激しいTD争奪戦も四転の末に及ばず 4大会連続の決勝進出ならず
激しいTD争奪戦も四転の末に及ばず
4大会連続の決勝進出ならず
SWC初参戦のカナダに善戦及ばず27対31と苦杯をなめる結果となり、日本代表はメキシコとの3位決定戦に臨むこととなった。試合は7月15日(金)、ウィーンにあるオーストリア最大のエンストハッぺル・シュタディオン(53000名収容)に舞台を移して行われる。
カナダはアメリカンフットボールの本場米国に次いで世界第2位の競技人口を誇るフットボール大国(競技人口、関係者総数約40万人)。プロフットリーグCFL(カナディアンフットボール)所属経験者を始め、有力カレッジ選手(CIS=カナディアン・インターユニバーシティ・スポーツ)らによって構成された強豪だった。
試合は前半終了時点で14対17と緊迫。カナダが先制し、日本がすぐさま追いつく展開となった。前半終了まで32秒を残してQB高田(パナソニック)が左スウィング・アップを走ったRB古谷に15ヤードのTDパスをヒットして同点に追いついたが、カナダ攻撃が残り1秒に32ヤードFGを決める強かさは印象的だった。
後半開始早々には日本代表が14プレー6分31秒を費やすロングドライブから同点23ヤードFGをK青木(鹿島)が決め、直後のカナダ攻撃をCB加藤(鹿島)がインターセプトで攻撃権を奪取。これを逆転29ヤードFGに繋げたが、ゲームはここから逆転に次ぐ逆転。カナダが8プレー73ヤード、3分28秒のTDドライブをあげると、日本も6プレー89ヤード、2分32秒のTDドライブで応戦。27対24とゲームは三転した。
残り5分。時間とフィールド・ポジションの奪い合いが明暗を分けると思われた瞬間に、カナダにビッグプレーが飛び出した。日本代表守備のプレッシャーを右ロールで交わしたQBフォールズが、ノーマークとなっていたRBスティーブンスへのパスをヒット。これが72ヤードのビッグプレーとなってゴール前1ヤードへ侵入。パワーI体型から力ずくのプレーに出たカナダ攻撃に、日本代表守備も第1ダウン、第2ダウンを阻止したが、第3ダウンにRBウォルターズのTDランを許してしまった。
日本代表にとって残り時間3分31秒は再度の逆転には十分な時間だったが、ここでもカナダKハユラルのキックにビッグプレーを許したのが痛かった。エンドゾーン手前のコーナーに蹴り込まれたボールにカバーチームが群がり、自陣5ヤードからの攻撃を強いられた。
昨年までCFLモントリオールのスターDLとして活躍したべリを中核にしたパスラッシュにも日本代表OLはよく対抗し続けたが、苦しいフィールド・ポジションを抜け出す決定力を発揮できず自陣16ヤード地点まで進んだ後の第4ダウン・ギャンブルを失敗。万事休した。
ダウン更新数で17回対17回。攻撃総獲得距離でもカナダの56回328ヤードに対し日本は58回349ヤードと僅かながら上回った。しかし、パス中心の攻撃からラン主体の攻撃にシフトしたカナダ攻撃(ラン34回131ヤード、パス21回投14成功197ヤード)や、キックリターンで日本の切り札リターナー木下(オービック)に一度もリターンの機会を与えないなど、堅実なゲーム・プランにも強かさが隠されていた。
記録、会見談話はこちら
逆転TDにつながる72ヤードのラン・アフター・キャッチをはじめ、ランでも10回65ヤード1TDを挙げてゲームMVPを受賞したカナダRB35デイビッド・スティーブンス
9回走34ヤード1TDを挙げたRB29RB丸田(鹿島)
フランス戦の負傷で出場が危ぶまれていたWR17小川(IBM)は、レシーブリーダーとなる5回89ヤード獲得
三大会連続出場のRB20古谷(オービック)は、ラン2回42ヤード、パス捕球では2Q終了32秒前の15ヤードTDレシーブをはじめ、3回11ヤードを獲得