初戦のドイツ戦に勝利し獲得したカナダとの準決勝、当日を向かえました。この試合のために、選手たちは前回ドイツ戦を経験したことにより海外の選手と対戦することに対する恐怖心や緊張感を上手くコントロールし、程よい緊張感を持って試合に臨みました。
U-19日本代表はこれまでにカナダとの試合において勝利をつかんだ事は無く、格上の相手ということで、入念に選手やコーチたちは数多くのプレーを合わせ、ミーティングを重ねるなどの取り組みがなされてきました。その成果を見せるべく試合に臨みました。
カナダのキックオフで試合開始。日本は、先発のQB荒木が丁寧にパスをつなぎ相手陣39ヤードに攻め込むと、この試合に向けて準備をしていたスペシャルプレイを選択します。QB荒木からピッチを受けたQB畑のフェイクから、WR宜本へパスというプレイで、見事に34ヤードのパスが決まりゴール前5ヤードまで前進。最後は、TE平山へのTDパスで日本が先制点を上げました。しかし、カナダも、QBジェレミー・ドヨン-ロッシュから、WRジュリアン・ベイリーへの21ヤードパスなどで前進。最後はRBジウィーアイム・ボレアサへのTDパスで同点となりました。
続く日本のディフェンスではDB栗田がパントをブロックするビックプレーをを見せると、ゴール前17ヤードという絶好のポジションからRB井上がTDランを決め14対7とリードを奪います。追加点をあげ、流れを引き寄せたい日本だったが、カナダもすぐにRBボレアサのTDランで追いつき、さらに前半終了間際には、QBブランドン・ブリッジがランでTDを決め14対21とカナダリードで前半を終えます。
前半から両チームによる点の取り合いになったのですが、後半に入るとその様相はより激しさを増していきます。後半最初のオフェンスでカナダは点差を14点に広げると、日本もWR宜本がエンドゾーン内で相手DBと競り合いながら最後までボールへの集中力を切らさずTDパスをキャッチするスーパープレーを決め21対28の7点差と追いつきます。第4Q早々にはカナダがFGを決め、再び10点差に広げるものの、日本もQB荒木からWR遠藤へ38ヤードのTDパスを決め3点差に追い上げをみせます。
前半は、カナダのランオフェンスに苦しんだ日本のディフェンス陣だが、試合後半に入っても豊富な運動量で相手QBにプレッシャーをかけ続け、徐々にカナダオフェンスからリズムを奪うと、3点差のまま迎えた試合時間残り2分48秒、自陣15ヤードからの日本のオフェンスは残り時間との戦いになったが、QB荒木がプレッシャーのかかる中、落ち着いてパスオフェンスを展開。WR宜本を中心にパスを投げ分け、相手に的を絞らせないプレイでカナダ陣まで攻め込みます。最後はゴール前33ヤードから左のサイドライン際を駆け上がる宜本へのパスが見事に決まり、試合時間残り1分27秒で35対31と逆転に成功。
続く自陣36ヤードから始まった、カナダのオフェンスは、WRベイリーらへのパスを連続で成功させ日本陣内へと攻め込み、日本ディフェンス陣も、タックルを決め必死に守る。しかし、残り時間26秒、ゴール前33ヤード。QBドヨン-ロッシュからのパスをWRアレックス・アンソニーがパスを受けタックルを受けながらも、そのまま走り切りTDを決め、試合残り16秒で35対38とカナダが再逆転。残り時間10秒から日本のオフェンスになるが、そのまま試合終了となりました。
『負けてしまいとてもくやしいです。しかし、今日は試合を楽しむことが出来、良い勝負が出来たと思います。前回のドイツ戦の時は相手の選手とのサイズの違いにあせってしまったのですが、今日は程よい緊張感を持って試合に取り組めました。前回の試合の反省から空いているレシーバーを見極め、パスを投げることができました。それに加え、リズム良く攻撃が出来たと思います。次の試合は3位決定戦ということで、今回のようにリズム良い攻撃で勝利を収めたいです。』とQB荒木裕一郎(立命館大学)は語ってくれました。
2日間の中日を挟み、U-19日本代表はメキシコ代表との3位決定戦に臨みます。日の丸を背負い、世界に挑戦する日本代表選手にご期待ください。