ライスボウル出場校は、4年ぶり6度目の学生日本一に輝いた立命館大学パンサーズ!!


 

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 関西学生代表の立命館大学パンサーズと、関東学生代表の法政大学トマホークス。長居陸上競技場で2年目の開催となる第63回毎日甲子園ボウルは、学生日本一のディフェンス陣を擁する立命館大が19−8で制し、4年ぶり6度目の大学日本一に輝いた。
立命館大は前半にQB松田(大)の2本のTDパスやK砂原のFGなどで、リードを奪うと、第4QにはK砂原が2本目のFGを決めて突き放した。ディフェンス陣では、DB今西が勝負どころで2本のインターセプトを決める活躍が光った。

残り3秒。法政大の最後の攻撃をしのぎきると、フィールドで屈強な赤豹の戦士たちが両腕を突き上げた。サイドラインでは、年間最優秀選手(ミルズ杯)に輝いたエースRB松森や、アキレス腱断裂のために試合に出場できなかった主将の浅尾らが冷静に勝利の喜びを噛みしめた。主将・浅尾は「苦しい中、みんなが頑張ってくれた」と胸を張った。

3年前にリーグ4連覇を成し遂げたあと、2年間は2位に甘んじ、甲子園ボウルの一歩手前で涙を飲んだ。
「負けた卒業生たちがいて、いまがある。去年、一昨年の選手達らと全員で(喜びを)わかち合いたい」。ともに苦しい時代を耐えてきた古橋監督は興奮を抑え切れない。

鉄壁の守備陣は大一番でも健在だった。関東学生リーグAブロックで、1043ヤードを走った法政大のエースRB原をわずか58ヤード獲得に抑え、仕事をさせなかった。
RB原が持ち前の快足でDL陣の間を抜けても、「とにかく全員で、何があっても離れないつもりでケアした」と、副将LB海島を筆頭とするLB陣が素早いタックルでロングゲインを許さず、関東のRB三冠王(関東学生MVP、クラッシュボウルMVP、リーグ特別賞)を見事に封じ込めた。

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 DB今西のインターセプト2本も、流れを大きく引き寄せる一因となった。
6点リードで迎えた第1Q5分。先制のTDは奪ったものの、TFPのキックを法政大ディフェンスにブロックされた後のディフェンス。嫌な展開だったが、DB今西の自身今季初インターセプトで、流れは立命館大に傾いた。直後の攻撃で立命館大はFGを決めてリードを広げる。
さらに、圧巻は2本目のインターセプト。DL久司、武知の圧力に耐え切れず、法政大QB小田が中途半端に投げ捨てたパスを狙いすましてインターセプト。立命館大はこの好機を活かし、QB松田がWR尾崎へのTDパスを決めて完全に主導権を握った。
「努力をすれば結果が付いてくると証明できた」。DB町などスター選手の陰に隠れてきた今西は、甲子園ボウル最優秀選手とNFL特別賞に輝く大活躍を見せ、喜びを爆発させた。

最弱と呼ばれたチームが大学日本一まで登りつめた。「自分たちは弱いチーム」。古橋監督は新チームが発足したときから、常に危機感をあおり続けてきた。
転機が来たのは9月下旬。5月に断裂した左アキレス腱を、復帰間近に迫った主将の浅尾が再び断裂し今季絶望。それでも、松葉杖をつき、毎日練習に姿を現す浅尾に勇気づけられ、チームは一つになった。

「浅尾を日本一の主将に」。
全員で誓った約束を果たすまで、あと一戦。1月3日に東京ドームで行われる日本選手権・第62回ライスボウルで、社会人王者のパナソニック電工インパルスと日本一を懸けて戦う。
パナソニック電工には、QB高田やWR長谷川など、かつての立命館大リーグ4連覇達成の立役者となったOBたちなど、日本を代表する選手たちがそろっている。

「まだライスボウルという最高の舞台がある。行くからには絶対に日本一目指して勝ちに行く」。浅尾は2万人の観客に宣言した。社会人の強豪相手に真っ向勝負。いまの立命館大に迷いはない。

記事/濱田直毅(UNN関西学生報道連盟
写真/松本航(UNN関西学生報道連盟
編集/畠中隆好(officeNEAR)
※※写真上から、立命試合終了後の歓喜の様子、立命DB#12今西