フェアプレイ宣言について


平成30年5月26日

公益社団法人日本アメリカンフットボール協会

       会長 国吉  誠

 

フェアプレイ宣言について

 

5月6日に行われた日本大学対関西学院大学の定期戦での日本大学選手によるラフプレーの件については、当事者や競技関係者だけではなく、社会からも大きな注目を集めています。

 

当該プレイがスポーツマンシップ、フェアプレイ精神を大きく逸脱したものであり許されるものではないことは言うまでもありませんが、それに加えて、チームの指導、マネジメントのあり方も問われており、アメリカンフットボール全体の信頼性を大きく揺るがす問題となっており、当協会としては強い危機感を抱いています。

 

本件の真相解明については、関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会の調査や被害者からの被害届に基づく当局の捜査を慎重に注視する一方、当協会としては、本件を単なる一過性の事象としてではなく、二度とこうした事件が起こらないよう、選手、指導者、チーム、団体その他アメリカンフットボールに携わる全ての当事者を巻き込んだ抜本的な再発防止策に徹底的に取り組み、当事者が安心してプレイできるようにしなければなりません。

 

当協会では、以前より、コンプライアンス及びガバナンス強化を重視し、アメリカンフットボールの未経験者である女性外部理事の選任や内部通報の外部窓口の設置等の施策を進めているところですが、よりその動きを加速する必要があります、そこで、まず「フットボール綱領」の原点に立ち返って、以下のとおり宣言するとともに、アメリカンフットボールのスポーツマンシップ、フェアプレイ精神の推進プロジェクト(以下、「本プロジェクト」という。)を設置します。

 

フェアプレイ宣言

 

アメリカンフットボールの全ての選手、指導者、チーム、団体その他アメリカンフットボールに携わる全ての者は、フットボールが教育活動の重要な一環を担っているとした「フットボール綱領」を尊重し、以下を宣言する。

 

1 私たちは、アメリカンフットボールを愛する者として、フェアプレイに全力で取り組み、心身の向上につとめます。

2 私たちは、アメリカンフットボールが激しく、力に満ちた、身体をぶつけ合うスポーツであることを強く意識し、最高のスポーツマンシップに基づき行動します。

3 私たちは、自らがスポーツマンシップ、フェアプレイ精神に反する行為を行わないだけでなく、他人にそうした行為を強制したり、他人のそうした行為を黙認したりしません。

4 私たちは、スポーツマンシップ、フェアプレイ精神を育む風土の醸成につとめます。

5 私たちは、スポーツマンシップ、フェアプレイ精神の社会への普及推進につとめます。

 

【フットボール綱領(抜粋)】

伝統的に,フットボールは教育活動の重要な一環を担っている。フットボールは激しく,力に満ちた,身体をぶつけ合うスポーツである。それゆえ,プレーヤー,コーチ,その他の試合関係者に対しては,最高のスポーツマンシップと行動が要求される。不正な戦術,スポーツマンらしからぬ行為,故意に相手を傷つけることは絶対に許されない。

 

フェアプレイ推進プロジェクト概要

 

1 フェアプレイ宣言の採択(既出)

2 本協会にフェアプレイ推進委員会を設置する。委員長は会長とする。

3 フェアプレイ推進委員会内に、まず再発防止ワーキンググループ及びフェアプレイ・ワーキンググループを設置する。再発防止ワーキンググループでは、本件を踏まえ、短期、中長期の視点から抜本的な再発防止策を早期に検討する。フェアプレイ・ワーキンググループでは、フェアプレイを推進する風土を醸成する活動を推進するために、関係者が広くフェアプレイについて考える場づくりのための施策を検討する。

4 各ワーキンググループでは、外部の専門家を積極的に活用し、様々な視点から今後の施策を推進する。

5 各ワーキンググループは相互に連携し、抜本的、総合的な施策を推進する。

 

本プロジェクトを、選手、指導者、チーム、団体その他アメリカンフットボールに携わる全ての者が一致団結して再発防止を推進します。

 

【フェアプレイ推進プロジェクト体制】

※ワーキンググループは必要に応じて追加で設置することもある。

以上